新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第7話
第7話 「落下する災厄」
クリーチャー(ハカイジュウ)ことデストリアンが再来し。未曾有の惨事を再び関東地区に巻き起こした。
その爪あとは決して軽いものではない。警察や軍関係者は事件の事後処理に追われていた。
そんな中、科警研に持ち込まれたデストリアンの残骸の一部の調査結果を要が確認に出向いていた。
要 「調査した結果はどうでした?」
科警研研究員 「ええ。調べた結果、体の細胞組織全てが未知のモノでできていました。確かにたんぱく質らしき物などはありましたが、少なくともこの地球上にはないものです。」
要 「確かにC‐01は隕石の内部から出てきました。地球外のものであるのはわかっています。問題は何故隕石が落ちていないにもかかわらず地下から現れたのか?何故多種多様のタイプがあるのか?ということですが・・・。」
科警研研究員 「・・・・考えられるとしたら、かつての個体が実は未だに地下に存在している可能性もあります。ポイントα、β。ご存知ですよね?」
要 「ええ・・・かつて隕石の落ちた場所とC‐01殲滅で吹き飛んだポイントのことです。まさか?!!」
科警研研究員 「そこから新たな固体を繁殖させているとしたら・・・。」
要 「・・・確かにあの場所は未だに立ち入りも上空の侵入までもが禁止されている!!」
科警研研究員 「地球外知的生命体の存在が裏にあるかもしれません。今後とも研究を重ねていく所存ですのでよろしくお願いします。」
要 「はい、こちらこそよろしく。では、失礼します。」
科警研をあとにする要。パトカーを運転しながらつぶやく。
要 「・・・・地球外生命体か・・・・ま、正義の地球外生命体ならうちの部署にいるけどな。それよりも・・・ここでポイントαが指摘されるとは。妙には思っていたが・・・しかしここへ顔を突っ込むのは我々警察でもタブーとされている。確かに何かありそうだ。だが、まだ下手には動けないな・・・・その可能性が固まり次第動くべきか・・・・。」
正義の地球外生命体ことエクスカイザーがいる平沢家。GTモードのエクスカイザーが車庫に止まっている。
そこへ制服姿の唯が来る。12月後半ということもあり、冷え込んだ朝となっていた。
唯 「うう〜寒い、寒い〜・・・おはよう、エクちゃん!」
エクスカイザー 『エクちゃん?』
唯 「そ♪エクスカイザーだからエクちゃん♪」
エクスカイザー 『はははは、明るくなってくれてなによりだ。学校はしばらく休みじゃなかったのかい?』
唯 「それがさ、今日からテストがあって、期末テストだけは今までやった二学期分やるんだって。ああーテストやだやだ。」
エクスカイザー 『でも、こうやって学校へ行けたり勉強できたりすること自体、幸せなことだ。生きているからこそできることなのだから、嫌がってはいけない。』
唯 「朝から説教〜?」
憂 「エクスカイザーの言うとおりだよ、お姉ちゃん。」
後ろから憂もエクスカイザーに便乗する。
唯 「憂までー・・・。」
エクスカイザー 『おはよう!憂!』
憂 「うん!おはよう、エクスカイザー!さぁ、早くいこう、お姉ちゃん!遅刻しちゃうよ?」
唯 「うん!それじゃ、いってきまーす。」
憂 「いっていきまーす!」
エクスカイザー 『ああ!いってらっしゃい・・・・ん?』
急ぎ足で迫り来る音に気づくエクスカイザー。
勇 「だあああああ!!遅刻するウウゥ!!」
大急ぎでエクスカイザーに乗り込む勇。
スターターキーを回すと爆音を吹かしはじめる。
ギャアアアキキキキキインッ、ヴォヴォンヴォン!ヴァォオオオン!!
唯と憂 「うるさーい!」
エクスカイザー 『近所に迷惑だぞ!勇!!』
勇 『ええい!!俺は走り屋だああ!!いっくぜええええ!!』
ヴォヴォヴォヴォヴォギュウルウウッ、ヴォオオオオオ・・・・ヴァゴォオオォォォ・・・
一瞬タイヤをスピンさせ、ものすごい勢いで車庫から飛び出して職場へ向かう勇。
憂 「もう・・・・勇兄ちゃんはクルマ乗ると性格が変わるんだよね。」
唯 「ホント変わり様がすごいよねー・・・。」
その頃の澪は、教室でテスト勉強の最終確認をしていた。
澪 (うーん・・・まぁ・・・大丈夫だな!自信はあるっ!)
そこへクラスメートの和(のどか)が来た。彼女は、先の唯の幼なじみでもある。澪とは同じクラスであり、澪の数少ない(?)普通の感性の友人である。
和 「おはよう!澪!」
澪 「あ、おはよう!和。」
和 「ねえ、テスト勉強はかどれた?」
澪 「まぁ、なんとかね。和は?」
和 「あんなことがあった後だからね・・・・いつもに比べるとはかどれなかった。」
デストリアンの襲撃事件より一ヶ月余りの今日。生徒達の心のワダカマリが癒えきるにはまだ時間が不十分であった。
澪の場合は特に重症になると思われたが、軽音部のメンバーや、命を救ってくれた勇士朗の存在によって短期間で心の傷が癒えてきていた。
ファイバードが放つプラスエネルギーを直に受けたのも、その要因かもしれない。
澪 「今回はそんな感じの子達がほとんどだと思う。だからもてる実力を出し切ればいいんじゃないかな?」
和 「そうね。それに今までやった二学期分ていうから、それなりにできる確信はあるわ。」
澪 「テスト期間が終われば冬休みだし、もうチョットがんばろう。」
和 「うん。お互いがんばろ!」
その頃、勇士朗達も期末テストに臨もうとしていた。
蓮 「だー・・・・かったりー。」
光 「終わったらゲーセンイコーゼ。」
俊 「明日もテストだろが。まー、俺はよゆーだけどな。」
蓮 「どこからくるんだ、そのよゆーっぷり?!」
俊 「普段の努力だ。ていうか、いっそこのあと軽音部のメンバーと図書館いったらどーだ?」
光 「おお!さすが俊!!」
蓮 「いーかもな、それ!な!勇士郎!!」
勇士朗は照れながら誤魔化す。
勇士朗 「あー、パス!!帰ってヤッタホウガハカドルカラ!!」
ズイと顔を近づける蓮。
蓮 「どの口が言ってんだ?!本当は澪ちゃんに会いたいんだろがっ!」
勇士朗 「バカっ!声がでかい!!」
近くに居たクラスメートのメンバーが聞いてしまう。
クラスの男子 「お?!澪ちゃんて誰だよ勇士朗!!」
蓮 (うあー・・・・やっちまった。)
勇士朗 (うわー・・・めんどくせー・・・このバカヤロー!)
その日のテストが終わり、軽音部の部室では二年生メンバーが教師の目を盗んでこっそりとティータイムをしていた。
そこへ堂々とミルクティーを飲む教師、さわ子の姿もあった。
さわ子 「ふう・・・・満たされる〜。」
律 「何が?!」
作品名:新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第7話 作家名:Kブレイヴ