新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第7話
ショベルカーのアームのような頭部。その先にあるクチバシ。屈折部の眼。二足歩行の強固な脚。両腕には大鎌をもった腕が生えている。
C‐09 「キョギャアアアアアア!!!」
バギャガアアア!!ズガシャアアアア!!ガボオオンッ!!!
咆哮しながら、破壊活動を始める。
大鎌で建築物を薙ぎ払い、クチバシでビルを突き砕く。
更には、足元に緊急停車した列車をクチバシで加え、列車ごと人々を飲み込む。
律 「ま、またあんなのが・・・!!!」
唯 「こわいいい!!エクちゃん来てええ!!」
唯の声が届いたかのように、勇の会社に駐車されていたエクスカイザーが急行する。
エクスカイザー 『デストリアンが現れた!!?唯が危ないのか?!!』
ギュガギャッ、ブオオオオオオオオッ!!!
紬 「今日は舞人君、海外へ出張に行っているのに・・・・!!」
澪 「い、いやあああああああああ!!!」
突然叫びながら頭を抱えて崩れる澪。桜高襲撃事件の忌まわしい記憶がフラッシュバックし、彼女をパニックにさせていた。
勇士朗 「秋山さん?!!」
律 「澪!?そうか!!あのときの記憶が甦っちまったんだ!!!」
勇士朗 「あの時の記憶?!」
律 「あの時の怪物が桜校を襲った際、生徒が食われる瞬間を澪は見ちまっているんだ!!」
勇士朗 「そんな!!!・・・・・秋山さん!!」
勇士朗は無意識にそっと澪の両肩に手を置いた。
勇士朗 「大丈夫。もう、秋山さんにあの時の悲劇は見させはしない!!」
澪 「ううう・・・・ううう火鳥・・・君。」
精神が不安定になっているためか、澪は恥ずかしさを見せる事無く、すがるように勇士朗の胸元へと頭をよせる。
勇士朗 (うおおおおお!??あ、あ、秋山さんが俺のトコに!!!)
律 「こんな時にイチャつくなあああああああああ!!!」
勇士朗 「わかってるって!!秋山さんを頼む!!田井中さん!!」
律 「ああ!!いこっ!!澪!!」
わずかにうなずきながら律の手を握って立ち上がる澪。
勇士朗は、澪の身の安全を律に委ねると、すくっと立ち上がって叫んだ。澪との距離感が縮まった(多分)ことにより、歓喜の気合が入る。
勇士朗 「よっしゃああ!!!みんな下がれ!!!」
蓮 「おちょーしもん!!」
光 「逃げよう!唯ちゃん!!」
唯 「うん・・・・(早く来てエクちゃん・・・)。」
俊 「行って来い!!太陽の勇者!!」
勇士朗 「ああ!!」
そして、勇士朗は上空へ叫びながら光を放つ!
勇士朗 「ファイアー・・・ジェエエエエエットッ!!!」
召喚されたファイアージェットが上空から降下してくる。
機首部が折れ、各部が両腕、両脚へと変形をはじめ、ファイバードモードへと変形していく。ファイバードへ完全に変形し、地面に着地する。
それを確認した勇士朗は、気合を入れる。
勇士郎 「はああぁ・・・っっ!!」
地面から20cmほどの低空の上に乗るように軽くジャンプし、低空を高速で駆け抜けていく。
シュオンッ・・・・・ギュオオオオオオオオオオオオオ・・・・
更に加速し、勇士郎にフェニックスのオーラが宿る。
勇士郎 「っしゃあっ!!」
その状態から光りの球体と化してファイバードの胸の中央へと飛び込み、融合合体を果たす。両眼に光が灯り、ファイバードが完全に起動する。
ファイバード 『チェエエェエンジ!!ファイバアアアドッ!!!』
律 「待ってましたああ!!」
蓮 「やっぱカッケーなあ!」
光 「ファイバードっ!!」
俊 「ふっ・・・。」
C‐09と対峙したファイバードが、両腕のダイナバスターで応戦する。
ファイバード 『ダイナバスター!!』
ディガガガガアアガガガガアアアアァァ!!!
ズズズズズズドォドォドォゥウウウウンッッ!!!
C‐09 「カギャアアアアアッ!!」
一声上げると、C‐09がファイバードに接近しはじめる。ダイナバスターを撃ち続けるがこのC‐09も平然と進撃を開始する。ダイナバスターはあくまで牽制用武器のようだ。
接近するC‐09に向かってファイバードが突撃する。
ファイバード 『いかせねぇよっ!!』
だが、強烈なクチバシの一撃が胸部に直撃する。
ズギャアアアアッッ!!
ファイバード 『ぐおおおっ!!!』
吹き飛ぶファイバード。
そこから更に長い頭が伸びて、クチバシの顎がファイバードの左肩を捕らえる。
ガキイイイイッ!!ギギギギギギ・・・
ファイバード 『ぐあああああ・・・・・!!!』
もの凄まじい強靭な顎の力でファイバードを咥えて、持ち上げる。
蓮 「あいつなにやってんだよ?!やられてんじゃん!!」
律 「み、澪には見せない方がいいな・・・。」
澪は、依然としてうずくまっている。
俊 「あいつ、秋山さんには悲劇は見せないって言っておきながら・・・!!」
そのまま放り投げられ、街中の高台の丘に激突する。
ブウゥンッ・・・・・ズガアアアアアッ!!
ファイバード 『ぐはっ!!』
そこへ接近し、クチバシでファイバードを突きまくるC‐09。
ズディガン!! ズギャガン!! ズドォガン!! ズシィガン!!
ファイバード 『がは!!ぐうっ!!がっ!!うおっ!!ぐはあっ・・・・。』
ファイバードのこのピンチに、エクスカイザーが駆けつけた。
GTモードからエクスカイザーモードへと変形。若干な巨大化をする。
エクスカイザー 『チェエエェエンジ!!エクスカイザー!!』
この光景を見ていた唯が、ぱあっと明るくなる。
唯 「ああ!!やっと来てくれたんだ!!エクちゃん、がんばれー!!」
律 「あれが唯が言ってた・・・本当にクルマから変形しちまった・・・・ってかクルマのサイズが元よりデカクナッテル!」
唯 「言ったとおりでしょ!!」
律 「ああ・・・。」
光 「すげぇッ!!」
エクスカイザーが、腕の甲から打ち出すスパイクカッターでC‐09を牽制する。スパイク状の手裏剣のような武装だ。
エクスカイザー 『スパイクカッターッ!!』
ディシュシュウウウッ!! ディシュシュシュゥッ!!
ズディギャガガガガンッ!! ズギャガァガガガガガンッ!!
C‐09 「キイイィイイイイ?!」
エクスカイザーの方へと振り向くC‐09。一瞬の隙ができた。
エクスカイザー 『今だ!!ファイバード!!フォーム・アップだ!!』
ファイバード 『あれは・・・エクスカイザー?!はいっ!!』
作品名:新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第7話 作家名:Kブレイヴ