新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第8話
唯 「ううん、さわちゃんは私のいる軽音部の顧問をしてくれてます。」
吉崎 「へえ!自分がいた部活の顧問やってるんだ!なんか運命的ね!」
唯 「えーと・・・吉崎さんも桜高の卒業生って聞いてるけど、軽音部入っていたんですか?」
吉崎 「ううん。私は運動部だった。サワチャンとはクラスがずっと同じだったのよ。今はどんなカンジなの?」
唯 「あははは、毎日のように部室でティータイムしてますよ〜。」
吉崎 「ティータイム?」
唯 「ケーキを食べながら紅茶を飲んでるんです〜。学校の規則無視してでもやってるんです。」
吉崎 「はー・・・あのコはなにやってんだか・・・。」
その頃、勇士朗は、澪を律と蓮とで送っていた。
律が澪の肩を支えながらなだめる。
律 「澪、どう?落ち着いてきた?」
こくっとうなずく澪。だが、その表情には今だ涙を浮かべていた。
その隣を歩く勇士朗。声をかけること以外できない現状がはがゆかった。
勇士朗 「まだ、涙が出てる。ほら、ハンカチ。」
そっとハンカチを差し出す勇士朗。澪もそれを手に取り涙を拭く。
しばらくの沈黙の中歩き続けると、律がきりだす。
律 「ありがとうな、送ってくれて。」
勇士朗 「あ、いや、当然の事をしたまでっていうか、そうしたかったたっていうか・・・。」
蓮 「舌かんでるぜ?なーにてんぱってんだ?」
勇士朗 「うるせーなぁ・・・テンパッてないって。」
律 「ふふふ・・・・そろそろ澪の家だ。」
勇士朗 「ここらへんなんだ?」
律 「私の家も近いんだけどな。」
蓮 「あ、そうなんだ。寄ってっていい?」
勇士朗 「お前ずーずーしーゾっ!!」
律 「別にいいけどな。送ってくれたし。カップめんぐらいだしてやるよ!」
勇士朗 「いいの?!てか、テス勉は?」
蓮 「マジで!?腹減ってたんだ実は・・・。」
勇士朗 「・・・・。」
最後に澪を送り届ける一行。
勇士朗が律に支えられながら家に入る澪に声をかけた。
勇士朗 「秋山さん!」
澪 「!」
勇士郎 「その・・・・俺、上手く言えないんだけど、やっぱ秋山さんは笑顔が似合ってる!それに学園祭の時、歌もうまかったし、いいメロディーだった。胸に響いた・・・また演奏聞きたい・・・だから元気出して・・・・。」
蓮 (なんつークセー事言ってんだ!?!それじゃ半分告ってるようなモンじゃねーか!!!ヤベーぞ!!)
蓮の心配をよそに、パニックになって以降笑わなかった澪が笑った。
澪 「・・・・・そうだよな・・・・私・・・軽音部だもんナ。音楽で沈んだ世界を明るきしなくちゃって言ったもんナ。ふふ・・・。」
律 「澪・・・・!ふふっ、ホントあいつらって不思議な野郎達だ・・・いい意味でな。その通りだ、澪。私達には音楽が、軽音がある。私らにできる事をしよーぜ!」
澪 「ああ・・・。」
沈んでいた澪の心が再び浮上し始める。
ファイバードのプラスエネルギーが声に変換されて澪の耳に入ったのかもしれない。
桜高軽音部に使命感が改めて沸き始めた瞬間だった。
ドアが閉まるまで勇士朗は澪を見届けた。
つづく
作品名:新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第8話 作家名:Kブレイヴ