新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第8話
その間にも背中にはカイザービームが注がれ続けている。
苦し紛れに、杭を打ち込むようにしてクチバシを真上から突き下ろしてくるC‐09。
ズゴオオオオオオオオッ!!!
ファイバード 『ちっ!!』
後方へと下がり、これをかわすファイバード。
地面に突き刺さった長い口の器官をフレイムソードの一刀で竹を斬るように寸断する。
ファイバード 『いい加減にしろおおおっっ!!!』
ズバシャアアアアアアンッッ!!!
C‐09 「ヴオオオオオオオッッッ・・・・!!!!!」
口の器官を切断され、声にならない声でうめくC‐09。
ファイバードはC‐09の真上を飛び越えるようにジャンプし、キングエクスカイザーの許へと着地する。
キングエクスカイザー 『よし!止めだ!!ファイバード!!ギャザウェイ・アタックだ!!』
ファイバード 『はい!!フレイムソード、チャアアアアアジアアアップッッッ!!!』
キングエクスカイザー 『サンダーチャージアアアップッッ!!!』
ファイバードの額が輝き、光りが一つに収束して天に向かって奔る。フェニックスのオーラがファイバードを包み、フレイムソードの刀身に炎が滾る。
キングエクスカイザーの胸のライオンに稲妻のようなスパークがほどばしり、ライオンの口内にサンダーエネルギーがチャージされ、前にかざしたカイザーソードにエネルギーを注ぎ込む。
今、2大勇者の必殺技がデストリアンを撃ち砕く。
フレイムソードの炎剣の切先をC‐09に向けて構えるファイバード。
その斜め後方からキングエクスカイザーがサンダーフラッシュを繰り出す。
キングエクスカイザー 『サンダー・フラッシュッッ!!!』
ギュイイィ・・・・ヴィヴァガアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!
巨大なエネルギーの剣が天に向かって突き進む!
そのタイミングで、ファイバードが低空を突き進みだす。
球体のエネルギーを帯びながら、激しく燃え滾るフレイムソードを構えて突き進むファイバード。
キングエクスカイザー 『はぁぁあああああっっ!!!』
ギュオァ・・・・・・ズヴァシュガアアアアアアアアアアアァァァァァ・・・・・!!!!
その真横を振り下ろされたカイザーソードのエネルギーソードが奔る。
サンダーフラッシュのエネルギー斬が、C‐09の左腕関節ごと左半身の体を斬り砕く。
ズヴァギャアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァ・・・・・
ファイバード 『でやぁああああああっ!!!』
そして、首が残っている右半身を燃え滾るフレイムソードが凄まじい勢いで叩き斬る。
ファイバード 『フレイム・スラアアアアッシュッッッ!!!』
ズディギャァシャアアアアアアアアアンッッ!!!
ファイバードとキングエクスカイザーの刃に斬られ、ズタボロになったC‐09の身体が、激しい炎の渦を巻き起こしながら炎上し爆発する。
ギュゴゴゴゴゴゴォアアアアアアアアアアアァァァ・・・・!!!
ヴァガドォドォドォドォドドォゴガガガアアアアアアアアンッッ!!!
燃え上がる炎をバックに2体勇者はそれぞれの剣を収容して、勝利の勇姿を決めた。
戦闘が終了した頃、M.P.D.BRAVEが到着した。前回同様、既にファイバードの姿はなく、エクスカイザーがGTモードで待機していた。助手席には唯も乗っている。
戦闘の後、テスト期間ということもあり、結局メンバーは解散し、それぞれの帰路についたのだ。
エクスGTのヘッドライトが不定期に点滅している。唯と会話をしているようだ。
唯 「・・・それでね、あまり騒がれたくないから火鳥君の事はできるだけファイバードになれることは秘密にしておいて欲しいんだって。」
エクスカイザー 『そうか・・・わかった。できうる限りあの少年のことは秘密にしておこう。』
唯 「うん・・・・あれれ?警察の人がこっちにくるヨ。」
それは要の姿だった。
要 「エクスカイザー!今回もハカイジュウ災害の撲滅の協力、感謝する!」
エクスカイザー 『事態は収拾させた!後の問題は事後処理というところか・・・。』
要 「情報によると謎のロボットと共闘していたそうだが・・・。」
エクスカイザー 『ああ。確かに共闘していた。彼はファイバード。私の後輩だ。戦闘以外の活動は秘密事項にしたいようだ。』
要 「そうか・・・やっぱりエクスカイザーの仲間だったんだな。ファイバードという名か・・・本人が秘密にしたいのならこれ以上首を突っ込むこともないか・・・。」
エクスカイザー 『ああ。そのほうがいいだろうな。』
要が唯に気づく。
要 「ん?彼女は・・・?」
エクスカイザー 『ああ。私のドライバーの従妹だ。いわば家族と言ったところか。』
要 「そうか。はじめまして!警視庁特殊部隊M.P.D.BRAVEの要警部です!」
唯に敬礼を送る要。唯も敬礼で要に返した。
唯 「ひ、平沢唯ですっ!好きなものはパフェとケーキですっ!あ、あとこのギー太が一番大好きです!!よろしくおねがいします!」
ギー太を差し出すように主張する唯。彼女のそんな個性ある行動に笑みを溢す要。
要 「ははははっ、オモシロいコだ。よろしく!平沢さん!」
要の向こうでは、ジェイデッカーやレイバーズが瓦礫の撤去作業をしていた。
ようやく復帰したガンレイバーが愚痴をこぼす。
ガンレイバー 『はぁ・・・戦闘があると思いきや瓦礫の撤去作業とは・・・・。』
ジェイデッカー 『文句を言うな、ガンレイバー。こうした瓦礫の撤去の作業も壊れた街を復興させる一歩となる。』
ショットレイバー 『俺たちはクリーチャーと戦うだけが仕事じゃないんだからな。』
ガンレイバー 『あいよ、わかってるよ・・・・ん?』
1人の作業員がガンレイバーを手招きしながら呼ぶ。
作業員 「すんませーん、あっちのほうの瓦礫の撤去なんですが人手が足りないんで手伝ってもらえませんかー?」
ガンレイバー 『え?俺?解りました、すぐに行きますよ・・・・てことでここはよろしく!』
ジェイデッカー 『ああ。任せた。』
唯は、事後処理作業中のジェイデッカー達を見て、さわ子の言っていた事を思い出す。
唯 「ああー!!思い出したァ!!」
エクスカイザー 『どうした?唯?』
唯 「うちの部活の顧問のさわちゃんがさ、ジェイデッカーのいる部隊に友達がいるって言ってたの思い出したー!!」
要 「!」
それを聞いた要は唯一思い当たる吉崎を連れてくる。
吉崎 「このコがですか?」
要 「ああ。ま、しばらく話ているといい。俺は持ち場に戻る!」
吉崎 「はじめまして!アタシは吉崎レイナよ。サワチャンの教え子さん?」
作品名:新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第8話 作家名:Kブレイヴ