ジェラシー?
友達だと思ってたんだ。
友達だから、一緒に寝ても、キスしてもハグしても普通だと思ってたんだ。
だって今までそうしてきたんだよ?
それに意味なんてなかったんだ、だから良いんだって思ってたんだよ。
「あれードイツ、にほ、ん・・・?」
何か二人きりで話してるみたいで、部屋に顔を出そうかちょっと迷った、
俺はその様子を黙って見ていた。
「余程困ってらっしゃるようですね。」
「あ、あぁ・・・」
「でも、悩むことなんて、ないでしょう?」
「日本・・・」
「ドイツさん・・・」
あっ、あっ。
一瞬、ドイツと日本が、キスしたみたいに見えた。
俺は慌てて逃げ出した。
・・・でも、変だな、何で俺は逃げてるんだろう?
キスなんて普通なのに。
でも何かよく判んないけど涙が溢れて、よく判んないところまで逃げて、
大きな声を上げて泣いた。
本当に、何で泣いてるか判んないんだ。
「おぉ〜い、イタリア!!何泣いてんだ、何かあったのかー?」
「ひっく、ひっき、フランス兄ちゃん・・・」
「どうしたんだよ、何泣いてんだよ。兄ちゃん心配しちゃったぞ」
フランス兄ちゃんが頭を撫でてくれる。
本当はフランス兄ちゃんは連合国だから敵なんだけど、何かと心配してくれる。
でもすぐハァハァしだすところは気持ち悪いと思う。
泣きながら、俺はさっき見たドイツと日本のことを話した。
ドイツと日本がキスしてて、すごく悲しかった、と。
あれ?そうなのかな、フランス兄ちゃんは聞いた途端ドイツの悪口を次々と言い出したけど。
本当はキスしてなかったかもしれないし、違うかもしれないし、でもキスくらい、何てことないのに。
どうしてこんなに悲しいのかなぁ?
「あのヤロー両手に花か!!そういう魂胆か!!あのムッツリ!!クラウツ!!スケベ!!」
スケベはフランス兄ちゃんの方が勝ってると思ったけど、兄ちゃんに今何を言っても無理そうで。
「よーし兄ちゃんがクラウツをやっつけてやるからなイタリア!!
可哀想にもう泣くな!!送ってやるから!!」
これ以上ここにいるとスイスに撃たれるし、と付け加えて、兄ちゃんは俺ん家まで手を引いてくれた。
「兄ちゃん、ドイツ倒しちゃヤだよ・・・」
何だかズンズン歩いて去っていくフランス兄ちゃんの後ろ姿に小さく呟いて、俺はドイツに会いたい、と思った。
ドイツ、ドイツキスして。
ハグして、ぎゅ〜ってしたいよ。
「面倒・・・だなぁ。」
「は?」
「あぁ、イタリアくんですよ。
さっき、こちらを覗いて、何か物凄い顔をして走って行きました。
大方私とあなたが接吻を交わした、とでも勘違いしているのでしょう」
ドイツさんが大仰に溜め息をつき、肩を落とした。
「・・・イタリアは、泣いていたか・・・?」
「まぁ今頃どこかで泣いているところをフランスさんあたりに見つかって、
事情を説明してしまい・・・あ、来ましたよ。フランスさんと、イギリスさん。」
速いですね。
私が呟くと、ドイツさんは常備薬の胃薬を飲んで、お茶の準備を始めた。
それにしてもあの二人、いつも一緒だな。仲悪いんじゃなかったっけ。
どうでもいいことを考えて、私はソファに腰掛けた。
ギャアギャアと騒ぎながら二人が入ってくる。
「このヤロークラウツ!!お前はいつもいつも羨ましいんだよ!!
何だ独占か!?何なんだお前は!!
いつもいつもいつもぉぉ!!」
「何をされたんだ日本!!呼べば俺がいつでも助けてやる!!」
何てヒステリーな人たちなんだろう。
イギリスさんは私を抱き締めて、ドイツさんの悪口を延々と言い募る。
私は余程弱くて可哀想だとでも思われているらしい。
ドイツさんはフランスさんに掴まれた襟元を正して、フランスさんに技をかけているところだった。
「イタリアは、何と言っていたんだフランス。答えろ」
イギリスさんは私の肩を抱いたままフランスさんを見て大笑いしている。
こんなにテンションの高いイギリスさんも珍しい。
「ぐ・・・ぎぎ・・・お、お前と、日本が・・・キスしてた、っていてぇぇえ!!」
「そんな訳があるか」
ドイツさんが私をちらっと見る、私の予想が当たりすぎていて、ちょっと不思議に、
核心を突けば不気味に思っている目だ。
「イギリスさん、ちょっと・・・離してください」
「俺はお前をあのムッツリ野郎やバカメガネから守る義務があるからな!!」
どこにそんな。
私は言えずにやんわりとイギリスさんの腕を外して、席を立った。
「イタリアくん、入ってきていいですよ。」
「なっ、イタリア!?」
気づかなかったのか、鈍感過ぎる。
ドイツさんはフランスさんを投げ飛ばし泣きながら入ってきたイタリアくんに走り寄って、一歩前で止まった。
「イタリア・・・」
「ドイツ、俺ね・・・」
「あぁいけない、私、18時からアメリカさんと大リーグのナイトゲームを見る約束なんです。それでは」
まだ明るいのに、時計なんて着けてないのに私は腕時計を見るフリをして退室する。
「なっ!?あのバカメガネとは付き合うなと言っただろう日本!!」
「まっ待て、俺を置いてくな!!」
慌ててフランスさんとイギリスさんが私を追いかけてくる。
見つめ合う二人のうちイタリアくんが、振り返って手を振った。
「・・・に、日本!フランス兄ちゃん!ありがとう!!」
可愛い笑顔を涙で真っ赤にして、ドイツさんの手を握ったまま手を振る。
私なんかより、ずっと可愛いじゃないか。
ドアを閉めた、熱烈な接吻と抱擁を交わしているのだろう。
私はイギリスさん、フランスさん二人の前を歩きながら、小さく呟いた。
「・・・何だか、羨ましいですね。幸せそうで。」
但し聞こえないように。
聞こえたら何かしてくるに決まってる、私はそれが面倒で。
「ドイツ、俺ドイツのこと大好きだよ・・・
だから、だからドイツが日本のこと好きでも、俺はドイツのことずっと好きだよ・・・」
何だか泣きすぎて、声がよく出ないんだよ。
擦り過ぎた目が痛くて、にじんでドイツのことがよく見えないよ。
ギュッて抱き締めてくれる、あったかい。
大好きだよ、ドイツ。
お揃いのクロスが嬉しくて、ドイツの背中に手を回した。
どうやっても触れ合わない俺の両手、でもこれでいい、なんて思っちゃうよ。
「これだけやっても伝わらんのか」
「ふぇ・・・?」
「率直に言うしかないのか」
何だかドイツは独り言みたいに呟いてる、どうしたの?
俺はぼんやりして、ドイツの言葉をいつも以上に理解できない。
「ドイツ・・・っ・・・」
キスされる。かさかさしたドイツの唇。
今度リップクリーム塗ってあげるね。
そんなどうでもいいことが頭をぐるぐるして、ドイツの舌に舌を絡め取られて、
またどうでもいいことがぐるぐるして、パニック状態で。
限界まで上げた首が痛いよ、前歯の裏まで舐められて、
角度を変えて何度も合わせられる唇がじんじんして、変な感じ。
そっかぁ、いつもはこんなこと、絶対しないのに、
たまにこんなに大胆なキスをしちゃうのを、ムッツリって言うのかなぁ?
「・・・ぷはっ・・・ぁ・・・あ」
「い、イタリア?平気か?」
力が抜けたようにへたりこむ俺を心配そうに覗き込む、
友達だから、一緒に寝ても、キスしてもハグしても普通だと思ってたんだ。
だって今までそうしてきたんだよ?
それに意味なんてなかったんだ、だから良いんだって思ってたんだよ。
「あれードイツ、にほ、ん・・・?」
何か二人きりで話してるみたいで、部屋に顔を出そうかちょっと迷った、
俺はその様子を黙って見ていた。
「余程困ってらっしゃるようですね。」
「あ、あぁ・・・」
「でも、悩むことなんて、ないでしょう?」
「日本・・・」
「ドイツさん・・・」
あっ、あっ。
一瞬、ドイツと日本が、キスしたみたいに見えた。
俺は慌てて逃げ出した。
・・・でも、変だな、何で俺は逃げてるんだろう?
キスなんて普通なのに。
でも何かよく判んないけど涙が溢れて、よく判んないところまで逃げて、
大きな声を上げて泣いた。
本当に、何で泣いてるか判んないんだ。
「おぉ〜い、イタリア!!何泣いてんだ、何かあったのかー?」
「ひっく、ひっき、フランス兄ちゃん・・・」
「どうしたんだよ、何泣いてんだよ。兄ちゃん心配しちゃったぞ」
フランス兄ちゃんが頭を撫でてくれる。
本当はフランス兄ちゃんは連合国だから敵なんだけど、何かと心配してくれる。
でもすぐハァハァしだすところは気持ち悪いと思う。
泣きながら、俺はさっき見たドイツと日本のことを話した。
ドイツと日本がキスしてて、すごく悲しかった、と。
あれ?そうなのかな、フランス兄ちゃんは聞いた途端ドイツの悪口を次々と言い出したけど。
本当はキスしてなかったかもしれないし、違うかもしれないし、でもキスくらい、何てことないのに。
どうしてこんなに悲しいのかなぁ?
「あのヤロー両手に花か!!そういう魂胆か!!あのムッツリ!!クラウツ!!スケベ!!」
スケベはフランス兄ちゃんの方が勝ってると思ったけど、兄ちゃんに今何を言っても無理そうで。
「よーし兄ちゃんがクラウツをやっつけてやるからなイタリア!!
可哀想にもう泣くな!!送ってやるから!!」
これ以上ここにいるとスイスに撃たれるし、と付け加えて、兄ちゃんは俺ん家まで手を引いてくれた。
「兄ちゃん、ドイツ倒しちゃヤだよ・・・」
何だかズンズン歩いて去っていくフランス兄ちゃんの後ろ姿に小さく呟いて、俺はドイツに会いたい、と思った。
ドイツ、ドイツキスして。
ハグして、ぎゅ〜ってしたいよ。
「面倒・・・だなぁ。」
「は?」
「あぁ、イタリアくんですよ。
さっき、こちらを覗いて、何か物凄い顔をして走って行きました。
大方私とあなたが接吻を交わした、とでも勘違いしているのでしょう」
ドイツさんが大仰に溜め息をつき、肩を落とした。
「・・・イタリアは、泣いていたか・・・?」
「まぁ今頃どこかで泣いているところをフランスさんあたりに見つかって、
事情を説明してしまい・・・あ、来ましたよ。フランスさんと、イギリスさん。」
速いですね。
私が呟くと、ドイツさんは常備薬の胃薬を飲んで、お茶の準備を始めた。
それにしてもあの二人、いつも一緒だな。仲悪いんじゃなかったっけ。
どうでもいいことを考えて、私はソファに腰掛けた。
ギャアギャアと騒ぎながら二人が入ってくる。
「このヤロークラウツ!!お前はいつもいつも羨ましいんだよ!!
何だ独占か!?何なんだお前は!!
いつもいつもいつもぉぉ!!」
「何をされたんだ日本!!呼べば俺がいつでも助けてやる!!」
何てヒステリーな人たちなんだろう。
イギリスさんは私を抱き締めて、ドイツさんの悪口を延々と言い募る。
私は余程弱くて可哀想だとでも思われているらしい。
ドイツさんはフランスさんに掴まれた襟元を正して、フランスさんに技をかけているところだった。
「イタリアは、何と言っていたんだフランス。答えろ」
イギリスさんは私の肩を抱いたままフランスさんを見て大笑いしている。
こんなにテンションの高いイギリスさんも珍しい。
「ぐ・・・ぎぎ・・・お、お前と、日本が・・・キスしてた、っていてぇぇえ!!」
「そんな訳があるか」
ドイツさんが私をちらっと見る、私の予想が当たりすぎていて、ちょっと不思議に、
核心を突けば不気味に思っている目だ。
「イギリスさん、ちょっと・・・離してください」
「俺はお前をあのムッツリ野郎やバカメガネから守る義務があるからな!!」
どこにそんな。
私は言えずにやんわりとイギリスさんの腕を外して、席を立った。
「イタリアくん、入ってきていいですよ。」
「なっ、イタリア!?」
気づかなかったのか、鈍感過ぎる。
ドイツさんはフランスさんを投げ飛ばし泣きながら入ってきたイタリアくんに走り寄って、一歩前で止まった。
「イタリア・・・」
「ドイツ、俺ね・・・」
「あぁいけない、私、18時からアメリカさんと大リーグのナイトゲームを見る約束なんです。それでは」
まだ明るいのに、時計なんて着けてないのに私は腕時計を見るフリをして退室する。
「なっ!?あのバカメガネとは付き合うなと言っただろう日本!!」
「まっ待て、俺を置いてくな!!」
慌ててフランスさんとイギリスさんが私を追いかけてくる。
見つめ合う二人のうちイタリアくんが、振り返って手を振った。
「・・・に、日本!フランス兄ちゃん!ありがとう!!」
可愛い笑顔を涙で真っ赤にして、ドイツさんの手を握ったまま手を振る。
私なんかより、ずっと可愛いじゃないか。
ドアを閉めた、熱烈な接吻と抱擁を交わしているのだろう。
私はイギリスさん、フランスさん二人の前を歩きながら、小さく呟いた。
「・・・何だか、羨ましいですね。幸せそうで。」
但し聞こえないように。
聞こえたら何かしてくるに決まってる、私はそれが面倒で。
「ドイツ、俺ドイツのこと大好きだよ・・・
だから、だからドイツが日本のこと好きでも、俺はドイツのことずっと好きだよ・・・」
何だか泣きすぎて、声がよく出ないんだよ。
擦り過ぎた目が痛くて、にじんでドイツのことがよく見えないよ。
ギュッて抱き締めてくれる、あったかい。
大好きだよ、ドイツ。
お揃いのクロスが嬉しくて、ドイツの背中に手を回した。
どうやっても触れ合わない俺の両手、でもこれでいい、なんて思っちゃうよ。
「これだけやっても伝わらんのか」
「ふぇ・・・?」
「率直に言うしかないのか」
何だかドイツは独り言みたいに呟いてる、どうしたの?
俺はぼんやりして、ドイツの言葉をいつも以上に理解できない。
「ドイツ・・・っ・・・」
キスされる。かさかさしたドイツの唇。
今度リップクリーム塗ってあげるね。
そんなどうでもいいことが頭をぐるぐるして、ドイツの舌に舌を絡め取られて、
またどうでもいいことがぐるぐるして、パニック状態で。
限界まで上げた首が痛いよ、前歯の裏まで舐められて、
角度を変えて何度も合わせられる唇がじんじんして、変な感じ。
そっかぁ、いつもはこんなこと、絶対しないのに、
たまにこんなに大胆なキスをしちゃうのを、ムッツリって言うのかなぁ?
「・・・ぷはっ・・・ぁ・・・あ」
「い、イタリア?平気か?」
力が抜けたようにへたりこむ俺を心配そうに覗き込む、