ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第9部
ここはどこ?
周りには、雪が積もっていて…
少しの木々が立っている。
誰も…いない。
雪が少し降っていて、頬に当たる感触が少し痛い。
「欲望の王…」
俺は声が聞こえた方向に振り向いた。
女の人が立っていた。
銀色の長い髪…
整った顔立ち…
そして…
なぜか泣いている…。
「あの…、どうして泣いているんですか?」
「欲望の王…、なぜ、なぜ気づかないんだ?」
え…、
どういうことだろう…。
「あ!もしかして寒いんですか?…えっと、なにか着るものは…」
だけど、その女の人は俺の話を聞かず、話し続けた。
「欲望の王よ…、いつになったら…
この世界から出て行くんだ?」
一体なんのことだろう…
この世界から出て行く…?
違うよ、俺は大切な人を助けるためにこの世界に来たんだ。
まだ、出て行かないよ。
「欲望の王よ…、
もう私は疲れたのだ…
できることなら…、いい加減お前を…
この世界から解放してやりたい…」
解放?
ちがうってば!
俺はなにも苦しんでなんかいないよ!!
俺はやりたいことをやっているだけ。
あなたは俺が苦しんでいるように、見えるんですか?
「そうか…
まだ…
気づいていないんだな………」
その瞬間、俺の周りが光り出した。
俺は思わず、目をつぶってしまった…
作品名:ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第9部 作家名:a-o-w