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ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第9部

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041話 日常と決断する王と預けた背中















「んあぁッ!?…あれ、夢?」




映司は勢いよくベットから飛び起きた。
周りは静寂で、時計の音が嫌に耳に入った。
時計を見ると、まだ夜中の3時だった。








「はぁ…はぁ…、最近へんな夢しか見ないな。さて、もうひと眠り…」






−ガタンっ…−





「え?なんだろう、今の音…」


映司はかつて はやての親が使っていた部屋から出て、音の聞こえた方向におそるおそる歩いていく。
階段をおり、玄関にうつぶせに倒れている女性を発見した。


「あ、シグナムさん…、お疲れ様」


玄関には他の世界から帰宅したシグナムが騎士甲冑を纏ったまま、倒れていた。
騎士甲冑はボロボロで、凄まじい戦いがあったことを物語っていた。


「あぁ…、火野か。…すまない。起こしてしまったようだな…」

「それより、シグナムさん。すぐに手当しましょう!傷だらけですよ!」

「そうだな…、いつもすまない」


シグナム達は闇の書のページを集めるため、こうして日々、ローテーションで色々な世界に出ていた。
なぜ夜中なのかというと、はやて に心配させない為である。
映司はいつもボロボロで帰ってくるヴォルケンリッター達を手当する習慣がいつの間にかできていた。


「さてと…、これで大丈夫ですよ!」

「すまない、火野。…ふあぁ…、さて、明日も私の順番だから今日は早く寝るとするか…」

「お風呂は明日早く俺が起きて沸かしとくんで、今日は早く寝てくださいね!!」


そのままシグナムは自分の部屋に入っていった。
映司は救急箱を片付け、自分の部屋に入り、再びベットに横になった。


「俺…、このまま何もしないでいいのかな…。なんか、申し訳ないよね…。」


そして映司はまた深い眠りについた…。








………



「さぁて!映司さん、いつもの健康診断するでぇ!!」

「も、もう大丈夫だよ はやてちゃん!だからもう勘弁してよぉ!!」


「それはダメや!毎日せんとなぁ~」


朝食を食べ終えた映司は、現在 はやて に無理やりソファに座らさせられていた。
はやて は手にA4サイズの紙とペンを持ち、映司に問診していた。
映司は抵抗を諦め、仕方なく問診を受けた。


「今日の朝、頭痛はしませんでしたか?」

「うん、大丈夫」

「朝食を食べているとき、腹痛はしませんでしたか?」

「うん、大丈夫」

「一時間以内に立ち眩みはしませんでしたか?」

「うん、大丈夫」

「他人の声はしっかりと聞き取れますか?」

「うん、大丈夫」

「シグナムの胸のサイズは変わりませんか?」

「うん、大丈夫」

「あ、主!?!?」


わずか0.03秒でシグナムの盛大なツッコミが入った。
おそらくこのツッコミは世界記録を更新するかもしれないだろう。


「火野も火野だッ!!なぜ今の質問に違和感を感じなかったのだ!?」

「ん~、だってもう慣れましたし!!」

「そういう問題ではないだろう!!」

「ふふっ、なんやシグナム!顔真っ赤やでぇ~!!」

「あ、主はやて も…、殿方の目の前で変な事ばかり言わないでください!!」


3人が漫才をしている間に、やっと起きたヴィータが朝食を取っていた。
ヴィータはまだ寝ぼけ気味でうとうとしながら食パンを食べていた。


「映司~、今日は大丈夫かぁ~?」

「うん、ヴィータちゃん。今日も特に異常はないよ!!」

「ふあぁ…、そうかぁ~。シャマル、牛乳」

「はい、ヴィータちゃん!いっぱい飲んで早くシグナムみたいに背も胸も大きくなってね♪」

「ぶはぁッ!!!!…よけいなお世話だッ!!ぶっ殺すぞッ!!!!」


ヴィータの口から吐いた牛乳は、運悪く隣りにいた狼状態のザフィーラに見事にかかってしまった。
ザフィーラは何も言わず、ただ座っていた。
…真顔なのが逆に恐ろしい…。


「今日も異常なし…っと!またこの前みたいに倒れたら困るからなぁ。異常あったらすぐ報告するんやで!映司さん!」

「うん、わかったよ!はやてちゃん!」








「全く、どちらが年上だか検討もつかないな」

「ふふっ!でも はやてちゃんとっても嬉しそう!」

「早いものだな…、あれからもう何日経ったのだろうか…」




シグナムはオーズ、火野 映司との出逢いを思い出していた。
最初は見るからに怪しい人物であった。

会ったこともないのに、なぜか自分たちの名前を知っていて…
それ並みの力を持っているのに戦いたくないとほざいて…

だが、ひょんなことに一緒に生活することから、映司は他人の為ならすぐに飛んで行き、いつも笑顔で、…私たち家族の事を一番にしてくれて…、


今なら、彼に自分の背中を任せられるぐらいだ。




彼のお陰で、毎日が楽しい。




「さてと!じゃあ今日も仕事頑張ってきますね!」

「ん?火野。今日は仕事か?」

「え?5日前から仕事あるって言ったじゃないですか!」

「あぁ、すまない。つい忘れていた。」

「もう、忘れないでくださいよ!」


映司はコートを着て、玄関に立った。
リビングから はやて が出てきた。


「ほな!いってらっしゃいなぁ映司さん!」

「うん、行ってきます はやてちゃん!」


映司はまだ雪が積もっていない外に勢いよく出て行った。


「いっちゃったなぁ、さて!私も家事と洗濯せんとなぁ~」

















………


「お待たせしました!コーヒーのホットが2つです!!」





「お、今日も映司くん頑張ってるなぁ!」

「はい、本当に彼が来てから店がさらに賑やかになった感じですね!」


映司が喫茶翠屋で仕事をするようになってから評判がグンと上がった。
その性格とできそうでなかなか出来ない綺麗な笑顔のおかげで地元の人からの評価がとても良かったのだ。

それにもともとクスクシエで働いていたので、仕事にあたっての「いろは」は既に身体に染み付いていた。


「士郎さん!ショートケーキ2つ追加、お願いします!!」

「おう!ちょっと待っててくれ!」


そんな時、店に2人の女の子が入ってきた。
一人は栗色の髪のツインテール、もう一人は綺麗な金色の髪をした少女、

なのは とフェイトである。
二人は制服姿だった。おそらく帰宅途中なのだろう。

「あら、なのは。それにフェイトちゃん。よく来たわねぇ」


「うん!ちょうどさっき学校が終わったんだ!」

「あ、あの…、お邪魔します」


二人は空いていた席を見つけたので取られない内にその場所を確保した。
ちょうどそこに映司が近寄ってきた。


「お疲れさま、なのはちゃん!…それに…フェイトさん!?」


「あれ?映司さんってフェイトちゃんに会ったことありましたっけ?」

「えっと…、なんで敬語なの…かな?」


映司は動揺し思わず口が滑ってしまった。
自分が未来の世界から来たことはヴォルケンリッターの4人しかしらない。


「あぁっ!!えっと…ほら!君たちの小学校の人が話していたのを聞いたんだ!!」


映司は冷や汗をかきながらあれこれ言い訳をした。