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ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第9部

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二人は同時に首をかしげ、頭に?マークを浮かべていた。


(はぁ~、危なかった…、それにこの世界ではフェイトちゃんって言わないとな…)


映司は気を取り直し、片手をフェイトにさしだし、改めて自己紹介をした。


「俺は 火野 映司!ちょっと前にこの海鳴に来たんだ!よろしく、フェイトちゃん!」

「うん、よろしく映司!」

(いい人だな…、アンクにも会わせてあげたいな)



まさか映司が探しているアンクが実は目の前の少女と共に生活しているなんて思ってもいないだろう。

映司は時間を見つけてはアンクを探すという生活をずっとしていた。
しかし彼の情報は映司は一切見つけることができず、
何日も過ぎていった。


(アンク、お前ちゃんと生活しているのか?…ほんと、どこ行っちゃったんだろう…)


「映司、どうしたの?」

「えっ、あ…なんでもないよ!フェイトちゃん!!」


映司はいつの間にか悲痛な表情をしていたらしい。
気を取り直し、そのまま仕事に戻っていった。


(ま、アンクなら大丈夫でしょ!きっと今でもアイス食べてるだろうな!)




−−−


「へっくしゅん!!」

「なんだい、アンク。風邪かい?」

「あぁ?…いや、なんでもない」


アンクはフェイト達が滞在するマンションでソファに座りながら相変わらずアイスキャンディを舐めていた。


「アンクさん、そんなにアイス食べていたらお腹壊しますよ!」

「ふんっ!…それよりフェレット、俺はいつになったら解放させてくれるんだ?」

「だから、僕はユーノ・スクライア!もうちょっと我慢してください!!なるべくそういう方向に持って行ってあげますから…」


3人がやり取りをしている間、奥の部屋からクロノとエイミィが出てきた。


「皆、ちょっと見て欲しいものがあるんだ」


クロノがいつも以上に険しい表情をしながらアンク達を呼び寄せた。
アンクは渋々モニターのある部屋へと移動した。


「皆、この映像を見てみて!」

「ん?これって…」

「………」


エイミィが映し出した映像には広大な砂漠にとても巨大なエイリアンみたいな怪物が何体も倒れている場面が映し出されていた。


「推測だが、これは闇の書の騎士たちが戦った痕跡だろう」

「…理由は?」

「えっとね、この怪物の体内にも少しだけどリンカーコアがあった形跡があるの。今は完全に抜き取られちゃっている状態だけどね」


その瞬間、アルフが右手を拳を握り、左手に押し当てた。


「ついにしっぽを出したね!この前の借り、返してもらうよ!!」

「ちょ、ちょっとまってアルフ!まだ決まったわけじゃないんだよ!」


「だが、可能性はでかいだろうなぁ」

アンクはアイスを食べ終え、棒を口に挟んでいた。


「クソガキ、この世界に再び奴らが出現する可能性は?」

「クソガキじゃない。…まだ感づかれてはいないだろう。十分に可能性はある。」

「うん、それじゃあ なのは達にこの事知らせないと!」


ユーノは急いで なのは達の元へ向かっていった。
そんな中、珍しくアンクが真剣な表情でその映像を見ていた。


「…?どうしたんだ、金髪トサカ。そんなに真剣になって…」

「アンクだ。…おいクソガキ。





もし奴らが再び出現したら、その時は俺も連れて行け」

(最後の賭けだ…、今まで映司の奴を見つけられなかったんだ…。あいつらといる可能性がないわけじゃねぇ)



「何っ!?」


クロノはアンクのいきなりの要望に驚いてしまった。
…あのアンクが自分から同行を願うとはよほどのことなのであろう。


「どういうことだ?説明するんだ」

「あの騎士たち、…もしかして俺の探している奴の事を知っているかもしれねぇからな。まぁ断定はできないが…」

「う~ん、困ったなぁ…」

「どうする?クロノくん」


エイミィが不安がりながらクロノを見つめた。
あの件以来、少しはアンクのことを信頼するようにはしたのだが
まだ完全に信用することはできない。

もしかしてアンクは彼らの仲間かもしれない…。


「いっておくが、俺は奴らの仲間じゃねぇからな!」

「あぁ、わかっている…」


苦肉の策だったが、クロノはアンクの出撃を許可した。
…もちろん監視付きだが。


(映司…、まさかとは思うが…




自分の正体、バラしてはないだろうなぁ…)








………





「ふぅ…、今日も疲れたなぁ」

映司は仕事が終わり、八神家へと帰宅していた。


「ただいまぁ~…って、あれ?」


違和感を感じた。

いつもなら必ず はやて が出迎えてくれるのだが、今日はリビングから出てこなかった。
そんな中、後ろからザフィーラが現れた。


「火野、主ならご友人のところにいるぞ。先ほど連絡があり、今日は泊まっていくらしい」

「うわぁっ!…て、ザフィーラさん脅かさないでくださいよ…」

「…すまない」



そっか、

今日 はやてちゃんいないんだ…。



映司は少し寂しかった。
しかし はやて とて年頃の子である。

いくら家事全般を受け持っているとはいっても
友達と遊ぶことも子供の仕事である。


「まぁしょうがないよね、さてと!たまには俺が夕食作りますかっと…」



「あぁ、火野。お帰り」


リビングに入るとシグナムが再び戦いにいく準備をしていた。

「え、シグナムさん。もう行っちゃうんですか?」

「今日は主はやて は帰ってこないからな。できるだけ沢山集めておかないと…」

「集めておかないとって…」


映司はシグナムの身体を眺めた。
連戦の為、体中にはまだ包帯が巻かれていた。
(ちなみに はやて には派手に転んだという言い訳をしている)


「まだ怪我が治っていないじゃないですか…」

「仕方ないだろう、それにこれぐらいなんともない!」


映司は珍しく少しイラっとし、包帯が巻かれている腕を軽く掴んだ。
その瞬間、シグナムの身体に衝撃が走った。


「ッ!!!…く…」

「ほら!やっぱり痛いんじゃないですか!…相変わらず強がりなんですから…」



(…やっぱり、待ってるだけなんてできないよね)




「あの、シグナムさん!」

「…?な、なんだ火野」


シグナムは少し驚いた。
映司は真剣な表情でシグナムを見ていたからだ。


「俺を…






俺を一緒に連れて行ってください!!」




「何ッ!?」

「…ッ!!」


ザフィーラさえも動揺していた。
あまりにも衝撃過ぎた。
あの映司が自分から戦いの場に同行させてくれと頼まれた。

あの、戦うことを好まない映司が…。


「…いいのか?」

「…はい、ただ待っているのはもう嫌です。俺もシグナムさん達と一緒に戦います!…お願いします!!」


映司は勢いよく頭を下げた。
その姿にはもう迷いはなかった…。



「なら、行くぞ。火野」

「え…っ?」


映司は頭を上げ、シグナムの顔をみた。
その表情はかつて最初にこの世界で対面した時に見た真剣な表情だった。


「お前に、私の背中を預けるぞ…いいな?」

「…ッ!はい!!」