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ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第9部

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咄嗟にヴィータはシグナムに思念通話を開いた。


(シグナム…どうしよう?)

(…そうだな…)


シグナムも根っからの悪人ではない。
しかし…ここで全て話しても通じるのだろうか?
そんな不安がよぎっていたのだ。

そんな時だった。


「手を繋ぐには、まずお互いを信用しなくちゃいけませんよ」

−えっ…−
「なんだ映司、この女に話しかけているのか?」


オーズはいつの間にかシグナムの近くに立っていた。
ちなみにまだアンクが憑依した状態である。


「シグナムさんも、薄々感じてはいるんですよね?…いくら自分達の欲望があるとはいえ、相手はまだ幼い子供たち…。その子達を傷つけてまで はやてちゃんを助けたいなんて…本当は思っていないんですよね?なら、話し合いましょうよ。ただ、がむしゃらに戦っていてもなにも変わりませんよ!!」


仮面越しだが、おそらく火野は笑っている。

…全く、私達は本当に変わったのかもしれない。


お前に会わなければ、今もあの子達と戦っていたかもしれないな。








(ヴィータ…お前の思うようにやってみろ)

(え、でも…)

(安心しろ、シャマルとザフィーラには私から説明しよう。あとは…ヴィータがどう考えているのか…お前の思いをすべて話してみればどうだ?)

(うん…わかった!)


ヴィータは決心した。
これで…すべては変わるのだろうか?


「あの…な……」

「うん…ゆっくりでいいよ」

「じつはな…」




その時だった!!

「っ!!ヴィータちゃん危ない!!」

「えっ?」


なのは はヴィータの目の前に移動し、防御魔法を発動した!
その瞬間、倒れたと思われていた龍から火炎弾が放たれ、ギリギリのところでガードすることができた。


−な、なに?−
「あいつ!まだ息の根があったのかッ!!」


『タカ!トラ!バッタ!
タッ!トッ!バッ!タトバ!タッ!トッ!バッ!!』

オーズはタトバコンボにコンボチェンジし、龍に向かって走っていった!!

「みんな!援護お願い!!」

「ッ!わかったよ!!」
その言葉を聞いたフェイトはすかさず龍の元へと近づき、バルディッシュ・アサルトで翼を切り刻み、龍を滞空できなくした!

「今はあの龍が先だ!!いくぞ、高町なのは!!」

「うん、ヴィータちゃん!!」

ヴィータはグラーフアイゼンでモグラたたきのように7つある龍の頭を順番に叩き、混乱状態にさせ、それに続き なのは はディバインバスターで龍の体力を思いっきり減らした!


「よし!これで決める!!」

『スキャニングチャージ!!』


最後にオーズがベルトを再スキャンし、高いジャンプをした!
その目の前にそれぞれ赤・黄色・緑の3つのリングが現れ、それぞれ通過しながら龍めがけてキックを放った!!


「せいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」


「タトバキック」は直撃し、大爆発が起こった!!
オーズはバックステップで着地し、龍は力尽きその場で派手に倒れ込んだ。


−…結局、私は何もしなかったな…−
「はんッ!上出来だ、映司!!」


アンクがやっとシグナムから離れ、オーズのすぐ近くへと移動した。
その瞬間、赤いメダルを除くすべてのコアメダルが消滅してしい、変身が解けてしまった。


『どうやら、他のコアメダルを出現できるのは あの女たちに憑依している時限定らしいな』

「だからって本人の許可なしに勝手に憑依するなよ!!失礼だろ?」



「あれ?映司…映司なの?」

上空からフェイトが映司のすぐそばに降り立った。
もちろんフェイトは驚きを隠せなかった。


「あ…、正体バレちゃったね…」

『ッ!!?おいガキ!!今見たもんは全部忘れろ!!』

「忘れろって…、もう皆見ているよ」



残念ながら今までの戦いはすべてクロノ達がモニターで監視していたため、オーズの正体が映司だとあっけなくバレてしまったのだ。



−−−


クロノ達が待機しているマンションではその場にいた全員が予想通りの反応をしていた。


「な、なんだあの男は…」

「へぇ~、なんだい。ただの人間じゃないかい」

「でもでも!なんかすごく良い人にみえるよ!!」

「そ、そうか?僕はまだわからないな!!」

「どうしたんだクロノ?嫌に必死じゃないか」

「ッ!!うるさいフェレット!!」



−−−



「あぁぁ!?やっぱり映司さんだ!!」

「あ~あ、バレちゃったな、映司」


フェイトに続き、なのは とヴィータも映司達のすぐ近くに降り立った。
なのは は目を大きくしながら指をさして驚いていた。


「あはは…、なのはちゃんにもバレちゃったか。ごめんねアンク!」

『ごめんねじゃねぇよッ!!…あぁ…運気は最悪だ…』

「アンクは映司と知り合いなの?」

『あぁ…腐れ縁だ…』



そんな中、シグナムとヴィータは先ほど倒した龍からリンカーコアを抜き取っていた。
それもちょうど終了するぐらいだった。


「よし…と。これで今日のノルマは終わりだな」

「さて、これは良しとして…、どうするんだヴィータ。全て話すのか?」

「あぁ…はやて のことも、闇の書のことも全部話すつもりだ」


ヴィータには迷いがなかった。
これで彼女らが協力してくれるのなら、もう私たちも苦しまなくて済むはずだ。


「そうか…、良かったなヴィータ。主はやて や火野以外に友達ができて」

「あぁ!?な、なんだよ!!悪いか!?」

「ははっ!誰も悪いなんていってないだろう」


シグナム自身も嬉しかった。
自分たちの心の迷いも全部あの男が吹き飛ばしてくれる…。

なぜ彼にはこんなに説得力があるのだろう。


(感謝…しなくてはな)











−ウオォォォォォォォンッ!!−




辺り一面にとてつもない咆哮が響いた。


『あん?一体なんだってんだ…』

「アンク…今の人間のじゃないよね?」

「映司…だれが聞いてもわかると思うよ」

「じゃ、じゃあ…もしかして!!」


今の咆哮を聞いて、ヴィータとシグナムも映司達の近くに集まった!


「テスタロッサ!今の聞いたか!?」

「う、うんシグナム。すぐ近くにいるみたい…」

「な…なの…は…び、ビビってねぇだろうな!!?」

「うん…大丈夫だけど…、ヴィータちゃんなんで足震えているの?」




その時だった…ッ!!




−ウオォォォォォォォォンッ!!!!−


「ッ!!?嘘でしょ!?」

『おいおい…マジかよ…』


再び同じ龍が映司達の目の前に現れた!!
しかし…一体だけではなかった…。


「え、えぇ!!?」

「くっ…なのは、落ち着いて!!」


龍は10体いた。
それどころか次々と増えていった。

いつの間にか、その龍の群れは映司達の周りを取り囲んでいた。

…絶対絶命だった!!


「ヴィータちゃん…いける?」

「…いや、さっきで力使い過ぎた…」

「にゃはは…私も…」



「テスタロッサ…、お前、腹に傷が…」

「う、うん…さっき油断しちゃって…」




「アンク…セルメダル5枚だけ頂戴」

『…一体何する気だ?』