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ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第10部

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044話 フェイトと忘れられる腕とお誘い





「フェイト、そろそろ登校しないとまずいんじゃないか?」

「そ、そうだね!いってきます!!」

「いってらっしゃい、フェイトさん!」


一人の女の子がとあるマンションの一室から勢いよく飛び出していった。
今日も空は雲一つなく、少し肌寒いがこのぐらいが寝起きには丁度良い。


「…全く、昨日アンクと夜ふかしなんてしているから…」

「なぁに?クロノくんもしかしてアンクに嫉妬してるの?」

「な、なに言っているんだエイミィ!!」

「いいじゃないクロノ、二人とも立派な『お兄さん』よ!」

「か、母さんまで…」





「ふんッ!誰があのガキの兄貴だ…」


アンクはベランダに腰掛け、まだ朝だというのにアイスキャンディを舐めていた。


「おいアンク!アイスは一日三本なんだぞ!!わかっているのか!!?」

「チッ…朝っぱらからうるせぇなぁ…」



あの事件から4日過ぎた。
いつの間にかハラオウン家ではいつもの日常の風景に戻っていた。
しかしアンクだけ…今だに映司が一瞬だけ変身した「プトティラコンボ」の件で
悩んでいたのだ。


「映司…、あいつ大丈夫なのか?あの変身には後遺症が残っちまうからな…」


そんな時、人型のアルフがしかめっ面でアンクの元へとやってきた。
アンクは多分また文句を言われると察し、そのままそっぽを向いた。


「おいアンク!あんた最近フェイトに構ってやっているのかい!?」

「あぁ!?ガキがどうしたってんだ」


アンクはいくらなんでも理不尽だと感じ、少し苛立った。


「フェイトが最近また元気が無いんだよ…、あんた、なにか知ってるんじゃないかい?」

「だぁから!!なんであいつになにかあったら俺が一番に疑われるんだよ!!」


「なんでって…ねぇ…」


アルフはクロノ達の方向を見つめた。
全員、納得した表情で首を縦に降っていた。


「あん?なんだよ…」

「あんた…気づいてないんだねぇ…この鈍感」

「…?」





−−−


「はぁ…はぁ…」



…寝坊した。

フェイトは始めて平日に寝坊をしてしまい、現在、いつも なのは と待ち合わせている場所へと走っていた。



「なのは…はぁ…はぁ…先いっちゃったよね…」


だが、いつのの待ち合わせの場所には、少し焦っている なのは の姿があった。
フェイトは驚きながら全速力でその場所へと走った。


「あ!フェイトちゃん!!」

「え…ちょ…なのは!!?なんで先行かなかったの!?」

「なんでって…、私だけ先行ったらフェイトちゃん可哀想でしょ?それより早く行こう!!」

「え!あ、うん!!」


二人はそのまま全力疾走で学校へと登校した。

なんとか予鈴が鳴るまえに学校に到着することができ、
教室についた二人は席に座り、同時に机に倒れてしまった…。



………


「へぇ~、『はやて』ちゃんかぁ。すずかちゃんいつの間に仲良くなってたの?」

「うん、いつも通っている図書館で偶然出会ったの」


学校はちょうど昼休みになり、屋上で なのは、フェイト、それにアリサと すずか の四人でお弁当を食べていた。


「でも可哀想だよね…、足が不自由で学校に登校できないなんて…」

「学校も学校よ!!階段なんて廃止して全部エレベーターにしちゃえば良いのよ!!」

「あ、アリサちゃん…いくらなんでも無理が…」


すずか 優しくアリサに突っ込んであげた。
…その前にこのお嬢様なら本当にやりかねないから恐ろしい。


「はやて か…、私も会ってみたいな」

「今度みんなで会いに行こうね!」


そんな中、アリサは腕を組んで何か真剣に考えていた。


「う~ん…」

「どうしたの、アリサちゃん。…もしかしてまだエレベーターのこと…」

「違うわよ、なのは!!…ねぇねぇ、皆、今思いついたんだけど!!」

「うん、なにアリサ?」






「クリスマスも近づいているでしょ!?その はやて って子に内緒でクリスマスプレゼント用意しない!?ただ会うだけじゃつまんないし!!」


それを聞いた3人の表情がぱぁっと明るくなった。


「うん!それいい!!さすがアリサちゃんだよ!!」

「ふふっ、はやてちゃんなら絶対喜ぶと思うな!」


早速、4人は はやて のサプライズを考えていた。
…そんな会話の中の出来事だった。


「はやてってどんな子なんだろう?ねぇすずか。その子の特徴教えて欲しいな」

「う~ん…、見た目の割には活気があって…あと優しい関西弁で話すの!」

「ふぅ~ん、他もなにかある?」

「えっと…、あ!あと話しの乗りがすごく上手いんだよ!はやてちゃんと話しているといっつも面白いこと言ってくるの!」

「ふふっ!アンクと話したら面白いことになりそう!!」

「ん?ちょっとフェイト…






『アンク』って、誰だっけ?」





「…え?」







おかしいな…、
アリサは前に一度だけアンクと会っているよね

…そうか、一度しか会ってないから顔と名前が一致しないんだね。







「アリサ、忘れたの?この街に私達が引越して来たときに一度だけ会ってるじゃない!」

「え…、そ、そうだっけ?すずか…覚えてる?」


アリサは少し戸惑いながら すずか に質問した。
そのアリサの表情はいつもの冗談の時の顔ではなく、本当に困っていた表情だった。


「う…うん、なんとなく…覚えている感じかな…」




「フェイトちゃん、どうしたの?」

なのは は様子がおかしいフェイトに気づいた。





体中の血の気が一気に引いた気がした。

実は以前も似たような現象をフェイトは鉢合わせていたのだ。
あれは、あの砂漠の世界に出撃する数日前の出来事だった。






−−−



「クロノ、アンクがまたアイスがないって騒いでいるよ」

「なに?一日3本って、いっつも言っているのに!!」

「でもアンクが可哀想だよ、クロノ、お願い」

「…くそ、こんどあいつの朝食に……ん?」

「どうしたの、クロノ?」

「いや、アンクの苦手な物がなんだったのかど忘れしてしまってな、フェイト、覚えているかい?」


−−−






−卵と鳥肉だよ!忘れたの?−
「あの時も、そうだったよね…」


流石にあの件はクロノのただのド忘れだったと思っていた。
…だが、時間が経てば経つほど、皆アンクのこと忘れていっている気がする。

最初は些細なことだったが、今では存在事態が周りから忘れられていっているみたいだった。



「フェイトちゃんッ!!!!」

「え?あ、なのは…」


フェイトはいつの間にか上の空だったらしい。
近くではなんども なのは がフェイトの名前を叫んでいた。


「もう!フェイトちゃんってば、こんなに呼んでいるのにずっとシカトはひどいよぉ」

「ご、ごめんね なのは!!もうしないから…」

「ほんとぉ~?」

「うん、本当!」









「あ~あ…また二人の世界が始まったわね…」

「うん、アリサちゃん…」






………


学校も終わり、なのは とフェイトは一緒に家へと帰宅していた。