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ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第10部

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「お前…俺が最初に言ったこと、もう忘れたのか?」

「え……」


アンクが太郎のもとへと近づき、すぐ目の前に立ち、太郎を見下した。
太郎はアンクを恐れ、また泣きそうになった。


「お前、なんで『欲望』をそんなあっさりと捨てちまうんだ!?」

「え…なんのこと?」













「友達できない、できないって…、最初から諦めてんじゃねぇよッ!!!!転校したらだれも友達ができねぇだと!?お前はただ逃げてるだけじゃねぇかッ!!!!友達欲しかったらその『欲望』掲げて自分からがむしゃらに突っ込んでみろ!!!!」


「ッ!!!!」






そうだ…

僕はただ言い訳を作っていただけなんだ…




自分から逃げていただけなんだ…ッ!!









「…く、…なるよ…」


「あん?」


「た…太郎?」












「僕、…うぅん…俺!お兄ちゃんみたいになるよ!!そして強く、かっこいい大人になるよ!!」

「ふんッ!これだからガキは…」

「…太郎」








−弦太朗ッ!!−


「え?」

「あ、お母さん!」


遠くからこちらに大急ぎで近づいてくる一人の人影が見えた。
…紛れもなく太郎の母親だった。


「太郎…今あの人『弦太朗』って…」

「ごめん、お姉ちゃん!俺の名前って『太郎』じゃなくて…『弦太朗』っていうんだ!!」

「どうやら俺たちは勘違いしていたらしぃなぁ」

「う…うん…」


フェイトは顔が赤くなった。
それをみたアンクが鼻を鳴らし、そっぽを向いた。










「ありがとうございます、ありがとうございます!」

「お姉ちゃん、お兄ちゃん、本当にありがとう!!」





「うぅん、そんなたいしたことしてないよ、弦太朗」

「全く…今度から気をつけろよ…ガキ」




弦太朗とその母親はそのまま手を繋ぎ夕日が昇った方向へ帰っていった。








「アンク…」

「なんだ、ガキ」

「私…手を繋ぎたい」





フェイトはいつの間にか涙を流していた。
あの親子の姿をみて、自分も思い出してしまったのだろうか。


「ったく、しょうがねぇな」


アンクはフェイトの手を握った。
その手は暖かく、心が安らいでいった…。



「…ぐすっ…アンクの手…暖かい…」

「…帰るぞ…」

「……うん!」
















………



雪が降る夜空、二つの人影が手を繋ぎ、市街地を歩いていた。


「…寒いね」

「あぁ…寒いな」



二人は身を寄せ合い、自分たちの『家族』が待つ家へと歩いていた。





「アンク…今日楽しかった?」

「あぁ…ガキのお守りで最高に疲れた」





「アンク…あのね…」

「あぁ?なんだガキ」








「私たち…ずっと一緒だよね?」











アンクは歩くのを止めた。
フェイトは驚き、咄嗟にアンクの顔を見つめた。

そしてアンクから返ってきた言葉は…


あまりにも残酷だった。






















「悪い……、無理だ」


























「え……」









なんで?



どうして?





私たちは、家族でしょ?











「なんで…そんなこというのかな?」

「簡単だ…、俺はいつかお前達の元から離れなくちゃいけねぇからな」









俺たちは、この世界の住人じゃねぇんだ。

いつか、別れの時はくる。











「なんで?…私が子供らしくないから?…それとも、アンクにいっつも迷惑かけてるから!?」


いつの間にか泣いていた。

本当は泣きたくなかった。





だって…







アンクなら絶対一緒にいるって言ってくれるって思ってたから。
















「やだ…」

「悪い」

「やだ…やだよ!アンク、これからも一緒に生活しようよ!!」

「…悪い」

「そ、そんな!!やだ!!絶対やだ!!!!やだやだッ!!!!」

「いい加減にしろ!!!!」

「ひっ……」



アンクの罵声がその場に響き渡った。
フェイトから言葉が出なくなってしまった。


「無理だって言ってんだろぉがッ!!!!わがままいうんじゃねぇよッ!!!!」

「…ヒグッ……」










映司…


こういう時、どうすれば良い?






悪いが俺にはわかんねぇんだ…


















その時…


アンクの脳裏にある映像が浮かんだ。






「あぁ?」







おかしい…





「アンク?………ッ!?」






なぜ、なぜだ…







「………。」








俺は…この光景を見たことがある…。
それも、一度だけじゃねぇ…もう何度もだ…。






そして、俺はこの場で次にガキにこう言ったんだ。








「ガキ…」




「な、なに?」























「俺はお前のこと…絶対忘れねぇ…」


「ッ!!!?…うぅ…うあぁぁぁぁぁッ!!!!」









アンクはいつの間にかフェイトを抱きしめていた。

フェイトは大泣きし、アンクのコートに涙や鼻水で汚してしまった。












………



「すぅ~…すぅ~…」

「ッたく、泣き疲れて寝てんじゃねぇよ!!」


アンクはあの後、遊び疲れと泣き疲れによりフェイトは歩きながら半寝してしまった。
さすがに危なかったので、結局アンクが背中におぶって、ハラオウン家へと帰宅していた。


「…あんくぅ…」

「…寝言か?」






「私も…覚えてるからね…」

「…なんのことだ?まぁいい…」









−−−


アンクはその数日後、ついに周りの変化に気づいてしまった。
それはクリスマスの5日前の出来事だった。

そして悟ったのだ。
なぜ、フェイトがあの時自分にあんなことを言ってきたのか…


思い出すと、少し心が痛かった…。


−−−















「そういえば、なんだったんだ?さっきのあれはよ…ん…ちょっとまて…」




アンクは思わずその場で立ち尽くした。
そして、重大な事を忘れていた…。






「あッ…やべ…」

「すぅ~…すぅ~…」














「あのガキ共の事…すっかり忘れていた…」





















「ふぇぇぇん!!アンクさぁん!フェイトちゃぁん!いったいどこぉ!!?」

「な、なのは落ち着いて!!最後の手段は僕の転送魔法で…」

「うあぁぁぁぁぁんッ!!!!ユーノくんと二人っきりって心細いよぉぉぉッ!!!!」

「ッ!!!!!!!!……う…うぅ…」




































−−−



「…喋り方よし…見た目も良し、漫画みて全部学習したからね!…じゃない、学習したからな!!」