二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第11部 前編

INDEX|10ページ/10ページ|

前のページ
 

「ふふっ、ヴィータちゃんまだダメよ?はやてちゃん も退院して間もない内に働かせちゃ!私が変わりに作ってあげるわね!!」

「…シャマル、無理しなくて良い…」

「ふふっ、ザフィーラ、何か言った?」

「…いや、なんでもない…」



良かった。
いつもの日常だった。

皆、まだ俺の事覚えていたんだ。



そうだよ、俺たち家族の『絆』は、そんな簡単に切れるものじゃない。
いつだって、繋がっている。











−これからもそんな日常が続くと思っていた…−

















−ガララッ−

急に病室のドアが勢い良く開かれた。


「やっほぉ!はやて!!お見舞いに来たよ!!?」

「はやてちゃん、お久しぶり!前言った通り皆連れてきたよ?」

「こんにち……え、…ヴィータちゃん?」

「どうしたの、なのは……シグ…ナム?」




「あッ、すずかちゃん!」

「なのはちゃん?…それにフェイトちゃん!?…そうか、すずかちゃんの友達って2人のことだったんだ!」

「ちょっと!私もいるわよ!!」


アリサの盛大な突っ込みが映司に放たれた。
映司は久しぶりの再会に驚いていた…が、



シグナム達の様子が、おかしかった。



「ははっ!ごめんね?…あれ、どうしたの、ヴィータちゃん?」


ヴィータはなぜか なのは を睨んでいた。
いや、ヴィータだけではない。

その場にいた俺と はやてちゃんを除く全員が なのは を睨んでいた。



「みんな、ありがとな!!…それと、ヴィータ、なのはちゃんと知り合いなんか?」


はやて の何気ない一言。
だが、次の瞬間ヴィータの口から出た言葉に、映司は目を疑った。




「いや、知らねぇな…こんな奴」




「えっ?ヴィータちゃん?」





「皆、時間だ、そろそろ行くぞ」

そのままシグナム達は病室から出ていこうとした。

「えっ…ちょっとシグナム?もう行くんか?」

「はい、私達が居てはここは狭すぎます。」

「ごめんなさい、はやてちゃん…また後でね」


映司は言葉が出なかった。
皆の豹変振りを見て、恐怖を感じてしまった。



シグナムがちょうど なのは の隣りを通りすぎるとき、小声で なのは にある言葉を伝えた。









「今日の夜、お前に話がある。…場所はこの病院の屋上だ」






なのは は目を見開いた。
理由を聞きたかったが、そのまま4人はスタスタと歩いていってしまった。


「な、なんや…皆…どうしたんやろ?」

「…シグナムさん…」










………

その日の夜、
八神家の玄関前には4人の人影があった。

「皆、準備はいいな?」

「…あぁ…問題ない」

「ヴィータちゃん、後戻りは…出来ないわよ?」

「あ…あぁ……はやてのために……ッ!!」




4人は、海鳴大学病院へと、歩いて行った…。



















「なぁ映司さん?」

「なに?はやてちゃん」



はやて の病室は電気を消していたため暗闇で、優一の明かりはテーブルに備えられていたライトのみである。
はやて は今にも寝る寸前で、映司は はやての手を握っていた。


「気のせいかもしれないけど…これから…なにか変わるような気がするんよ…」

「ははっ、いきなりどうしたの?はやてちゃん」

「いやな…なんか…


映司さんが遠いところにいってしまう気がしてな…







「なに言っているの?…俺たちは…常に『見えない手』で繋がっているんだよ…

どこに行っても…俺たちは繋がっているよ」






「見えない…手……か、映司さん。それ本当か?」

「うん、本当だよ。だから大丈夫、今日はもう寝たほうが良いよ」

「せやな…お休み、映司さん」

「うん、お休み…はやてちゃん」



その数分後、はやて は微かな寝息をたて、眠ってしまった。





「ごめんね、はやてちゃん。…俺、ちょっと用事があるんだ。だから、行ってくるよ…」


映司はゆっくりと はやての手を離し、音を立てないように静かにドアを開けた。






「行ってきます、はやてちゃん」





そして、そのドアは静かに閉まられた。





















「…シグナム」

「なんだ、ヴィータ」

「これで、良いんだよな?」

「…当たり前だ、主はやて を救うことが私達の目的だ」

「…そうか……ん?」



ちょうど4人が病院のすぐ目の前に到着したとき、暗闇のなか一人の男性が立っていた。








「ねぇ、あれって…」


「…どういうつもりだ…」




男性はこちらに気づき、少しずつ近づいてきた。
次第に、その容姿がはっきりしてきた。




「シグナムさん…これから一体なにをするつもりなんですか?」





「火野…お前には関係ない」





それは紛れもなく、映司だった。






「シグナムさんだけじゃありません。皆、これから何をするつもりなんですか?」

「映司くん…そこをどきなさい」


シャマルの声が響き渡った。
その声は今まで聞いたことのない低い声だった。


「…映司、頼む。そこをどいてくれ」

「どかないよ、ヴィータちゃん」


映司はそのまま両手を広げた。


「…火野、どかないのなら…斬るぞ」


その瞬間、シグナムがレヴァンティンを起動させた。
…どうやら本気らしい。



「…ダメです、どきません」

「火野、最後にもう一度だけ言う…そこをどけっ!!」








「…俺も最後にもう一度だけ言います」





映司は懐からオーズドライバーを出し、腰に巻いた。


「…映司、お、お前…」




そして3枚のコアメダルを取り出し、一枚ずつベルトにセットしていった。




「…映司くん…」




最後に、右手にオースキャナーを持ち、変身待機音を発生させた。





「…本気か、火野」













「俺は…皆を助ける…だから…皆のその欲望を…断ち切らせてもらいます…だからッ!!!!」













「最後にもう一度だけ言いますッ!!ここから絶対、俺はどきません!!」







『タカ!クジャク!コンドル!
タージャードル~ッ!!』










「…わかった、火野がどかないというのなら…私達はお前を殺してでも進ませてもらおうッ!!!!」

「シグナムさん、…俺が、あなたを助けますッ!!!!」











…どうして、こうなってしまったのだろう…。


どこで、俺たちは道を踏み外してしまったんだろう…







どうして、俺は…






『家族』と戦おうとしているのだろう…。