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ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第11部 中編

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050話 掴みたい手と拒む手と繋がる手





雪が降ってきた。




感覚がないから、寒さを感じない。




俺は、オーズに変身した。




けど、ヤミーと戦うわけじゃない。




俺が戦う相手…







それは…俺の…大好きな……














『家族』


















−050話 掴みたい手と拒まれる手と繋がる手−
















「………」

「………」




病院の正面玄関の前、
シャマルの封鎖領域により、この周り近辺には一般人は誰も存在しない。

ただ、いるとすれば…

ヴォルケンリッター四人と、オーズのみ。



「………。」

「………。」



無言の時間が続いた。
どちらとも、ピクリとも動かない。


その時、近くにあった電柱の先から、一つの水滴が地面に落ちた…。









「………ッ!!!!」

「……クッ!!!!」






その瞬間、シグナムが超高速でオーズに近づき、レヴァンティンを振り下ろした!!



「……どうやら、戦えるらしいな…火野ッ!!!!」

「…ハァ…ハァ…」



オーズは咄嗟にタジャスピナーでガードした!
その衝撃は凄まじく、辺り一面に降り積もっていた雪が全て吹き飛んでしまった。



「…ウアァァァッ!!!!」

「…ッ!!ぐあぁぁッ!!!!」


いつの間にかヴィータがすぐ近くまで近づき、グラーフアイゼンでオーズの腹部を殴った!!
オーズはそのまま数メートル吹き飛ばされた。



「…げほッ…い…いつの間に…」

「どうした火野…動きが鈍くなっているぞ…」

「え?…うがッ!!」


オーズのすぐ後ろにザフィーラが立っており、必殺の蹴りを放った!
オーズは再び吹き飛ばされ、既にボロボロの状態に陥っていた。




「ハァ…ハァ…。…やっぱり、皆強いな…ははっ…全然歯が立たない…」



シグナムがゆっくりとオーズに近づき、レヴァンティンの矛先を向けた。



「…火野、我らヴォルケンリッターに逆らったこと…後悔するがいい…」

「シ…シグナム…さん…」



オーズは再び構い直し、シグナムに拳を向けた!!



「まだ、…まだシグナムさんの手を掴むことができる…!!諦めるのは、まだ早すぎでしょ!!







だから俺はあなた達と戦いますッ!!!!『仲間』を助けるためにッ!!!!!」





その場に、再び2つの閃光がぶつかりあった…ッ!!





………



「…行くのか、お前たち」






フェイト達が滞在するマンションの玄関。
そこには、デバイスを持った なのは とフェイトの姿があった。


「はい、今度こそ…ちゃんとヴィータちゃん達とお話をするつもりです」

「……シグナム…」


なのは達はまさに海鳴大学病院の屋上に向かう時だった。
アンク達は今回、待機状態なので2人に同行することはできない。


「言っておくが…お前たち。今回ばかりは無事で済むとは考えられねぇぞ」


「はい、わかっています…。その時は、全力全開で…」

「なのは…、…大丈夫だよ、なのは は私が守るから」

「ふんッ!ガキ、お前が手ぇ出さなくても、この女なら大丈夫だろ!」

「ちょ、…酷いよ、アンク」


アンクの軽い冗談のお陰で、なのは とフェイトの表情がほぐれた。
それほで緊張していたのだろう。


「…ありがとう、アンクさん。じゃぁ…行ってきます…」

「行ってくるね、アンク」

「あぁ…」


二人は玄関を開け、そのまま海鳴大学病院へと行ってしまった。

アンクは見送りを終えたあと、ため息をつきながら後ろへ振り向いた。





「おい、追いかけるなら今だぞ……フェレット」

「ッ!!…き、気づいていたんですか…」





アンクの後ろには、玄関から見えない視点に隠れていたユーノの姿があった。
当然、アンクは最初から気づいていた。


「ったく、お前一体何やってんだ?心配だったら一緒に行けばよかったじゃねぇか」

「…ははっ…僕、男なのに情けないなぁ…」


ユーノはその場で力が抜けたように座り、顔は床に向けた。


「…僕、本当に なのは の事、守れているんでしょうか?」

「はぁ?」

「…僕、なのは に頼りにされてないんですよ……、言われて見ればそうですよね…戦力的には僕よりフェイトの方が絶対に良い…だから…今回だって僕は外された…いや、僕が同行したところで…状況が変わる訳がない…当然と言えば当然か…」



意外な理由で落ち込んでいるユーノを見たアンクは再び大きなため息をつき、そのままユーノ目の前に立ち、喧嘩腰でしゃがんだ。



「フェレット…お前、そんなこと気にしてたのか?」

「…はい…」

「お前……本気でそんなこと気にしてたのか?」

「…はい…」









「お前…あの女の事、好きなんだな」





「えっ!?」



アンクのいきなりの言葉に、ユーノはこの時点で初めて顔を上げた。
ユーノの顔はとても真っ赤になっていた。


「…フェレット、お前はあのガキに嫉妬しているんだな」

「…ち、ちがッ!」

「違わない、だったら何故そんなに顔を真っ赤にしているんだ?図星なんだろ」

「……うぅ…」

「…ったく、本当にどうしようもない奴だな…ヘタレめ…」



アンクはその場に立ち、ユーノを無理やり立たせた。



「フェレット、お前がどう思っているかはわかんねぇ…けどなぁ、今のお前は本当にヘタレだ。今まであの女を近くで守ってきたんだろ?…だったら最後まであいつを守ってやれ!!邪魔だと思われてもしつこく粘ってみろ!!このヘタレフェレット!!!!」

「ッ!!!!」


その瞬間、ユーノの目が変わった。
そして何も言わず、玄関に立ちドアを開けた。


「アンクさん、…感謝します!!」

「…あぁ…行って来い…」



ユーノはそのまま なのは達の後を追いかけて行った。



「ったく、世話が焼けるガキ共だな…」

「…それは、君も同じだ…アンク」


アンクはリビングへと振り返った。

…そこには、クロノ、アルフ、エイミィ…それにリンディの4人が立っていた。


「全く、…あんたはいいのかい?アンク」

「あぁ?…犬っころ…何が言いたいんだ?」


アンクはアルフの言葉に少しイラっときた。
…だが、何故この言葉にイラついたのは自分でも意味がわからなかった。


「…アンク、君はフェイトを追いかけなくていいのか?」

「…ふんッ…」


アンクはそのままリビングに入り、ソファに寝っ転がった。


「…別に俺は良いんだよ…これ以上厄介事はごめんだ…」

「何故だ?」

「…めんどくせぇ…」



そうだ…。
これ以上俺がこの世界に介入すると、余計にややこしい事になるに違いねぇ…。

まぁどうせ『歴史の修正力』で綺麗さっぱりなかった事にされるのがオチだ。



俺が何かをしても、結局何も変わらねぇよ






その瞬間、リンディがアンクの寝ているソファに近づき、



アンクの右手を掴んだ。


「おい、なんだ…」

「アンクくん…