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れんげ納豆スキー
れんげ納豆スキー
novelistID. 3632
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顔に怪我

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滝夜叉丸が顔に怪我を負った。

小平太の預かり知らぬところで。

実習から帰って、いの一番に滝夜叉丸に会いに行くと会うのを拒まれ、何故だと無理矢理部屋へ入れば
顔全体を包むように包帯を巻かれた滝夜叉丸がいた。
状況が掴めず凝視すれば、滝が顔を逸らしたことで、失礼だったと気付き謝る。
滝は気にしないでくださいと言ってくれたが、今の自分を見られるのはやはり嫌なようだ。
どうして滝夜叉丸がこんな目に…自分が傍にいれば…いや、忍のたまごとしてこの学園にいるのだ
いつ何時誰が傷を負ったとしてなんら不思議は無いのだ。

現に小平太の級友とて、一生消えない傷を顔に持っている。

―そうだ、傷の具合はどうなんだ?痛むのか?

―いいえ殆ど痛みはありません、大袈裟な処置を施されただけです、ご心配には及びません。

その言葉を聞いて小平太は安堵した。
傷に障らないようにと、ゆっくりとした手つきで滝の頭を撫で

―お前の元気な顔が早く見たいよ、―早く良くなるといいな。

―…えぇ、そうですね。

傷口が痛むのか、無理に笑おうとしてぎこちない表情を見せる滝夜叉丸に、ただただ心が痛んだ。
変わってあげられるなら、どんなに良いか…叶わぬ思いを小平太はそっと呟く。

作品名:顔に怪我 作家名:れんげ納豆スキー