ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第12部 前編
すると、猛スピードで走っている一つの物体が見えてきた。
フェイトはそれを通りすぎたところに着地し、両手を広げ、猛スピードで走る物体…アンクを引き止めた。
「…なんのつもりだ、『ガキ』」
「…そっちこそ、誰にも何もいわず何処に行くのかな?」
アンクはヘルメットを脱ぎ、フェイトの前に立った。
「邪魔だ、そこをどけガキ」
「ガキじゃない、フェイトだ」
アンクはフェイトに睨みつけた。
それに対してフェイトはアンクに睨み返した。
どちらも一歩も引かず、ただ時間が少しずつ過ぎていく…。
「…はぁ、…そういうとこ、『昔』から変わんねぇんだな…」
「え…昔…?」
「じゃあな…」
「ッ!!?」
一瞬油断したフェイトを見たアンクはすぐさまグリード態へと変化し、その場から高スピードで飛び去っていった。
フェイトは先ほどの言葉が理解できず、ただじっと飛んでいったアンクを見続けていた。
「…昔…?…一体何の事…アンク…」
結局、その後もアンクの捜索は続けられたが、何の手がかりも見つけることができず、捜査は打ち切られた。
それでも はやて とヴォルケンリッター達は捜査を続けたが、何も情報が得られず、ただ時間が過ぎていった。
一日…一週間…一ヶ月…
はやて は自分の仕事を同時にこなしながらアンクの捜索を続けていった。
それは、なのは とフェイトも同じだった。
それでも、何一つ痕跡すら見つけられなかった。
…探す…探す…探す…
時間だけが経つ。
そして…
季節は移り変わり続け…
いつの間にか、3年の月日が流れていた。
作品名:ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第12部 前編 作家名:a-o-w