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ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第12部 前編

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「はぁ…はぁ…あ!いたいた!!おぉぉぉぉいっ!!!!」


夕日が映る海岸沿いを、およそ10歳ぐらいの少女が走っていた。
その少女はその先に立っていた白いワンピースを着た女性に向かって手を振りながら走っていく。


「…ん…なんや?」


白いワンピースを着た女性は声が聞こえた方向へと振り向いた。
女性は右手に一冊の本を持っていた。


「はぁ…はぁ…もう はやてさんっ!一体どこまで散歩するつもりなんですかぁ?」

「ははっ!すまんな、ミウラ!!…ついうっかり…」


少女…ミウラ・リナルディは はやての左手を掴み、そのまま走りだした。
はやて は若干戸惑いながらそのまま引っ張られて行った。


「ちょ、ちょっと!ミウラどないしたんや!!」

「あっ!!すいません はやてさん!!師匠達が夕御飯できたから呼んできてって!!」

「そか、だったらはやく行かんとなぁ!!」

「え?ちょ、ちょっと はやてさん!!いきなり走るなんて酷いですよぉ!!!!」

「ははっ!これで私に負けたらザフィーラにしばかれるでぇ~!!」

「わぁぁ!!?ぜ、絶対負けませんからねぇっ!!!!」








映司くん、映司くんが帰ってこないうちに私は映司くんと同い年になりました。
私たちは海が綺麗な海岸沿いに家を建てて、楽しいひと時を過ごしています。

今は、「八神家道場」っていう道場を開いてザフィーラとヴィータが中心に子供たちに格闘技を教えています。
…まぁ、皆近所の子達やけども…。

特に、「ミウラ・リナウディ」って子は映司くんと性格とか瓜二つなんやで?
実際に会わせて見たいわ!!


…だから、私たちはいつでも映司くんが帰ってこられるように『笑顔』で毎日待っています。


はよ、帰ってきてな。

映司くん。









………


ミッドチルダのどこかにある監獄所。
執務官の制服を纏った一人の女性がそこに入っていった。


「…ここね、通して頂戴」

「はっ!『ティアナ・ランスター』執務官!!」


執務官…ティアナ・ランスターは警備員に連れられてその監獄の中へと進んでいった。
時たま聞こえてくるうめき声がなんとも恐ろしい。


「…本当にどうしようもならん奴です。今回で何度目でしょうね」

「と、いうことは…彼はここの常連という噂は本当なの?」

「はい、そのたびに釈放してまた連れて来られて…。まぁ罪自体はしょうもないことばかりなので懲役は数ヶ月程度なのですが…はぁ…困ったものだ…」

「そう…」


そんな会話をしている間に面会室へと到着した。
警備員は「ここでお待ちください」とだけ残し、その場から出て行った。

すると、遠くから声が聞こえてきた。



−おい、さっさと歩け!!−

−うるせぇな!!歩いてるだろうが!!−




「…間違いなく、彼ね…」


ティアナにはその声は聞き覚えがあった。
3年前に突如自分たちの前に現れた『彼』の声だ。


「あの人を呼んでおいて正解ね」


そして、面会室に警備員と金髪で目つきの悪い青年が入ってきた。
その青年はガラス越しにティアナと向かい合う姿勢で乱暴に椅子に座った。


「全く、…器物破損、他人への暴行、…本当にしょうもない事で捕まってたのね









…アンク」







「…ふん…誰かと思えばお前か…なんの用だ…」


3年ぶりの再会は監獄の面会室の中だった。
こんな姿…本当なら誰にも見せたくない。

アンクは完全に変わり果てていた。
以前より目つきは格段に悪くなっており、以前にあったちょっとした優しさは完全に失わられていた。

映司さんが今のアンクを見たら…なんて言うだろうか…。


「さて、ここから早く出るわよ。いつまでもこんなこと続けられるとでも思っているの?」

「…うるさい…何処に居ようが、俺の勝手だろ」

「はぁ…いい加減にしなさいよ。スバルやなのはさんだって、アンクが消えた時はすっごいショックだったのよ?一度でいいから元気な姿見せてあげなさいよ!!」

「ふん…」





馬鹿馬鹿しい。
俺は誰とも繋がりなんてもってねぇんだ。

勝手に心配されても迷惑なんだよ。




頼むから、もう一人にさせてくれ…。








アンクは一歩も動じなかった。
ティアナがため息をした時、部屋のドアからノックが聞こえた。


「っ!…到着したようね…」

「あん?…誰だ…」


面会室のドアが開かれた。
アンクはそこに入ってきた人物を見て、一瞬目を見開いた。


「お疲れ、ティアナ」

「はい!…後はお願いします」


ティアナは席から立ち、変わりにそこには金髪の長い髪をした監獄には全く似合わない美しい女性がアンクの前に座った。


「おい…どうしてお前が…」

「やっと見つけたよ…アンク」













「…ガキ…」



「ガキじゃない、フェイト・T・ハラオウン…














3年前の言葉の意味、教えてもらいに来たよ」