好きならしょうがない
しかもその相手が憧れのひとで、未来の自分に片想いしている。ヒバリさんは俺が大でも小でも気にしていないようだけど、俺は気にする。
「だって、君、弱いんだもの」
「は?」
思いがけない言葉にぽかんと口を開けて、まぬけな声が出た。
たった今まで俺の知らない表情をしていたヒバリさんがそこにいたというのに、その口から出たのはまさしく俺の知ってるヒバリさんだった。
「ボンゴレリングを持っているっていうのに弱い。弱すぎる。欲求不満だ」
性的暴行を加えた状態のまま、「弱い弱い」と文句を続けられる。俺はこの状況を知っている。この未来の世界ではなく、もっと身近で考えられる世界のヒバリさんのルールで。
「つまり、今俺がやられている理由としては、十年後の俺と両想いになれなかったヒバリさんの感傷的な気分からというわけではなく、ボンゴレリングを持った俺と戦えると楽しみにしていたのに予想外に俺が弱い。かといってノーマルな暴行はやりすぎると修行にならない。十年を経て、暴行大好きヒバリさんのカテゴリには性的暴行も加わった……と」
うなづきながら「一応、沢田綱吉限定だから」と付け足された。
「いやなら早くつよくなってね」
そう言って、今度こそ腰をがっちりつかまれ、俺はいたいいたいと悲鳴を上げることになった。
やっぱりヒバリさんひどいです。
作品名:好きならしょうがない 作家名:るーい