声
(金)「俺が!俺が!狙われているんだ!手を放して!三治郎!」
その時、金吾の右頬に痛みが走った。
(金)「・・・・三治郎・・・」
(三)「はっ!ごめん!金吾!でも言わせて!」
(金)「・・・・・・」
(三)「みんなは、金吾を守るために戦ってくれている。それに参戦できない気持ちはわかる。でもね!金吾にこの学園を卒業するまでもう・・・・人殺しはやってほしくない!その気持ちをわかってあげて!」
(金)「・・・・・三治郎・・・・ごめん・・・」
金吾は、三治郎の言葉で目覚めたのかみんなが帰ってくるまで待つことにした。
(三)「僕・・・・皆を見てくる。」
三治郎はその場をたった。
(金)「みんな・・・・・・無事でいてくれ!」
金吾は、今日の月を思い出した。それに願いをした。
その時、金吾のいた部屋がいきなり開いた。
三治郎だった。
(三)「逃げて!金吾!」
三治郎の後ろには、もうそこに迫っている忍者がいた。
金吾は、咄嗟に三治郎を助けた。
しかし・・・その時後ろを見たら・・・・
全滅していた。全員息はあるが・・・・危険な状態だった。
(金)「三治郎・・・・皆を医務室に・・・」
(三)「え・・・でも・・・」
(金)「早く!敵の狙いは、俺だ!」
金吾は、その場を離れた。
忍者も全員金吾を追いかけた。
三治郎は急いで一人ずつ医務室に運んだ。
(三)「乱太郎!」
(乱)「三治郎・・・・・なにがあったの!」
乱太郎はびっくりしていた。血だらけのきり丸を運んだ三治郎を見たからだ。
(乱)「何があったの?」
(三)「実は、さっきたくさんの忍者が来て・・・・」
三治郎の話を聞いて寝ていた庄左ヱ門が飛び出していった。
(乱)「庄左ヱ門!まだ怪我が!」
止めようとしたが遅かった。
(三)「とりあえず、ここに全員連れてきていい?」
乱太郎はうなずいた。
その時の金吾は・・・・・
(金)「くっ・・・・」
(小)「俺もやるぞ!金吾!」
(金)「七松先輩!」
(小)「大丈夫か?金吾!」
(金)「ありがとうございます。七松先輩。」
こうして激しい戦いが始まった。
戦いは、金吾たちが少し勝っていた。
(金)「よし!あと少し!」
勢いに乗った金吾は敵をどんどん倒していた。
そのせいで、火縄銃で狙われているのに気が付いていなかった。
それに気が付いていたのは七松先輩だった。
(小)「き・・・・・金吾!」
(金)「えっ?」
七松先輩は金吾を押し、自分が火縄銃の球をもろにあたってしまった。
(小)「くっ・・・・金吾・・無事・・か」
七松先輩は、そこに血を口から吐きそこに倒れてしまった。
(金)「七松先輩!また!また!俺のせいで!」
金吾は、目を大きくさせて震えていた・・・・
(金)「俺のせいで!七松先輩が!」
金吾は、目を赤くし・・・周りの忍者に威嚇した。
(忍)「こいつ・・・・何者だ!」
周りの忍者は少し怖さを覚えた。
(金)「グウウウウウウウウウ!ヴァウ!」
完璧に獣化してしまった。
金吾の爪が長くなり鋭くなった。
(忍)「くっ・・・・ひるむな!やれ!野郎ども!」
相手のリーダーの忍者が周りの忍者に指示を出した。
しかし・・・・金吾の強さは異常だった。
(金)「ヴァウ!ヴァアアアアアアアアアア!」
相手の忍者は血をどんどん出した。
(忍)「くっ!強い!それに・・・すごい殺気を感じる・・・」
金吾は、倒れていた男にとどめを刺そうとしていた。
その攻撃が決まればまた、人を殺してしまう。
今の金吾は、そんなことは全然気にしていなかった。
このままでは、本当に金吾は人を殺しかねなかった。
その時・・・
(庄)「金吾やめて!」
そこに庄左ヱ門の声が響いた。
(金)「ヴァウ・・・?」
(庄)「金吾!やめて!」
獣化している金吾は・・・・・
庄左ヱ門のほうを見た。
しかし・・・・攻撃の態勢に入った。
(庄)「金吾・・・・」
金吾は、庄左ヱ門のほうに走り始めた。
(庄)「金吾・・・大丈夫だよ!戻ってきて!金吾!」
金吾の攻撃は、庄左ヱ門にあたってしまった。
庄左ヱ門は吹き飛んでしまった。
しかし庄左ヱ門を攻撃した後の金吾の様子が少しおかしかった。
金吾は、頭を抱えていた。
(金)「うわ――――――――!」
金吾には、庄左ヱ門の声が頭に何回も響いていた。
そして・・・・・・
(金)「はっ!・・・・・・・・庄左ヱ門!」
金吾は、急いで庄左ヱ門のところに行った。
(金)「ごめん!庄左ヱ門!」
金吾は涙を流した。
その涙で、庄左ヱ門は目をうっすら開けた。
(庄)「金吾・・・・・泣かないで・・・よかった。戻ってきてくれたんだね。よかった・・・」
庄左ヱ門は、また目をつぶった。
金吾は、相手の忍者が逃げたことを確認してから、七松先輩と庄左ヱ門を医務室に同時に運んだ。
(金)「乱太郎・・・・庄左ヱ門と七松先輩を・・・」
(乱)「金吾!無事だったんだね!早くこっちに!」
乱太郎は急いで治療をした。
そして、次の日・・・
(金)「乱太郎!庄左ヱ門と七松先輩は!?」
(乱)「金吾・・・・・庄左ヱ門も七松先輩も無事だよ。」
(金)「よかった・・・・」
金吾は、力が抜けたようにその場で寝てしまった。
(乱)「金吾・・・・頑張ったね。」
乱太郎は、悪夢に打ち勝った金吾をほめてあげたのだ。
その日の夜・・・・
七松先輩は、すっかり元気になった。
(金)「七松先輩。ありがとうございました。」
(小)「いや・・・お前が無事でよかった。」
(金)「七松先輩のおかげです。」
(小)「じゃあな。私は行く・・・・」
そういって一瞬にして消えてしまった。
金吾は、七松先輩を見送ってからすぐに医務室に行った。
(金)「庄左ヱ門!」
(庄)「金吾・・・・」
(金)「ごめん・・・・・」
(庄)「金吾のせいじゃないよ。それに金吾なら戻ってきてくれるって思ってたもん。よかった。」
(金)「あの時・・・庄左ヱ門の声が聞こえた。あの状態で聞こえたんだ。庄左ヱ門のおかげで俺は戻れたのかもしれない。ありがとう。それと俺強くなるから・・・・・庄左ヱ門を守れるくらい。自分の事も守れるくらい・・・・絶対に獣にはならないように自分の精神も全部鍛えるから・・・・だから・・・・庄左ヱ門には、これからもそばにいてほしい・・・・」
庄左ヱ門は金吾の話を聞いて笑顔になり・・・・
(庄)「当たり前だよ。金吾・・・・・それに・・・僕だけじゃない・・・」
庄左ヱ門は襖のほうに指を刺した。
そこには、は組全員がいた。
(庄)「全員金吾の事・・・・大切に思ってるよ。」
(金)「・・・・みんな・・・・庄左ヱ門・・・・」
金吾は、笑顔で涙を流していた。
いわゆるうれし泣きだ。
(金)「ありがとう」
(金)「俺は・・・・庄左ヱ門の声で助かった。今度は俺の声で誰でもいいから助けたい・・・・」
終わり・・・・・