のび太のBIOHAZARD『THE NIGHTMARE』
AREA4『黒幕』
左側の通路を進むと、一際大きいエレベーターがあった。聖奈はエレベーターを呼び出した。すると、向こうから誰かが来た。その者を見た聖奈は言った。
「静香さん!・・・あれ、ジャイアンさんと、太郎君は?」
その言葉に静香は応える。
「ごめんなさい、探索の途中で別れてしまったの。」
それを聴いた聖奈が応える。
「そうなんですか。実は今、私ものび太さんを探しているんですよ。この先にいるといいけど。」
と、聖奈が言うと、静香も言う。
「そうね。」
と言うと、暫くして、エレベーターの扉が開いた。聖奈と静香の2人はエレベーターに乗り込んだ。
ガシャァァァァァン。
音を立ててエレベーターは降下した。少しして、エレベーターは停止し、扉が開いた。聖奈達は通路を進んだ。その通路はL字の様で、暫く進むと、通路が左へ曲がっていたので、左へ曲がり、進んだ。少し進むと、隣に居た静香が聖奈に『コルトガバメントM1911A1』の銃口を向けた。
「!?どういう事?訳が判らない。あなたは一体誰?」
聖奈の目の前には青い体の者が居た。そして青い体の者は聖奈に話し掛ける。
「やぁ、確か君は・・・・・・・・緑川聖奈といったかな?僕の名は『ドラえもん』という。まぁそれよりも、どうだった?僕が用意したアトラクションは?僕自身驚いてるよ。君達が此処まで生き延びるなんて・・・。」
と、ドラえもんが言うと、聖奈が言う。
「あ、あなただったんですか。あの生物兵器共の実戦データを録るために私達を利用してたのは!そして・・・静香さんも!」
それを聴いた静香は言う。
「ウフフフ・・・ごめんなさい。私は学校の生徒に成り済まして研究所の警備をする潜入工作員なの。このくらいの玩具(おもちゃ)なら使い慣れてるのよ。」
その言葉を聴いた聖奈が言う。
「だから安雄さんがカメレオンの怪物に噛まれて、猛毒に冒された時、的確な血清が判ったという事なのね。
・・・・・・・・じゃあ出木杉君も同じって事?」
聖奈のその言葉を聴いたドラえもんは応える。
「出木杉に会ったのか。まぁあいつが動いてるという事は回収の方は済ませたんだな。折角此処まで生き延びた君には、事の全てを教えてやろう。この研究所はN.M.O.A.D.F.M.O.O.(ナムオアダフモ機関)、つまり『New Make Of Arms Development For Military Object Organization』、和訳すると、『軍事目的による新型兵器開発機関』が所有する極秘軍事研究施設で、『T-ウィルス』を拠点として運用していた所なんだよ。」
と、ドラえもんが言うと、聖奈は疑問を露にした。
「『T-ウィルス』・・・・?」
それを聴いたドラえもんは応える。
「正式には『Tyrant Virus』。生体の遺伝子を組み換える始祖ウィルスの特性を強化した物だ。あらゆる生物を突然変異させ、肉体や凶暴性を強化する生物兵器の主となるウィルスだよ。人間に投与すれば、死んだ細胞を復活させることが出来る。歩けない足を歩けるようにするのも可能だ。」
ドラえもんがそう言うと、静香が喋る。
「でも投与しても抗ウィルスを投与し続けないと細胞が突然変異を起こし、体が耐えられなくなり死に至る。そして死んだ人間は再び甦り、突然変異の影響で皮膚の腐敗が進行。ゾンビになるのよ。」
それを聴いた聖奈は喋る。
「・・・彼等はそのウィルスに侵されて、あの様な姿になったというの・・・・・・・・・・・・・?」
と、聖奈が言うと、静香が言う。
「彼等の異常な生命力の源となっているのは、急速に働く新陳代謝機能。之により、常に膨大なエネルギー供給を必要とする為、一定の行動を取りつづけるのよ。」
と、静香が言うと、聖奈が訊く。
「つまり・・・?」
その聖奈の言葉に静香は応える。
「喰べる事よ。」
と、静香が言うとドラえもんが喋る。
「ハハハハ、怖いだろ。まぁお前含め、ススキヶ原に残っていた者の中で、生存者が結構いたのは計算違いだったけどな。まぁ直に奴等も死ぬ。一人は確実と言ってもいいけどな。」
と、ドラえもんが言うと聖奈は呟く。
「え・・・・・・・?」
聖奈がそう言うと静香が言う。
「剛田武はこの研究所の何処かに閉じ込めておいたのよ。」
それを聴いた聖奈は驚いた。
「ジャイアンさんを!?」
その言葉を聴いた静香は冷静に喋る。
「可哀相に・・・時間が経てば八つ裂きにされるでしょうねぇ。」
と、静香が言うと、聖奈は悲しそうな表情をして、呟いた。
「そ、そんな・・・。」
その様子を見た静香は喋る。
「そんな悲しい顔をしないでちょうだい。直に貴女も後を追うことになるわ。大丈夫、死ぬ時はそんなに苦しまないから。」
と言うと静香は『コルトガバメントM1911A1』の撃鉄を起こした。
その時、曲がり角の陰から誰かが出て来た。
「そこまでだ!!」
そう言った者は、手に持っていた『ベレッタM92』を撃った。
放たれた『9mmパラベラム弾』は見事に静香の持っていた『コルトガバメントM1911A1』のグリップに命中し、弾き飛ばした。
聖奈は徐に後ろを振り返った。すると、その者の名を叫んだ。
「のび太さん!!!」
と言うとドラえもんも呟く。
「・・・・・・・のび太君か。」
と、ドラえもんが呟いた。そしてのび太が大きな声で喋る。
「今までの話は全て聴かせてもらった。悪いけどこれ以上誰も死なせない!」
と、のび太が言うと、静香は喋る。
「ふふっ、威勢のいいこと。でも威勢だけじゃ何にも出来ないのよ。」
と言うと静香は顔を手で覆い隠し、数秒後顔を見せた。それにのび太は驚いた。
「!!!それは!!?」
静香の顔は、真ん中で真っ二つに割れており、中から銃が出ているのが見えていた。銃のサイズはハンドガンと同じ位だった。すると、ドラえもんが喋った。
「おいおい、『アフィマーサー』。もう正体を現すのかい?」
ドラえもんがそう言うと静香は言う。
「ドラ様、仕方ありませんわ。」
静香は冷静に言った。すると、のび太がドラえもんに訊いた。
「ど、どういう事なんだ!!」
と言うとドラえもんは応える。
「まぁいい、教えてやろう。君達が静香だと思っていた者は、正式名称を、『潜入工作及び特殊工作用戦闘型アンドロイド』といい、
『Arms For Infiltration Maneuver And Special Engineer Android』。略して、A.F.I.M.A.S.E.A.(アフィマーサー)だ。」
ドラえもんが説明すると、続いてアフィマーサーが喋る。
「フルスペックで稼動すれば、貴方の持っている武器、そして、貴方の特技の一つ、『精密且つ素早い射撃能力』を考慮に入れても、こちらが遥かに勝っているわ。それでも戦うというの?」
と、アフィマーサーが言うと、のび太が言う。
「言っただろ!!これ以上誰も死なせない!僕達は生きるために戦っているんだ!例え勝率が低かろうとも戦って、そして勝ってみせる!!」
と言うとのび太は『ベレッタM92』を構えた。
タン!タン!タン!
作品名:のび太のBIOHAZARD『THE NIGHTMARE』 作家名:MONDOERA