新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第10話
第10話 「聖夜に響くメロディー」
ジェイデッカーとマイトガインが戦闘を終えた頃、平沢家でのクリスマス会は大いに盛り上がっていた。律が二本目のシャンパンを開けようとした。
律 「もういっちょーシャンパン開けるぞー!」
ノンアルコールのシャンパンのキャップを飛ばす律。そしてそれは光目掛けてふっとんだ。
シュポーン・・・・ゴッ!
光 「おごごおぅ・・・・!!!」
光の鼻にキャップが直撃し、激痛に苦しむ光。
律 「ああああ!!ゴメン!!!」
一同がどっと笑う中でそのままうずくまる光だったが、そこには唯の膝があった。
唯は拒絶する事無く、平然と膝の上で光の頭をなでた。
唯 「あ〜、大丈夫?光君。よしよし。」
光 (――――――――――!!!!!!)
光は想像を絶する事態に見舞われ、嬉しさのあまり気を失う。
澪 「ゆ・・・唯・・・・なんて大胆な!!!」
律 「あんた達、いつの間にそんなかんけーに・・・!!」
梓 「唯先輩・・・・!!」
憂 「お姉ちゃん、スゴイ・・・。」
男子一同 (光てめえええええええ!!!なんつーいい思いをっ!!!!)
唯の大胆すぎる行動に圧倒される一同。
だが、唯は何事も無いように言う。
唯 「へ?別にそんなんじゃないって〜・・・光君の髪の毛、サラサラしててさわり心地いいよ?憂も触ってみる?」
憂 「えええ?!」
流石に面識がなかった男子の髪の毛を触るには抵抗があった。
だが、そう思いつつも憂は、光の髪の毛を触ってみた。
憂 「あ・・・ホントだ!さらさらだ。」
姉妹に揃いに揃ってちやほやされる光。
俊 (光のやつ、嬉しそうに気絶してやがる。)
梓 「やっぱ姉妹だなー、憂と唯先輩。」
蓮 (マジなぐりて〜。)
律 「やれやれ・・・天然はやる事が恐ろしいぜ・・・・。」
澪 「そうだな(私には絶対できない・・・)。」
勇士朗 (もし、秋山さんにああやってやられたら俺どうなっちまうんだろー・・・。)
憂が立ち上がり部屋を出ようとする。
憂 「まだ他の料理あるから持ってくるね。」
勇士朗が手伝おうと立ち上がり、梓と俊も便乗する。
勇士朗 「俺、手伝うよ。」
梓 「私も手伝います。」
俊 「それじゃ、俺も何か手伝おーか。」
憂 「みんなありがとう!それじゃ台所まで来て。」
4人は部屋を出て料理を取りにいった。
それを見ていた澪が、ふと感じた。
澪 (火鳥君て・・・優しいんだな・・・。)
その頃の要達は、クリスマスの飲み会を開いていた。
吉崎の友人達とバーで偶然にも出会い、カクテルを飲み交わしている。その中には桜高軽音部の顧問のさわ子の姿もあった。要と向き合う形で座っている。
その傍らでは酔っ払った葉山がはしゃいでいた。
葉山 「でさー、俺はね、ドライバーやってんだよ!バギーのドライバー!でね、俺はカクテルなんだー!!ギャハハハハ・・・・・・。」
吉崎の友人達 (うわー・・・・イケメンだけどウザッ!!)
もはや言っている意味が不明。吉崎が思わず殴る。
吉崎 「落ち着け!!ここは居酒屋じゃない!!」
ゴスッ!
葉山 「ほげえっ?!」
それを見ていた吉崎の友人の1人が吹きだす。
吉崎の友人 「っぷ!なんかレイナと相性いいじゃん!夫婦漫才みたい!」
友人のその一言をレイナは全力で否定する。以前、要にも言われてしまった言葉だったからだ。
吉崎 「はぁ!?冗談止めてよー!!どぅわれがこんなヤツとっっ!!!」
その時。葉山が黄色い声で頬を吉崎の頬に擦り付ける。まさにご臨終な行為だった。
葉山 「やめてよー!!」
当然のごとく、吉崎の強烈なパンチが葉山に見舞われる。
ドグガッ!!!
葉山 「ほぉうっ・・・・・・・・!!!!」
申し訳なさそうに要がさわ子に部下の騒ぎっぷりを謝罪する。
要 「・・・部下が騒がしくてすいません。」
さわ子 「い、いえ、にぎやかくていいと思いますよ(はぁ〜なんてカッコイイのこの人)。」
要 「そうですか!なら幸いです。えーと・・・山中さんは普段何の仕事をされてるんですか?」
さわ子 「私は、桜ヶ丘高校の音楽教師をしてます!軽音部と吹奏楽部の顧問を掛け持ってます。」
要 「そうですか・・・桜高ですか。この度はクリーチャーの被害に遭われた事を心よりお見舞い申し上げます・・・・。」
さわ子 「ど、どうも・・・。」
さわ子はやや苦笑い気味で応えた。要も好ましくない事を言ってしまったことを謝罪する。
要 「失敬・・・このような場で言うべき事ではなかったですね。」
さわ子 「いえいえ、いいんです。」
カクテルをしばらく飲み続ける中、さわ子が要にきりだした。
さわ子 「要さんは、どうして警察官になられたんですか?」
要 「かつてのクリーチャー襲撃の際に決心したんです。その当時自分はまだ中学生でしたが。」
さわ子 「じゃあ、中学からの夢を叶えたんですね?すごいじゃないですか!」
要 「それほどでもありませんよ。自分はとにかくどんなカタチであれ、クリーチャーと闘う道に身を投じたかったんです。」
さわ子 「なんかそういうのって、素敵だと思いますよ。」
要 「ありがとうございます。そういうさわ子さんも素敵だと思いますよ。教師の仕事。」
そう言いながら若干はにかむ要。それを見たさわ子がほわ〜っとなる。
さわ子 (ああ〜・・・・はにかみ王子ならぬ、はにかみ警官・・・・。)
その頃、ジェイデッカーは隊長代理として周囲にパトライトが光る中、事後処理任務にあたっていた。彼らも各機両肩のパトライトを点灯させている。
ジェイデッカーは、最近のデストリアン多発状況に疑問を懐く。
ジェイデッカー 『ガンレイバー、妙だと思わないか?』
ガンレイバー 『妙?』
C‐10の残骸を入れたコンテナを抱えながらガンレイバーは答えた。
ジェイデッカー 『ああ。かつてのブランクが十数年・・・・今回は長くてもほんの数週間以内。早ければ数時間後だ。』
ガンレイバー 『確かに出現周期が急激的過ぎるな。』
ジェイデッカー 『だがそれよりも増して思う事がある。宇宙生物が何故地下から現れるのか?』
ガンレイバー 『それもそーだ!!かつての隕石痕が関係してるとしか思えないぜ!!』
ショットレイバー 『だが、あのポイントは現在も尚、当時対策にあたった特殊部隊・ブラック・トルーパーズによって守備されているんだろ?』
作品名:新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第10話 作家名:Kブレイヴ