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第34話の感想を叫びたくなったので叫んでみた

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このあとはIFの話です。
もし、あのとき、メフィストが形勢を逆転し、シュラさんを抑えこんだら……?

シュラは逃げ遅れた。
捕らえられ、強い力で抑えつけられ、背中が畳についていた。
見あげる、その先にはメフィストの顔があった。
メフィストに見おろされている。
身体の上に、いる。
「……さっき貴女の下にいたとき、いい眺めだと言いましたが、今のほうがいい眺めです」
悠然とメフィストは笑う。
余裕のある様子だ。
まだきっと本気を出してないだろう、それなのに、その力は強い。
シュラがあらがおうとしてもビクともしないぐらいに。
「ご存じのはずですが、私は悪魔です」
そう、だから、その力は人間よりも強いのだ。
「ふだんの私は紳士ですが、悪魔というものは自分の欲望に忠実なんですよ」
顔に笑みを浮かべたまま、メフィストは言う。
「さて、どうしましょうか?」
その顔が少し近づいてくる。
「誘ったのは、貴女のほうだ」
シュラは息を呑む。
覚悟する。
そのとき。
部屋の襖の向こうにだれかいる気配を感じた。
次の瞬間、その襖が勢いよく開け放たれた。
だれかが入ってくる。
長身の青年。
「おや」
メフィストはシュラを抑えこんだまま顔を青年のほうに向けた。
「奥村先生」
そう呼び、微笑みかける。
しかし、雪男はなにも答えず、どんどん畳を歩き、近づいてくる。
それでもメフィストはシュラの身体の上から退かずにいる。
「見てのとおり、私は霧隠隊長と親睦を深めようとしていたところなんです」
メフィストは雪男に告げる。
「それなのに部屋に入ってくるなんて、ずいぶん無粋なことをするんですね」
その直後。
雪男はメフィストを真っ直ぐに見た。
ギロリ、と、にらみつける。
その全身から怒気が漂っている。
「おや、恐い」
まったく恐がっていない様子でメフィストは言った。
それから、メフィストはやっとシュラの身体の上から退いた。
雪男は無言のままメフィストから眼をそらし、今度はその眼をシュラに向ける。
眼が合った。
「……あー、えーと」
なにか言おうとしてシュラは口を開いたものの、なにを言えばいいのかわからないし、なんだか気まずい。
そのあいだに雪男がすぐそばまで来た。
腕をつかまれた。
立つよう、うながされる。
だから、シュラはとりあえず立ちあがった。
「えーと、雪男?」
立ちあがった今は、手をつかまれている。
相変わらず無言で雪男は歩きだした。
手を引っ張られる。
シュラも歩きだした。
妙な感じだ。
自分が手を引っ張る側なら、こんな妙な感じはしないのだろうが。
しかし、雪男はやたらと怒っているらしいので、さからわないほうがいいだろうと判断する。
雪男はメフィストには眼を向けることなく、ずんずん進んでいく。
やがて、シュラは雪男とともに部屋を出た。

ひとり部屋に残されたメフィストは、やはり悠然としていた。
もちろん、雪男が隣の部屋にいるのは気づいていた。
だからこそ、シュラに襲いかかったのだ。
言った台詞は雪男に聞かせるためのものだった。
すると、案の定、雪男はこの部屋に飛びこんできた。
「……青春ですねえ」
クククとメフィストは笑った。