二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第12部 中編

INDEX|1ページ/12ページ|

次のページ
 

058話 ピクニックと成長と繋がった手





「はやてさぁ~んっ!!」
「はやてぇ~!」

「…ん?ミウラとアギトか、どしたん?」


海を見つめながら浜辺に座っていた はやて の元に、息を切らしながらミウラとアギトが走り寄ってきた。


「はぁ…はぁ…。はやてさんやっと見つけましたよぉ~!!」

「まぁ最初からここにいるってことはわかっていたけどな!」

「まぁな!最近はずっとここにいるしなぁ…。それより、二人とも私に何か用があってここにきたんでしょ?」

「そ、そうでしたっ!えっとですね…」


ミウラとアギトは はやて の横に座り、目を輝かせながら拳に力を入れ始めた。


「今日も聞かせて欲しいんですっ!『仮面ライダーオーズ』の話と『火野 映司』さんの話!」

「っていうか、今日も話してくれって昨日いったじゃねぇか!」

「あ、そうやったなぁ!…えっとな…」


はやて は海の彼方を見つめながら、二人の頭を両手で撫でてあげた。

「今日は、一体何を話そうかなぁ……」






………






「着いたよ!アンク、起きて!」

「…あ、…あぁ……」


アンクはいつの間にか寝ていた。
頬に手を置いて寝ていたため、そこにはうっすらと赤い跡ができていた。

アンクは車の窓を開け、外の風景を見渡した。
周りは木々だらけで、道路は舗装されていない。
どうやら相当遠くまで来たらしい。


「…おいおい、随分陰気臭いところにきたんだなぁ…」

「まぁ、ここから歩いて向かうからね。あともうちょっと我慢してね」


アンクは車から降りた。
既に なのは とヴィヴィオとユーノは準備が整っており、ヴィヴィオは「アンクさんはやく~!」…と、近くにいるのに大声をだしながらアンクを呼んでいた。
そんなヴィヴィオを見て、なのは とユーノは笑っていた。


(…こいつらも…いつの間にか…な……)


アンクはこの光景を見て、頭の中に一つの単語が浮かんでいた。

『家族』…だ。


(つい最近までガキだった奴らが…全く…)
「さて…、行くか」

「うん!」


アンクは昼食の入ったバスケットを持ち、歩き始めた。
前には3人で手をつなぎながら歩き始めたヴィヴィオ達、その後ろをアンクとフェイトが歩いていた。

5人は森の中へと入っていった。
森の中とはいえ、そこまで陰気臭くもなく、周りの木々から様々な鳥の鳴き声、その枝にはリス等の小動物、それにどこからともなく川の流れる音が聞こえてきた。

木々から漏れる太陽の光がこの光景をより一層美しく見せていた。


「あれ?ユーノさん、あれ何!?」

「あれは『モモンガ』だよ。珍しいな、こんなところにいるなんて…」

「私も初めてみた!ユーノくん写真撮っちゃダメかな?」

「う~ん…、きっとビックリしちゃうからフラッシュを切って、遠くからなら大丈夫だよ!」

「はぁ~い!」




「おいおい…友達かよ」

「ふふっ!しょうがないよ、二人とも本当にそんな感覚なんだから」


アンクが少々呆れながら目の前の3人を見つめていた。

このピクニックの目的は「なのは とユーノの関係を進展させる…」と、いうものだった。
もちろん本人達は知らないし、ヴィヴィオにも教えていない。
この目的を知っている者はフェイトとアンクだけである。


「お前も、随分と大胆な作戦を立てたな」

「うん!ちょっと前 はやて と相談して計画したんだ」

「なるほどなぁ、…そういえば、あいつは元気か?」

「うん!せっかくだし、そのうちアンクも顔だして見れば?」

「あぁ、そうだな…。…お…」


アンク達の先に、この森からの出口が見えてきた。
ヴィヴィオは なのはとユーノを引っ張りながらその出口へと掛けて行った。


「アンク!私達も行こう!」

「あ、おい…ちょっと待て!」


フェイトもアンクの手を引っ張りながらそこへと掛けて行った。
そして二人は同時に出口から森を出た…。










「どう?結構捨てたものじゃないでしょ?」

「あぁ…まさかミッドチルダにこんな場所が会ったとはなぁ」









アンクの目の前には、先ほどの木々だらけの風景とは打って変わり、広大に広がる草原へと出た。
風が吹き、草がゆっくりと揺れている。


「なのはママ!ユーノさん!あの丘の木の下に行こう!!」

「ちょ、ちょっと待ってよヴィヴィオ!」

「走らなくても何も逃げないよ!!」




「全く、元気の良い奴だな」

「でも、あそこでお昼は丁度良いね!」


2人はヴィヴィオ達の後を追って行った。
そして丘に一本だけポツリと立つ木の下に着くと、そこからミッドチルダの広大な風景がその目に映った。
時空管理局地上本部を中心に市街地が広がり、それにとどまらず地球とさほど変わらないミッドの海原が無限に広がっていた。


「うわぁ…私もこの光景見るのは初めてだな」

「ふん…企画した奴が驚いてどうするんだよ」

「さて、ここでお昼にしよっか!ヴィヴィオ、手伝ってね!」

「うん!なのはママ!」



ユーノは地面にシートを引き、その上になのはとフェイトとヴィヴィオの3人がバスケットの中のサンドイッチやら皿等を置き始めた。
案の定アンクは最初は手伝っていたが途中からめんどくさがり、木の上に登りミッドチルダの風景を見ていた。


「アンク~!あんまり木の上ばっかりいると、…ふふっ…『馬鹿』って言われちゃうよ!」

「あぁ!!?どういう意味だ!!!!」

「ちょっとフェイト!いくらなんでもアンクさんに失礼だよ!」

「ゆ、ユーノさん、それフォローになって…ません…」


そんなことで準備が整い、木の上からアンクが降りてきて5人で昼食をとり始めた。
目の前には大量のサンドイッチが置かれ、どうやら朝早くなのはとフェイトが作っていたらしい。
他にもなのはが翠屋特製のコーヒーを持参してくれた。


「す、凄い量だね…。これ、二人で作ったの?」

「うん!ちょっと多すぎたかな…にゃはは…」

「でも美味しいよ!さすがなのはとフェイトだ!」

「あ、ありがとう…ユーノくん…」



「あぁ…見てらんね」

「どうしたんですか?アンクさん」

「お前はまだ子供だからわからなくてもいいんだよ」


アンクはヴィヴィオの頭をわしゃわしゃと撫でてあげた。
ヴィヴィオは少しくすぐったかったのか片目を閉じて頬を赤く染めていた。


「でも本当に作りすぎたかな、エリオだったらこれぐらいは食べられるんだけど…」

「俺たちの胃をあいつ基準にするんじゃねぇよ…。そういえばあいつ等も元気でやっているのか?」

「うん!数週間ごとに定期連絡するようにしているんだ!」

「…過保護め」

「ん?なにか言ったかな」

「いいや、なにも」


そんな中、ヴィヴィオが自分のコップにコーヒーを注ごうとして魔法瓶の蓋を開け始めた。
しかし、予想以上に蓋が硬かったのか、なかなか開けることができない。


「ん~、おかしいな…クリス開けられないね…ノーヴェに怒られちゃうよ…」

「ほら、貸してみて」

「あ、すいません…」


ユーノは先ほどヴィヴィオが開けることができなかった魔法瓶をいとも簡単に開けた。