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ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第12部 中編

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「なんや?このページ…ここに書かれている事って…」


はやて はそのページの頭となる部分を探し始めた。
そして、何ページかめくると、そこにはこの文章のタイトルとなる部分が書き写されていた。



−007話 蒼狼とおでんと犬の怪物−



「これ…一体どういうことや!?…蒼狼…ザフィーラのことか?」


それからも、はやて は必死に他のページをめくっていった。


−011話 特訓と本当の『強さ』とガタキリバ−


−002話 騎士とヤミーと復活のオーズ−


−018話 液化とカレーと『味』−



「間違いない…これって、…『今まで私達が体験してきた出来事』…!?」


はやて はそこに書かれていた文章を全て読んでいった。
不思議なことに、彼女の頭に記憶が蘇ってきたのだ。


「せや…この時、私はたしか映司くんのパンツを拾って、…それで…抱きしめられて…ははっ!このときの映司くん、フェイトちゃんに一目惚れしたんや!!…っ!!」


ページを進めていくと、とあるページで はやて は手を止めてしまった。


−015話 夜天の主と欲望の王と『家族』−


「あ……」



−−−


「映司くん、全部教えてくれるんよな?」

「うん、全部話すよ…俺の過去のこと…」

映司はかつてザフィーラ喋ったことを隠さず全員に話した。
話し終わった後、全員沈黙状態になった。


はやては映司の前に立つ。

「はやてちゃん?ッ!」


次の瞬間、はやて は映司にビンタした。


「はやてちゃッ!!」

さらに はやて は映司のアバラを殴りながら押し倒し、馬乗りになりながら襟をつかみ、叫んだ!


「ッこのドアホッ!!!」

「は、はやてちゃ…」

はやて は泣きながら喋り続けた。

「なんでそんな大事なこと隠してたん!?
そんなんあんまりや、辛すぎるやないか!!
映司くんばかり酷い目あって…
もう…ヒグッ…私なにもできへん…」


「そんなことないよ、はやてちゃん」


映司はそのまま はやて を抱き締めた。


「はやてちゃんは、あの時俺の事を『家族』って読んでくれた。それだけで俺は救われたんだ。」

「ッ!!」

「だからさ…俺も『八神家』の1人になりたいんだ…いいかな?はやてちゃん」

「…ええよ、今日から映司くんは私の家族の一員や…」

はやて は映司から離れ、涙をふき、改めて映司を見つめ直す。


「これから宜しくな、映司くん!」

はやて は手を差しのべる。



「うん、はやてちゃん!」

映司はその手を握る、その瞬間、映司は救われた。また、新しい家族が誕生した。


「え、映司が私達の家族、と、いうことは師から姉になったということか…」

「あら、シグナムなにを赤くなってるの?」

「シャ、シャマルうるさいぞ!」

「へっへっへ!これで私に妹の他に弟ができたってわけか!」

「ヴィータ…いくらなんでも無理が…」

「うっさい!ペット!!」

「ヴィータ…」

「わぁ~リィンとアギトにお兄ちゃんができたですぅ♪」














「アンク…俺はまた新しい居場所ができたよ…クスクシエの他にね。まさかまた俺に家族ができるなんてね、




俺の微かな『欲望』


叶ったかな……。」



−−−


「……う…う…うぅ…」


いつの間にか、涙が溢れていた。
止まることなく、夜天の書に自分の涙が落ちていた。


「あ…うあぁ…あぁぁぁぁぁ!!!!」


はやて は声を出して、泣き始めた。
夜天の書を閉じ、力いっぱい抱きしめた。



「わ…忘れてたぁ…ひぐっ…あぁぁぁ……あの日の…ふぅぅ…ぐ…約束…ううぅぅ!!」




大事な家族が増えたあの日。
絶対に忘れてはいけないあの日の出来事。


大切な、彼との約束。


「映司くぅん…ぐずっ映司くんっ!!!!う…うぅぅ!!!!いつになったらかえってくるんやぁぁぁ!!!!会いたいよぉ…っ!!!!映司くんに会いたいよぉぉぉ!!!!うあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!う…うあぁぁぁ!!!!…ひぃ…ぐずっ…会いたいよぉ…映司くん…あぁぁぁ!!!!!!!!」



これは、リィンフォースが残してくれた…私と映司くんが繋がる為の最後の手段。
忘れていく記憶を残しておくために記された、私たちの出逢いを書き綴ったもの。







リィンフォース…今まで気づいてあげなくてごめんなぁ…。





「ぐすっ…リィンフォースぅ…う…ありがと…ありがとなぁ!」



彼女のお陰で、自分は全ての記憶を取り戻した。
…そう、全て…

私たちは、ミッドに来る10年前から既に出会っていた。

私は、あの時から彼に守られていたのだ…。

そして、自分の命を引換えに…今、この場に存在していられるのだ…。


「私…今でも、あんたに守られていたんやなぁ…全く…意外にお茶目さんなんやなぁ…っ!!リィンフォース!!本当にありがとなぁ…っ!!!!」



















−悲しまないでください…我が主…−



「っ!!」




突然、その場に聞き覚えのある声が聞こえた。
その声は、かつて…自分が子供の頃に聞いたことのある声だった。



「あ…ぐすっ…だ…だれ…?」






−このような結末は…私は認めません−




「結末?一体なんのことや?…な、なぁ!!」








−欲望の王は、消滅しました…ですが、そんな結末にならない「道」は、ひとつではないのです−







「…何いっとんのや?さっぱり意味がわからへん!!」









−なので…申し訳ございません…我が主…−










「っ!!そうか!リィンフォース!!あんたなんやな!?一体何処にいるんや!!出てきてくれな!!」











−主…良く聞いてください…−








「な、なんや……」




























−このような結末にならないために…−













−今まで歩いてきた道を…−




































−全て…繰り返させてもらいます−


























「っ!!きゃあぁぁっ!!!!」


その瞬間、夜天の書からまばゆい光が無数に解き放たれた。
次第にその光は辺りを全て飲み込んでいった。








「な…なんや…一体なにが…あ…」








なんやろ…暖かい…


この光、…そうか…リィンフォースの温もりか…。












−申し訳ございません…我が主−















えぇんよ…。
あんたがしたいと思ったことなら…別に構わへんよ…。












光は…この世界の全てに降り注がれ…







そして……