ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第12部 中編
「わざわざ車まで戻らなくても、ここで足を冷やすことができる。ほら…」
「う、うん…ありがとう、アンク…!」
アンクはフェイトの靴を脱がし、足を川の中へ丁寧に入れて上げた。
「冷たいか?」
「うん…でも、気持ち良いかな?」
「そうか…」
なんでだろう…。
アンクとは、昔…本当に昔から今日みたいに助けてもらったことがある…。
いや、…そんな気がする…。
でも、いくら昔を思い出しても、アンクとは一緒にいた記憶がない…。
現に、アンクと初めてあったのは確か3年前だ。
なのに…なんで?
わからない…わからないよ!!
一体なにがあったの?何かが私を邪魔している!!
嫌だ…思い出したい!!!!
私に邪魔しないで!!!!
「アン…ク…」
「ん?どうした…」
「さっきの言葉…やっぱり無し」
「あ?」
「全部教えて!私、アンクと昔、なにか繋がりがあった気がするんだ!だからお願い!!ここで全部教えて!ねぇ、アンク!!」
突然、フェイトが必死にアンクの肩を掴み、揺さぶり始めた。
アンクは呆然とし、今の状況を整理していた。
「お、おい落ち着…」
「ねぇ教えて!!お願いだから!!!!」
「く…くそ……」
アンクは動揺し、ついにその場から離れようとした!
これ以上フェイトといたら、自分がおかしくなりそうだったからだ。
「悪い、先に行っているぞ!」
「ま、待って!!!!」
「な、おい!…て、ぬあぁぁっ!!!!」
「え、きゃぁぁぁ!!!!」
−ドボン…−
フェイトはアンクの手を無理やり掴もうとし、無理に引っ張った瞬間、体勢を崩してしまい、そのまま川の中へ落ちてしまった。
幸い、川の流れは緩やかで、水位もそこまで高くない。
アンクが下敷きになり、その上にフェイトが乗っかっている状態である。
「ぷはぁっ…、おい!何してくれんだ!!このっ……おい、どうした?大丈夫か?」
「あ…あ…あぁ……」
「おい、どうしたんだ!!?おい!!!!」
作品名:ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第12部 中編 作家名:a-o-w