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ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第12部 中編

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「おい?本当に大丈夫か?」

「遊園地…」

「…あ…?」





「遊園地で一緒に食べたのは…『アイス』」





「…お前、…今…なんて…」




「アンクが…食べられないのは…『鳥肉』」

「…あ…あぁ……」

「そして…アンクはいっつも…ぐすっ…」














「いつも、私がアンクを起こしていたんだよ?…っ!!」

「………っ!!!!」






抱きしめた。
何も考えたくなかった。
どういう理屈で、記憶が現れたなんて、正直どうでもよかった。
ただ、フェイトをもう離したくなかった。



「アンクぅ…えぐっ…アンク…ごめんね…私…ずっとアンク待たせてたよ…」


フェイトはアンクの背中へと手をまわし、自分も負けじとアンクを抱きしめた。
そして、いつの間にか目から大量の涙をこぼしていた。


「おっせぇんだよ!!!!馬鹿…このやろぉッ!!!!!!!!」

「う…ひぐっ…ごめんね…ごめんねぇ……」

「もう…忘れんじゃねぇぞ…フェイト…次…ねぇぞ…っ!!」

「うん…うんっ!!!!…う…うぅぅ……」






忘れないよ…。




絶対に…。




だって、私はアンクのこと…




大好きだったんだもん…。












−−−


「どうするんだよ…これ」

「ふふっ!濡れちゃったね、アンク!」

「はぁ…まぁ今日は暖かいからすぐ乾くだろ…」


二人は手を繋ぎながら なのは達がいる高原へと戻っていた。
二人は服もびしょびしょで、歩いた後には水滴がいくつも落ちていた。


「アンク!」

「…なんだよ」

「私の名前、呼んで欲しいんだ!」

「あ?」

「あ?…じゃなくて、名前、呼んで!」

「バッカじゃねぇの?」

「え…ごめん…」

「…チッ…行くぞ!!……フェイト…」

「…っ!!うん!!」




もう、絶対離さない。
このつないだ手は、どんな状況でも、また繋ぐことができるのだから…。

これからも…ずっと……。












………


「「「すぅ…すぅ…」」」



「結局、この二人は進展無しか…」

「まぁ、これからも根気良く頑張らないとね!」


日が暮れ、空には夕日が広がっていた。
後部座席には仲良く三人寄り添いながら寝ていた。
遊び疲れたらしい。


「逆に、こいつらはこれで良いのかもな」

「そ、それは駄目だよ!!…ヴィヴィオにもやっぱり、パパがいないと駄目だと思うし…」


ヴィヴィオは真ん中に座り、右手には なのはの手、左手にはユーノの手を握っていた。
その姿は、まるで本当にこの二人の子の姿に見えた。


「まぁ…いつかなるようにはなるだろ」

「うん…そうだね」

「そうだ、フェイト…少し頼みがある」

「ん?なにかな」

「あぁ…ちょっとな…」





………


「それでな…オーズには全部で7つのコンボってのがあって…あれ?7つだったかな?」

「おいおい…はやても忘れてんじゃねぇか…」

「メダルを変えることによって身体の部位の特製を変える…か、かっこいい!!!!すごいですよ!!はやてさんっ!!」

「まあな!いやぁミウラやアギトにも見せてあげたいわぁ!!」









「久しぶりだな…」








「え?」


浜辺に座ってミウラとアギトに話をしていた はやて は、突然誰かに話しかけられ、咄嗟に後ろを振り向いた。


「えっ…あ、こんにちは!!…えっと、どちら様でしょうか?」
「…ん?はやて、知り合いか?」

「…久しぶりやな!」

「あぁ…フェイトに聞いたが、昔とちっとも変わってねぇな」



はやて はその場に立った。それにつられてミウラとアギトもその場に立ち、はやて を訪ねてやってきた人物を凝視した。


「いきなりどうしたんや?…アンク!」

「あぁ…ちょっとな…」










はやて を訪ねてやってきた人物は…

紛れもなく、アンクだった。