東方~宝涙仙~ 其の捌(8)
あwttいるなワタシ。まずいまずいこれはひじょーにまずい。
まだ攻撃をうけてないのにもかかわらず、恐怖心がせまる。
Korosareru。
「お前随分と戦闘慣れしてないんだな。かわいそうにかわいそうに、怯えてるじゃないか」
震いをあげる手でナイフを握る。次だ、次部屋が明るくなったときに相手の位置を認識しナイフを投げるんだ!
そして、また光が走り部屋が明るくなる。
銀髪の冷淡な目つきの女が姿を現す。つ、角?例えるならば上白沢慧音さんのような角が一番似てるだろう。しかし真上ではなく、やや斜め上に向かって生えている。
服の説明もしたかったが残念なことに上半身は着ていないので説明できなかった。でもセーフセーフ。あれならR-18指定にはされないでしょうね。
首の下胸元あたりに赤い傷跡のようなものがあった。
あ、すいません、見とれてナイフ投げ忘れました。
「何もしてこないようならワタシからも何もしないでおくぞ?」
嘗められてる、完全に。だけども私も腰がひけて動けない。でも勇気だして無理やりにでも動いて奴の角を折るくらいはしなくては。メイドとして、紅魔館のみんなを護るものとして。
部屋が暗闇に戻ると同時にナイフを投げつけた。相手の反応がない、はずしたかな…。
「痛い痛い。うん痛い。安心しな、お前の攻撃は当たってるよ。」
また暗闇が晴れる。相手の腹部に一本ナイフが見事に刺さっていた。その周りに血が伝う。
残り二本ははずしたようで見当たらなかった。刺さった割にはだいぶ無力だった。私はこの結果をみてもはや恐怖を感じれなくなってしまっていた。失望、そして諦め。
すいません、お嬢様。護れそうにないです。
「戦意喪失したのか?」
「…ええ」
「あら、初めてしゃべった。大人っぽい声ね」
「そうですか、ありがとうございます」
「敵にありがとうございますってのも面白い」
「はぁ」
「完全に戦闘不能ね、死にたい?生きたい?」
「生きたいです」
「なら全力で戦ってみなさい。昔ワタシが幻想郷に来てからに唯一怪我を負わせた娘はもっと勇ましかったぞ」
「それはその人が強いからでしょう」
「いや、あの子はそんな強くないはず。まだ子供で、頭に蝙蝠のリボンみたいな飾りつけてたわねぇ。ハロウィンって感じがしたわ」
「そうですか」
「お前はつまらないな」
ハハハと私を笑う。どうせ死ぬなら今奴が気を抜いているうちに攻撃してダメージを与えてから死のう。できれば死にたくないが。
私は短剣を両手で支え、笑う上半身露出銀髪死んだ魚目女めがけて飛び込んだ。
当たれ!喰らえ!刺さり切れ!
「致命傷にくらいはなってください!」
「やっと戦う気になったか!そうでなきゃ殺しにくい!」
暗闇に戻ったばかりの部屋にまたしても閃光が放たれる。今更ながらだけどこの光はどうやって発生してるのか疑問に思う。
剣を片手ではじかれ、そのままもう片方の腕で首をつかまれる。げほっぐるじい。
「最初からその威勢を見せたほうがいい」
そう言うと上半身露出銀髪(中略)女は私の首をつかんだまま私を振り飛ばした。タンスに頭から突っ込む。痛いなんてものじゃないが痛いと言えない。
タンスに飛ばされた私を追撃するように上半身露出(中略)女は手を突出しながら飛び掛かってきた。腹に思いっきり手を刺された。爪が刺さったのレベルじゃないですよこれ。手首くらいまで突き刺さってr。
腹に突き刺さった手を抜いてまた首を掴まれてしまっt。この上半身(中略)女から笑いがなくなってr、普通に強i。
先ほど動揺振り飛ばされてしまいました。今度は机にストライク。もう痛みがわからない。痛いですか?自分は。
あれ、追撃して来ない。そうなると痛みが湧き出てくる。でも安心感を得られグギャぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
ナイフが肩とさっき刺された腹の傷に私がさっき投げたナイフが飛んで刺さってた。しかも何これ…痺れる……。まるで雷を纏っているような…。
「ア"&%#mcm$@ッ!!!!!!」
「あらあら、さすがに動けなさそうね」
「gc間;cv'(0#"Д&!!!」
「何が言いたいかさっぱり。幻想郷の言葉で話しなさい」
ん背うpんcvぁjvdんklんfんv。あんvjks;v根kfjvjkf7
(訳:上(中略)女は私の足を思いっきり踏みつけて語ってきた。骨折確定だろう。というかもう死亡確定。お嬢様、そして紅魔館のみなさん、私は紅魔館の一因になれて―)
「もう痛がる必要はない、さよならね」
cんfhwっせヴィをfjw
(訳:― 幸せでした。)
風香の部屋に血と光が舞った。
それと同時に紅魔館のどこかで爆発が起きた。
▼其の玖(9)へ続く
作品名:東方~宝涙仙~ 其の捌(8) 作家名:きんとき