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ル←ゾ←サ

2012/2/27更新

ルフィ←ゾロ←サンジ
サンジの片思い。








――――――――――――――――――――



「なんでテメーがここに居る。」

「クルーの一人が居て何が悪ぃ。」

「ここは神聖なキッチンだ。
んなシケた面した奴が居ると飯がまずくなるんだ。」



ゾロはシンクに寄りかかり、酒を飲んでいた。
まだ昼間だってのに・・・・・・


「・・・。」

「飲むならこっちにしろ。」

サンジは同じ酒でも度数の低いものを渡した。
ゾロは驚きつつも黙ってそれを受け取った。


「いつも止めるじゃねーか。」

「呑みたいのも分かるからな。」


「・・・？」


「いいか、ソイツに頼ったってなんも解決しねぇぞ。」

「・・・っ・・」

「ソイツは何も解決してくれねぇ、話は聞いてくれてるのかもしれねぇけどな。
何も応えちゃくれねぇんだからな・・。」

「あぁ・・分かってる。」

「余計空しくなるだけだ。」

「・・・それでも、止められねぇ。」

「つまみ作ってやる。座ってろ。」


「・・・・・。」


シンクから体を離しテーブルに向かう。
それを横目で見て手を洗い、手際よく一品作る。

ゾロの目の前に置くと、
聞こえるか聞こえないかという声で『サンキュ』と言った。
前の席に腰掛け、煙草に火をつける。



ゾロは、ルフィに惚れてる。
それはとうの昔に気づいた。

本人からそれを聞いたわけではないが、
ゾロも俺が気づいてることを気づいてる。


何とは言わない。
誰とは言わない。

ただこんな風に馬鹿みたいにウジウジしてるゾロを・・
俺は一人にしておけなかった。




「美味いか？」

「・・あぁ。」

「なら、良かった。」

「・・・・・。」

胸がじくじくと痛みを訴えることにそろそろ慣れてきた。
始めは分からなかったこの痛みの理由。
その理由に気付いた時が一番辛かった・・・

でも、それももう随分前だ。


俺が惚れたのはたまにこうやって弱くなっちまってるゾロだから。

仕方ない・・・

だからさっさとその弱さを捨てろって思うんだよ。



なぁゾロ？
そろそろお前も腹括れ。


「ゾロ。」

「・・なんだ。」

「お前は、この時間、この空間をどう思う？」

「・・・・・？」


俺は良くてもお前は違うだろ？――


「お前が本当に一緒に居たいのは誰だ？俺か？違うだろ。」

「・・・・っ・・」


まったくこんなこと言わせんな―――


「余計寂しいだけだろ。」

「・・・俺はっ・・!!!!!」


もう偽るんじゃねーよ――


「何都合の良い言い訳ばっかしてんだ。
それはルフィの為でも何でもねぇ。お前が逃げてるだけだ。」

「・・・・っ!!!!!!」

「ぶつかってこい。」

「・・・・・・。」

「良い酒、用意しとくからよ。」


「悪ぃっっ――



バタンッ――

扉が閉まると同時に立ち上がる。
そして奥からとっておきの酒を取り出す。

この酒に合うつまみは・・と考えて、食材を取り出し、調理する。
きっとこの味はゾロも気に入るはずだ。
ルフィのためにも肉を用意しないとな・・・。

あぁーーやる事がいっぱいだ。

忙しい・・


いそが・・しっ・・・っ・・・・・・







「なーんだか、喉が渇いちゃったわ。」


「私も急にコーヒーが飲みたい気分になったわ。」

「あーあー俺様の腹はうるせぇなまったく。」

「おっおっおお・・おやつはまだかな～。」


おいチョッパーお前泣くんじゃねーよ


そうよ馬鹿ねっ


だっておでっおで・・


いいから早くっおめ泣き止めって!!




「・・み・・・みんな・・」



「・・・ぅっ・・うっ・・うわぁぁぁーーーーん!!!!ザンジィィィ」

「・・チョッパー・・・。」

「あぁっもう。」

「バレバレね。」

「・・・大失敗。」



「・・・そんなことねぇ。
俺はすげぇ嬉しいさ。お前等が居て良かった。」



ありがとう―――



「さて、スペシャルドリンクに特製コーヒー、
何か腹の虫を黙らせるものに、とびきりのデザートだったかな？」


「「「「よろしくお願いしますっ」」」」




本当に忙しい・・・


まったく、


忙しくて腕がなるぜ―――


end