のび太のBIOHAZARD『ENDLESS FEAR』
CHAPTER5 ナムオアダフモ機関潜入 AREA1『潜入』
巌達を乗せた車は、ナムオアダフモ機関の門の前で停車した。すると、9人全員は車から降車した。そして、巌が全員に話す。
「・・・・・いよいよこっからは敵の本拠地だ。何があるか解らないから、常に警戒は怠るなよ。基本的に3人ずつの3チームに分かれて行動する。1チーム目は、俺とのび太と真理奈のチーム、2チーム目は、スネ夫とジャイアンと迅のチーム、3チーム目は、聖奈と燐と玲のチームで編成する。まずは、全員で潜入し、その後、状況に応じて、3チームに分かれる」
と、巌が言うと、全員はそれに肯定した。すると、巌は一拍置いて、迅や玲を除く、のび太達全員に喋った。
「なあお前等、軍人に最低限必要なものって解るか?」
巌がそう言うと、のび太は言う。
「軍人に必要不可欠なもの?それって一体・・・・・?」
のび太がそう言うと、巌は言う。
「それは、戦いに臨む理由と少しの自信さ。例えどんな下っ端の傭兵でも、何かしら戦う理由を持っている。家族の為だとか、国の為だとか、信念の為だとか、皆何かを守る為に戦うんだ。お前等も、何かを守る為に、『ナムオアダフモ機関』と戦おうとしてるんだろ?それさえ忘れなければ、負ける事はそうそう無いさ。後は自信があれば大丈夫だ」
巌がそう励ますと、巌は続いて言う。
「・・・・・じゃあ早速、『ナムオアダフモ機関』に潜入するぞ」
巌がそう言うと、全員はナムオアダフモ機関の門まで走って行った。そして、全員は『ナムオアダフモ機関』の門の前まで来ると、門の陰に身を隠し、『ナムオアダフモ機関』の正面玄関の辺りを窺(うかが)った。
門と正面玄関の間には駐車場があり、数台の乗用車が停車していたが、その全ての乗用車は、炎上していた。その乗用車のすぐ傍には、横たわっている死体があり、その周囲には、『キメラ』や『ブレインディモス』がいた。
「あれは、B.C.W.?何でナムオアダフモ機関の前に居るんだ?」
スネ夫がそう呟くと、巌が言う。
「門に生物兵器を投入して、侵入者を防ごうとしているのかもしれないな」
巌はそう言った。そして、巌は続けて言う。
「見た感じだと、奴等に気づかれないで侵入するのは無理そうだ。銃撃の用意をしろ。一気に突入するぞ」
巌のその言葉を聴いた全員はそれぞれ、戦闘の用意をした。
そして、一拍置いて、突入した。突入直後、巌は、生物兵器が固まっている所へ、『MK3A2手榴弾』を投げた。数秒して、手榴弾が炸裂し、その付近にいた生物兵器は消し飛んだ。
その他の生物兵器は手榴弾の爆音に気づき、巌達に向かってきた。
「KISHAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!」
「KIYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!」
「KSHAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!」
多数の生物兵器は咆哮を挙げ、接近してきた。のび太は前方に居る、遠距離のB.C.W.を中心に狙撃し、聖奈と真理奈はショットガンで、接近してくるB.C.W.を吹き飛ばし、スネ夫が『FN P90』を連射していく。燐は後方から接近してくるB.C.W.を『EX-41』で片っ端から吹き飛ばしていった。
暫くして、ナムオアダフモ機関の玄関前に着くと、全てのB.C.W.は絶命し、全く動かなくなった。
「・・・・・・全部倒した?」
スネ夫がそう呟くと、巌はそれに応える。
「ああ、間違い無い。全て絶命した」
巌がそう言うと、巌は続けて喋る。
「早速だが、突入するぞ。準備はいいな?」
巌が全員にそう尋ねると、全員は首を縦に振った。
そして、全員はナムオアダフモ機関に突入した。ナムオアダフモ機関の内部の天井の電灯は煌々と付いていていたが、閑散としており、人影は全く見えなかった。
「・・・・・・人が全く居ないですね。電灯が付いているところを見ると、ついさっきまで誰かが居たような雰囲気ですけど」
のび太がそう呟くと、巌が言う。
「確かにな。敵さんは、俺達がこっちへ向かって来る事を知っているから、何か策を講じてるかもしれん。慎重に行こうぜ。くれぐれも油断するなよ」
巌がそう言うと、全員は上階に上がる為にエレベーターを探した。すると、巌が、エレベーターが、奥の方にあるのを発見し、全員を呼んで、エレベーターの前まで進み、エレベーターの呼び出しボタンを押した。しかし、呼び出しボタンを押しても反応が無かった。
「・・・全く反応が無いな。恐らく、此処のエレベーターの電圧が落ちてるんだろう」
巌がそう言うと、ジャイアンが言う。
「ナムオアダフモ機関の奴等がやったのか?」
ジャイアンがそう尋ねると、巌は応える。
「多分な。だが、恐らく何処かにエレベーターの電圧を復旧する為の装置、或いは、上の階に上がる方法がある筈だ。手分けして、この1階を調べるぞ」
巌がそう言うと、全員はさっき分けたメンバーで、3ルートに分かれ、探索を始めた。のび太、巌、真理奈のチームは、手前の右方向を探索し、聖奈、燐、玲のチームは、手前の左方向を探索し、スネ夫、ジャイアン、迅のチームは奥の方を探索した。
玄関から見て、手前の右方向を探索しているのび太達は、受付を探索していた。
「・・・どうやらここは受付の様ですね」
のび太がそう言うと、巌が言う。
「そうだな。さっさとやって探索を終わらせようぜ」
巌がそう言うと、のび太達は早速、探索を始めた。そして、スネ夫、ジャイアン、迅のチームは奥の方を探索した。
その頃、玲達のチームも、並行して、探索を進めていた。
「さあ、早く探索を始めるわよ」
玲がそう言うと、燐は呟く。
「・・・・・此処は社員食堂だな。1階にB.C.W.が投入されてるとすると、此処に潜伏している可能性が高いな」
燐がそう言うと、聖奈が言う。
「じゃあ、慎重に探索を進めましょう」
聖奈がそう言うと、3人は、社員食堂の中に入り、周囲を警戒した。しかし、B.C.W.は見当たらなかった。すると、玲は構えていた銃を仕舞い、他の2人に話し掛けた。
「それじゃあ、探索を始めるわよ。それぞれ3方向に分かれて食堂内を探索。何か変わったことがあったら、他の2人に知らせる事」
玲がそう言うと、聖奈と燐の二人は肯定した。そして、三人は三方向に分かれて探索した。
その頃、奥の方に分担されている迅のチームも、同様に探索を始めていた。3人が探索しようとしている場所は、電圧が落ちているエレベーターの右にある、奥へ続く通路だった。
「あんまりもたもたしてる暇は無いからな。さっさと済ませてさっさと終わろうぜ」
ジャイアンがそう言うと、迅が言う。
「しかし、くれぐれも慎重に。焦ってしまっては、相手に足元を掬われるかもしれません」
迅がそう言いながら、慎重に通路の奥に進む。通路は丁度、コの字の形をしており、外周に沿って、6つの扉が等間隔に並んでいた。
「ドアが6つあるな。手分けして探索するか?」
ジャイアンがそう言うと、迅が言う。
「いえ、少々時間はかかりますが、此処は3人で探索しましょう。此処は敵の本拠地なのですから、何処で何が起こるか解らないですからね」
迅がそう言うと、3人は手前の扉に近づき、注意深く扉を開けた。
作品名:のび太のBIOHAZARD『ENDLESS FEAR』 作家名:MONDOERA