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のび太のBIOHAZARD『ENDLESS FEAR』

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「……プログラムの備えを紙媒体でとっておいたって事は、これは、業務に重要な資料なのかな?」
 スネ夫はそう呟くと、その資料を元の場所に戻した。そして、暫くその部屋を探索した。






数分後、気になる書類を見つけたスネ夫はその書類の中身を見た。その書類の中にはこう書いてあった。
『《V-ウィルスの可用性》
V-ウィルスは、ウィルス内部の核の論理形成を電気信号で変化出来るという性質があり、これを利用すれば、どんな生物に投与しても、同一の生物兵器が造れる事となる。現在、あらゆる年齢の人間、猿、イルカ等の哺乳類に同一論理形成のV-ウィルスを投与してみたが、どの被験体も、同じ生物兵器に変異した。この事から、『V-ウィルス』は、素体の遺伝子情報を無視して変異を行わせる事も可能である。本来、『V-ウィルス』の利点は、素体の持っている元々の能力を損なわずに変異させるというものであるが、場合によっては、定型化されたアルゴリズム(論理形成)を用いる事で、即時変異させた方がいい事もある。この様に、『V-ウィルス』には、あらゆる用途に使用できる特性がある。』
その資料の内容を見たスネ夫は思った。
――――――――――――この資料から推測すると、『V-ウィルス』は、特定のプログラムに従って、生体を変異させるウィルスって事が解るね。……だからといって、対処法は立てられないけど。
………………それにしても、この資料室は広いな。良さそうな資料を探すのも一苦労だ。そう思っていると、ふと、金属製の棚の隙間から、向こうの様子が少しだけ見えた。そこには、ゾンビが見えていた。
―――――――危うく奇襲される所だったな。
するとスネ夫は、バックパックから『モスバーグM500』を取り出し、棚の端の外側を通り、ゾンビの全身が見える場所まで一気に移動し、そのゾンビにショットガンの照準を合わせた。そして、すぐに発砲した。大きな銃声とマズルジャンプと共に、7発の8.4mmペレット弾が発砲された。その中の5発がそのゾンビに命中した。そのゾンビは、4m程吹っ飛び、壁に激突した。そのゾンビは全く動かなくなった。スネ夫は、フォアエンドを手前に引いた。すると、ボルトが後退し、12ゲージショットシェルが排出された。ポンプアクションショットガンの排莢動作である。そして、ミドルパックから、12ゲージの『OO(ダブルオー)BUCK(バック)ショットシェル』を一つ取り出し、『モスバーグM500』に装填した。するとジャイアンが言う。
「スネ夫も銃の扱いに大分慣れてきたじゃねえか」
 ジャイアンがそう言った。
――――――確かに僕は初めの頃は、銃火器はあまり使えなかったな。
「そりゃ、僕も結構戦ってきたからね。のび太の銃火器の扱い方もそれなりに見てたし」
 まぁ、怖くない訳じゃない。けど、もう弱音を吐く訳にはいかないからね。
そう思っていると、ジャイアンが言う。
「そうか。スネ夫も変わってきてるんだな」
 ――――何故かそう言ったジャイアンは、いつになく悲しげな雰囲気を醸し出していた。……何か思う事でもあるんだろうか?
「そろそろ探索を再開しましょうか」
 いきなり迅さんの声が聞こえ、今、やるべき事を思い出した。
「う、うん。そうだよね。もたもたしてる時間は無いよね」
 僕は、少し慌ててそう言った。とは言え、この資料室の探索はまだ、半分位しか進んでいない。本当に急ぐならば、此処の探索は、今はしない方が良かったかもしれない。しかし、急いでいる時程、足元を掬われるという。そう考えると、少し時間を掛けても、情報を確実に収集する事が大事とも言える。どちらが最善の選択かは、僕には解らない。それに、僕にも不安が無いとは言えない。真理奈ちゃんの事もそうだけど、何よりも、ドラえもんの事が一番気に掛かる。ドラえもんは、あのバイオハザードの最中、学校で見た以来見ていない。のび太の話によると、ススキヶ原研究所でドラえもんと再会し、そこで、あのバイオハザードの黒幕がドラえもんだという事を知ったという事だけれど……。もしそうなら、スネ吉兄さんが首謀者の可能性が非常に高くなる。スネ吉兄さんは前、「新しい会社の会長になったんだ」と、言っていたし、ナムオアダフモ機関の資料を見る限り、スネ吉兄さんが会長の可能性はほぼ確実だ。そしてそうなると、スネ吉兄さんがドラえもんを改造した可能性がある。スネ吉兄さんは、ドラえもんに非常に興味を持っていたし、改造が出来るだけの知識
もある。――――――――――もしかしたら、全ての黒幕はスネ吉兄さんではないか?
僕は、そう思い始めていた。




それからの『紙媒体資料室』の探索はほぼ、作業に近かった。ウィルスに関係してそうな資料を探す。それだけの作業。単純作業なだけに、僕は、他の事に考えが向いていた。勿論それはスネ吉兄さんの事だ。
――――――――――――全ての首謀者はドラえもんではなく、スネ吉兄さんではないのか?もしそうだとすると、僕は一体どうすればいいんだろうか?
僕の頭の中には、そういう疑念が渦巻いていた。
























暫くすると、『紙媒体資料室』の探索が終了した。気になる資料は、先程の『《V-ウィルスの可用性》』と書かれていた資料を含め、全てで3つ見つかった。僕も、その資料を見てみる事にした。
『《ヴァリアントウィルスの運用体系について》
今やナムオアダフモ機関の看板商品となったV(ヴァリアント)-ウィルスには、今までのウィルスにはない特殊な機能がある。それは、ウィルス内部の核に存在する論理構成を変化出来るという点である。V(ヴァリアント)-ウィルスに、一定の論理構成でプログラミングしたプログラムを組み込む事により、V(ヴァリアント)-ウィルスの性能をある程度変えられる事が出来る点は、信頼性、多様性が高い。我が『ナムオアダフモ機関』では、使用状況によって使い分ける為、ウィルスに幾つかのプログラム形式(アルゴリズム)を組み込んだ。そうして作られたのが、以下の4つである。


・広範囲低品質型[CODE:Plague]
広範囲にウィルスを飛散させる事を目的としたタイプ。感染し、発症した生物は、凶暴化する。但し、個体毎(ごと)の質は低く、実用性はやや低い。

・高精度単個体型[CODE:Metamorphose]
N.A.C.B.C.W.を製造する時に使われるタイプ。伝染性は皆無だが、生み出せる生物兵器の質は高く、実用性に富んでいる。また、元々の生物の適応能力も同時に強化するので、急激な進化に、適応能力が追い付かないという『T-ウィルス』の弱点を完全に克服している。よって、元々の生物にある能力を活用でき、戦闘能力は高い。

・被支配型[CODE:High Motor]
外見上は、肉体を全く変異させずに、筋力、反射神経、運動能力、動体視力等を劇的に向上させるタイプ。人間の姿を完全に保ったまま、強力な力を手に入れられるので、現在注目されている。

・多目的活性死者型[CODE:Multi Purpose]