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スノイリス
スノイリス
novelistID. 37340
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夢の中で見る夢《仮》

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寝床は彼がもらったは良いが使用してないという蓋付きの小物入れを使用。
元の大きさに戻ることは理解しているので、寝床を何回か新調しなければいけないと考える。

「……畳で良い」
「お前一応俺の客人なんだぞこら」

もてなしくらいさせやがれ、と夜、夕餉を終えて暫くしてから気づいた寝床の問題に元親が着手し、彼女は文机に座って足を揺らしながら言葉を紡ぐ。
それに顔をズイッと寄せて元親が反論すれば、彼女が身体をのけぞらせて。

「ご、めんなさい」

「わかりゃいい。さて、暫くはコレで我慢してくれや」

手拭いを敷いて、試しにと彼女を捕まえて中に無理やり横たわらせる。
やや乱暴な動きに暴れかけるが、彼女は預かってもらってる身の上なので大人しく寝転がる。

上から覗き込むような状態になっている彼の顔を見上げて彼女は小首を傾げた。

なんだかポカンとしてしまっているから。

「あー、なんだ……隙間がありすぎてよ……こん中に付属されてた人形みたいに見えちまった」
「……間違ってはいない。私はいま、手乗りの大きさ」
「悪い。で、どっか不具合はねぇか?硬いとか痛いとか」
「ない。心地良い……ありがとう」

「そいつぁ、良かった。
 さて、どうする?もう寝るか?」

「……ん、甘えて良い……?」

「甘えろ甘えろ。蓋はどうする」
「隙間開いてる。閉めても問題、多分ない」
「分かった。んじゃ、明日」

「……おやすみ元親。ありがとう」

「おう」
小さい雪姫に言われるありがとうがなんだかこそばゆい。
そう思いながらも、彼は寝転がる彼女の上に蓋を降ろして箱を閉め、自分は製図に取り掛かる。
彼女は閉じられた天井を暫く見上げていたが、やがて。
疲れからすぐに瞼を閉じて夢に落ちていく……