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新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第15話

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  第15話 「新学期開始」


  季節も入学シーズンに入り、各学校で始業式が始まる。ハカイジュウの被害に見舞われた桜高においても他校と変わらずに新学期を迎えていた。

  勇士朗達や澪達もそれぞれ登校していく。

  勇士朗 「いよいよ新学期かー。」

  蓮 「そろそろ進路決めないトナー。」

  光 「新学期の朝っぱらからテンション下がるような事言うな!」

  俊 「しかし、今日は春一番が吹いてるな・・・桜ヶ丘も文字そのままの光景だな!」

  街中には俊いわく、桜が咲き乱れていた。花びらが時折舞う。

  勇士朗は歩きながら澪を想う。

  勇士朗 (秋山さんも見てるのかな?この光景・・・。)

  一方、澪達は律、紬、梓の4人で登校していた。校門近くで澪が立ち止まり、校内の桜に思いを馳せる。無論、去年の学園祭の日にここであったことを思い出していたのだ。

  澪 (ここで去年、あの災害があったんだよな・・・嘘みたいに桜が綺麗だな。)

  律 「どうしたんだ?急に立ち止まって?」

  澪 「え?あ、ああ。ちょっとな。」

  紬 「ひょっとして去年のコトを思い出してしまってたの?」

  澪 「え?!ああ、まあな。あの日のことが嘘のように桜が綺麗に咲いてたから。」

  梓 「今思えば、こっちの方で俊さん達が声かけて誘導してくれたんですよね・・・。」

  律 「そーだなー。あいつらがこっちの方へこーいって言ってくれたんだっけ。」    

  あの日の勇気ある勇士朗達の行動を改めて4人は桜を見ながら思い返した。

  澪 「・・・でも、心に傷を負ってしまっているコ達はまだたくさんいるんだよな。」

  梓 「本当なら今日から3年生、2年生になるはずだった人達もいたんですからね。」

  紬 「そう想うと・・・なんだかいたたまれなくなってくるわ。哀しい・・・。」

  新学期早々シリアスな空気が彼女達を纏ってしまう。もちろんこういった空気は律が打破する。

  律 「ああもう!!なーに私らは新学期早々シリアスになってるんだか!!さー、部室行くぞー部室ー!今日から気持ちを新たにするぞ!!」

  澪 「そうだな。前に進まなきゃな!」

  そして4人は再び歩み出し、音楽室へ向かうのだった。

  そんな彼女達を見つめる一人の桜高生徒。その視線は妬ましそうな視線であった。




  音楽室の階段を上る4人。音楽室から何やらギターの音が聞こえてきた。

  梓 「ギターの音・・・唯先輩?!こんな早く来てたんですか?!」

  律 「みたいだなー。新学期早々、雨でも降るってかぁ?」

  澪 「ホント、唯にしては珍しいな。いつもは遅刻ギリギリなのにな。」

  音楽室のドアを開く。すると唯が腕を回しながらギー太を弾いていた。

  梓 「唯先輩、こんな早くから朝練ですか?」

  律 「めずらしーなー、なんかあったのかー?」

  唯はギー太の演奏を止めて嬉しそうに返事する。

  唯 「みんなー!おっはよう!新歓ライヴに向けて練習してたんだー。今やってたの必殺技!名づけてピック・ハリケーン!!」

  澪 「必殺技・・・って・・・。」

  律 「すっかり火鳥クンに影響されてきたな・・・必殺技か〜・・・私も何か考えよっかな。」

  紬 「せっかくだから皆で朝練していきましょう!まだ時間もあるしー。」

  梓 「いいですね!やっていきましょうよ!」

  澪 「そうだな。新歓ライヴは今日だからな。」

  律 「よーっし!!みんな、練習しようぜー!!」

  それぞれの楽器をもってポジションに就く唯、澪、梓。そして紬と律がキーボードとドラムに就いた。朝一、新学期初めの軽音部の活動がスタートした。

  澪 「OK!」

  梓 「よしと・・・何の曲からいきます?」

  唯 「うーんとねー・・・やっぱり朝は勢いが大事だから、『カレー』!!」

  紬 「じゃあ、『カレー』でいきましょう!」

  律 「満場一致ってか!!それじゃー、『カレー』いくぞー!!1、2、3、4!!」

  ♪ 「カレーのちライス」

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                        ・
                        ・

  その後新しいクラス分けの表を生徒達が集まって見ている所へと澪達は足を運んだ。表には澪達4人の名前が同じクラスに表記されていた。

  澪 「よかったぁ〜・・・皆と一緒だ〜・・・。」

  泪を流して喜ぶ澪。律がなだめる。

  律 「泣くなよ・・・でもよかったな〜澪!皆と一緒で!!去年の二の舞にはならなくてよかったじゃん!!」  

  紬 「ホントね!最後の年にみんなと一緒になれてよかったぁ!」

  唯 「やったね!!最後の年だからみんな思い出いっぱい作ろうね!!」

  律 「ああ。まぁ、正式には始業式の時間に新しいクラスで集まるからな!それじゃ、気分がすっきりした所で行くとしますか!」

  メンバーは一旦別れ、澪は一人一組に戻った。そして新クラスの結果を同じクラスの和と話した。

  澪 「ねぇ、和。和は何処のクラスだった?私は軽音部のみんなと同じ3年2組だった!!」

  和 「私もさっき見てきたわ。実は私も2組よ!」

  澪 「そうなの?!やったぁ!!和も一緒なんだ!!」

  和 「唯達もいるとなると色々と騒がしい日々になりそうね。」

  澪 「あははは、確かに!」

  和 「澪、大分明るくなったわね。まだあれから半年も過ぎてないのに・・・やっぱり軽音部のみんなはポジティブなのね・・・羨ましい。」

  澪 「え?あ、ああ・・・ごめん・・・和。」

  和 「別に謝ることないって、澪!やっぱり、沈んでしまってるものを浮かばせるのは音楽の力が必要なんだと思うの。私はあなた達が筆頭になってこの学校に元気を取り戻していくべきだと思う。」

  澪 「和・・・。」

  和 「だから、例年以上に今日の新歓ライヴがんばって!!きっとその時だけでも沈んでいるコ達の明るさを取り戻せるかもしれないからさ!!」

  澪 「そうだな・・・気合入れてがんばるよ!!」  

  先ほどの女子生徒が後ろの方で澪と和にまたしても妬ましそうな視線を送っていた。

  澪がふと視線を感じて振り向いた。だが、同時に女子生徒は視線を逸らした。

  和 「どうしたの?」

  澪 「え!?あ、なんでもない。ちょっと視線感じただけ・・・。」

  和 「視線・・・・(ああ、笠木さんか)?」

  笠木という名字の少女はその後も澪に視線を送り続けていた。

  笠木 (・・・私は・・・大切な親友を失ったのよ・・・他にもたくさんのコが目の前で捕食されたのよ・・・なんで然も何事もなかったかのように楽しそうにしていられるの?!!軽音部の人達は?!!)


  校内や近隣の地区にも桜の花が咲き、正に桜ヶ丘というに相応しい。