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新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第18話

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  第18話 「少年とロボット」


  日和のよい土曜の昼下がり時。白昼堂々と立川の街の一角で轟音が鳴り響く。

    ゴォオオオオオオオンッッッ!!!

  M.P.D.BRAVEが戦闘状態に入っていた。だが、攻撃対象はデストリアンではなかった。

  戦闘型ロボット、ブロッケン。

  ジェイデッカーやレイバーズ、マイトガインという超AI搭載型のロボットの開発成功に便乗し、他の企業が超AIもどきのシステムの開発に乗り出ていた。

  だが、結果は失敗に終わる事が少なくなく、起動中にエラーを発生させて停止するものがほとんどであった。

  しかし、今回のケースはそれを通り越して暴走に至った。

  桜ヶ丘に開発実験上を構える大手重機開発企業・丸沢重工が、新開発したブロッケンの起動実験を敢行していたところ、システムがオーバーロードして暴走。狂った戦闘マシンと化して街に出てしまったのだ。

  ブロッケンが、路上の車両を踏み潰してビルを殴り砕く。この時点で不幸にもその場に居合わせた一般人が犠牲になっていく。

  その行為はデストリアンさながらだった。

  ガンレイバーが、ガンリボルバーを構えて応戦を開始する。

  ガンレイバー 『このヤロウ!!止まれってんだよ!!』

    ガァン!!ガァン!!ガァンッ!!

    ドカン、ダカン、ダキャアアンッ!!

  ガンリボルバーの弾丸が表面で爆発しながらブロッケンのボディーに着弾する。

  だが、動きは止まらない。

  ガンレイバー 『しぶといヤロウだ!!チクショー!!』

  ブロッケンの側面上からショットレイバーがショットガンで射撃する。

  ショットレイバー 『任せろ!!』

    ヴァスゥゥンッ!! ジャキ・・・ヴァスゥゥンッ!!

    ヴォダギャアッ、ヴァギャガァッ!!

  着弾時に爆煙が上がり、若干ブロッケンがふらつく。

  その隙にブロッケンの頭部に照準を絞るガンレイバー。

  ガンレイバー 『コイツは新開発の弾丸だ!!くらえ!!』

    ガァンッ、ガァンッ!!

    ドゴォン、ドガォンッ・・・・・・ヴォバギャンッ!!

  着弾し、ブロッケンの頭部にめり込んだ弾丸が爆発。頭部から煙を上げてブロッケンが道路に倒れこんだ。メインのCPU(コンピューター)が破壊され機能を停止したのだ。

    ズウウウン・・・・

  ガンレイバー 『ふう・・・・手間とらせやがって・・・・ある意味デストリアンより性質(タチ)が悪いぜ!!』

  ショットレイバー 『だが、我々も一歩間違えればこうなっていたのかもな・・・。』

  ガンレイバー 『ああ。俺たちは運が良かった・・・・それだけだ。』

  更に他の地点でも、もう2機のブロッケンが暴走していた。ジェイデッカーがJバスターを装備して急行する。停車したJバギー内から要がジェイデッカーに通信する。

  ジェイデッカー 『ロボットの暴走が人々の営みを傷つけるとは・・・!!』

  要 「ジェイデッカー!!丸沢重工から既にブロッケンの破壊の要望が出ている!!容赦なく破壊して構わない!!!」

  ジェイデッカー 『了解っ!!!』

    ギュゴォオオオオオオッッ!!!

  街を破壊する2機のブロッケン。唸る拳がビルを砕く。

    ゴォオオオオッ・・・ズドォガァアアアアアアアンッ!!!

    バギャドオオオオオッッ!!!

  逃げ惑う人々。この光景を駆けつけた丸沢重工の社長が見続ける。いやそれしか出来なかった。

  丸沢重工社長 「まさか、わが社が開発したブロッケンが暴走に至るとは・・・!!責任は全て私が取る!!今日は緊急会見の容易を頼む!!!どの道マスコミのいい餌だがな・・・!!!」

  秘書 「社長・・・わかりました・・・。」

  この事故の現実に辛酸を舐める丸沢重工の社長。その真上をジェイデッカーが駆け抜ける。

    ギュゴオオオオッ・・・!!!

  秘書 「あ?!」

  丸沢重工社長 「警視庁のジェイデッカー・・・!!!」

  丸沢重工社長が夢に、目標に見ていた心あるロボットが上空を駆け抜ける。皮肉にもその夢の暴走を食い止めるために。

  射程圏内に入ったジェイデッカーはJバスターを構える。吉崎が遠隔操作でJバスターのセーフティー解除をする。

  吉崎 「Jバスター、アクティブッ!!」  

  ジェイデッカー 『了解っ!!ターゲット、ロック・オンッ!!』

  ジェイデッカー視点のモニターのロック・オンマーカーがブロッケンを捉える。

    ピーピーピーピピピピ・・・・ビィーッ!

    ディギィイイイインッ!!! ディギンッ、ディギンッ、ディギィイイイインッッ!!!

  百発百中で寸分の狂いも無く、ブロッケンを狙い撃つジェイデッカー。高速レールガンがブロッケンの装甲を破壊する。

    ディギャズウウウウウンッ!!! ズディガァッ、ディギャン、ズドォゴオオオオオオ!!!

  ジェイデッカー 『ターゲット、撃破っ!!目標の殲滅を確認!!』

  吉崎 「ジェイデッカー、ブロッケン2機を殲滅っ、任務完了しました。引き続き事後処理に移行します。」

  この戦闘を見ていた中学生の少年がいた。

  少年 「わぁぁ・・・・めちゃカッコイイじゃんッ!!スッゲー!!」

  レイバーズの活躍が少年にはものすごくカッコよく映ったようだ。

  少年は駆け足でレイバーズの許へと行くが、途中で警官に止められてしまう。

  警官 「君っ!!ここは危険だ!!今すぐ下がりなさい!!」

  少年 「ええ〜・・・ロボットが滅茶苦茶カッコよかったから見に来ただけなのにな〜。」

  警官 「だめだよ!さ、早く行きなさい!!」

  少年 「ちょっとくらい良いじゃん!!けちくせー。」

  警官 「ダメなものはダメ!!さあ、いったいったぁ!」

  少年と警官のやりとりをふと見るガンレイバー。なにやら少年がわーわー言っているようだ。

  ガンレイバーはズシン、ズシンと少年と警官のところへと赴く。

  ガンレイバー 『一体何があったんだ?』

  少年は見上げながら狂喜する。

  少年 「うっわー!!カッチョイイッ!!間近でみると更にスゲーゼ!!」

  警官 「この少年が下がれといっても言うコトを聞かなくて・・・。」

  ガンレイバーは少年に注意を促す。

  ガンレイバー 『君、だめだろ?言う事聞かなきゃよ?』

  少年は残念そうに応える。

  少年 「ちぇーっ。」

  そこへ、ジェイデッカー、ショットレイバーと共に要がやってきた。

  要 「どうしたんだ?ガンレイバー?」

  少年 「うおおおお!!!ジェイデッカーっ!!!」

  ガンレイバー 『あ、隊長!実はっすね・・・・。』

  事情を聞いた要は話のないように笑いながら納得した。

  要 「はははは!そういうことか!確かに解らなくもない。男の子なら誰だってそう思うだろ?」

  警官 「まぁ・・・そうですが・・・。」