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新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第18話

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  ジェイデッカー 『喜ばしい事でもあるな。だが、少年!やはり守るべき事は守るんだ。戦場はいつも危ない場所だ。市民が危ない目に会わないためにも我々が注意を促しているんだよ。』

  要 「もし、このジェイデッカー達と共に闘いたいなら、まずは警察官を目指すんだな!!」

  少年 (うお〜・・・このにーちゃんもカッコイイゼェ!!やっぱ、ロボットは熱いなぁ!!)




  少年は帰宅すると、その話ばかりを口にしてはしゃいでいた。

  少年 「それで凄くカッコイーんだよ!!ジェイデッカーとレイバーズが!!俺もいつか警察官になるぜっ!!」

  少年の父 「なら、もっと勉強しなきゃな。警察官になるのは大変だぞ。」

  少年 「じゃあ、俺、もっと勉強しなきゃなっ!!」

  律 「ただいまー・・・・聡、あんた何さっきから騒いでんの?」

  律が帰宅し居間に入ってきた。実はここは律の家で、少年は聡という律の5コ下の弟だった。

  聡 「ねーちゃん、実はさ・・・。」

  一部始終を聞かされたり津は、ついこの前のストーカー事件のことを話題に出した。

  律 「・・・それでな、その要って人が一瞬でバババッてそいつを取り押さえちゃったわけ!ちなみにその要って言う警察のお兄さん、私の部活の顧問の先生と付き合ってる(←実際はその手前)みたいだぜ!」

  それを聞いた聡は、更にはしゃいだ。

  聡 「マジで?!ねーちゃんすっげーな!!あの警察のにーちゃんと知り合いなんだな?!!」

  律 「別に私が凄いわけじゃないんだけどナ・・・うちの部活の顧問の彼氏だから。」

  律はいっそのことファイバードやマイトガイン、エクスカイザーとも繋がりがある事を喋ろうと思ったが、さらにやかましくなると思ってあえて言うのやめた。




  翌日、律はいつもの放課後を過ごしながらその話題を出してティータイムに勤しむ。

  律 「・・・・・って言うわけ・・・ズ・・・・・にがっ!」

  ズッとロイヤルティーを飲む律。苦めだったようだ。

  さわ子はミルクティーを飲みながら答える。

  さわ子 「なるほどね・・・やっぱり男の子はそういうのが好だからねぇ。」

  律 「まー、女の私もそういうの結構好きなほうなんだけどねー・・・・で、それからというもの『俺は警察になってジェイデッカー達と一緒に闘うんだー!!』ってうるさくてうるさくて。」

  さわ子 「くすくす。カワイイ元気な弟さんでいいじゃないの。」     

  律 「家でドラムの練習してると、逆にうるさいとか言われるけどね。ところでさ、さわちゃんは要さんとどんな感じなの?」

  さわ子 「な、何を突然?!」

  唯 「気になる〜。」

  紬 「私、スゴク知りたいです!」

  唯と紬が興味津々になってズイっと近寄る。梓も知りたい目線をさわ子に浴びせている。

  さわ子 「う・・・・。」

  澪も便乗するように拍車をかける。

  澪 「あ・・・・私も気になるな・・・。」

  メンバーに包囲網をしかれるさわ子。もはや答えるしかない。

  さわ子 「・・・・まぁ、いい感じかな?また今度デートするんだけど・・・・まだ付き合う前の段階のデートなのよ・・・。」

  律 「なーんだ、まだ付き合ってなかったんだ?」

  澪 「私はもう付き合っているかと思った!」

  さわ子 「物事には順序ってものが必要よ?あせりは禁物!」

  澪 「でも、私はあの人先生にはぴったりだと思う。警察官ていうこともあってなんかいい感じの人だったし・・・。」

  梓 「先輩達はその人のことを知っているんですか?」

  梓の問いにこの前のストーカー事件の話題が浮かぶ。

  澪 「この前、私がストーカーに狙われていたところを勇士朗君と一緒に助けてもらったんだ。」

  律 「カッコよかったんだぜー?一瞬でストーカー野郎をシュバッて取り押さえたんだ。」

  梓 「そんなことがあったんですか!でもストーカーって・・・・なんか恐いです。」

  澪もその時の記憶が甦るが、今はストーカーの恐怖感よりも勇士朗の勇敢さの方が印象が勝っていた。

  さわ子がそれに関して、要から聞いた取調べの後日談を話す。

  さわ子 「要さんから聞いた話なんだけど、そのストーカーはずっと澪ちゃんの事を好きだったみたいで、気づいたらストーカーになっていたらしいのよ。」

  梓 「よく聞く典型的なストーカーですね。」

  その話の中、紬が新しいケーキをみんなに配る。

  紬 「はい、みなさんどうぞ。」

  唯 「わーい。ケーキ♪ケーキ♪」

  唯は話よりもケーキに夢中のようだ。

  さわ子 「まぁ〜・・・・・おいしそうっ!しあわせー・・・。」

  律 「で?話途中だぜ〜?」

  ケーキを食べながら続きを話し出すさわ子。

  さわ子 「それでね、好きになるに連れて『あのコは俺の姫』っていう思考回路になっていって、自分の頭の中で物凄く独占して思っていったんだって。だけど、接点もないし、歳も歳で結局報われないと思いつめた結果、『手に入らないならいっそ襲って心中しよう』って考えて襲うタイミングを見計らおうとしていた・・・・それで事件に至ったってわけなのよ。」

  紬 「まぁ・・・怖いわ。」

  律 「こわー・・・。」

  それを聞いてしまった澪は改めて恐怖を覚え、目を白くして震えてしまう。

  澪 「・・・・・・。」

  そのとき、梓が切り出す。

  梓 「でも、ポジティブに言い換えれば、それだけ澪先輩が魅力的な人に見えるんじゃないですか?」

  澪 「え?!そ、そうなのかな?」

  梓の言葉に恥ずかしげに戸惑う澪に梓がにこやかに答えた。

  梓 「そうですよ。そういう点はもっと自信持ってもいいと思いますよ?」

  律 「梓、何ゴマ擂ってるんだ〜?」

  律が割り込むように梓に口を挟む。梓は否定しながら自分の意見を言う。
 
  梓 「別にゴマ擂ってる訳じゃないですよ!私が素直に感じてる事言っただけです!!」

  律 「澪からは何もでないぜ〜?」

  梓 「ぷぅー!」

  澪 「さ・・・気を取り直して、そろそろ新曲の練習するぞ!」

  梓 「はい!やりましょう!!」

  律 「うへーい・・・。」




  その日の帰り道。澪と律、梓で帰路を歩く。

  歩を進めながら律が寄り道を提案する。

  律 「そういえばさ、もうすぐ修学旅行じゃん?ちょっと寄り道してさ、服買ってかない?」

  澪 「急に何を言い出すと思えば・・・今度の土曜日にすればいいだろう?」

  律 「いーじゃんかー、たまにの寄り道くらい。」

  梓 「私も・・・ちょっとだけ寄り道したいです。」

  珍しく律と意見が合致する梓。梓がそう言い出したためか澪も寄り道することにした。

  澪 「そうか?まぁ、たまにならいいか。」

  街へと赴く澪と律。街の路上で偶然にもゲーセン帰りの聡を見かける。

  澪 「ん?律、あれ聡じゃないか?」

  律 「あ!ホントだ。」