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百合ヒバツナで2作詰め合わせ

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スカートひらり






その日は風の強い日だった。


雲雀は風のある日は嫌いではない。

風のある日に恋人。いや、今は夫婦なので妻と言えばいいのだろうか。彼女と外で歩いたりするとほわほわした髪が風で舞い上がりふわりと揺れる。すぐ側にいれば風で彼女の使っているシャンプーやボディソープの残り香と彼女自身が発する香しい香りが絶妙にブレンドされたようないいかおりがする。
些細な事だがいい香りをさせふわふわ髪を揺らす彼女の姿がとても好きだ。
雲雀が応接室からじっと外を見つめる先には校門から校舎に続く道を歩く可愛い人の姿。
今日は雲雀が早朝から用事があったために別々に登校したのだ。
いつもなら一緒に登校しているが今日は別々。
だから応接室からそんな彼女の姿を見つめる。
風が舞う。
ふわりと舞い上がる。
ひらひらひらん
ふわふわふわん
ゆらゆらゆれるふわふわの髪。
本人は風の強い日はせっかく整えてもくせっ毛が爆発してキライと言っていたが雲雀は好きだ。
雲雀が応接室の窓から溺愛する妻を今日もやっぱり可愛いと思いながら眺めていたら当の本人が応接室から眺めている雲雀に気付いてぱああっと顔を明るくする。
毎日朝晩顔を合わせているのにツナは雲雀を見たらいつもとても嬉しそう。出会った時にはこんな関係になれるとは思っていなかったので雲雀は今とても幸せで充実していた。
愛する人に愛されている。
道を歩きながら雲雀に向かって手を振る妻を見つめ雲雀は手を振り返すべきか暫し悩んだ。
雲雀の可愛い子があんなに嬉しそうなのだ。手を振り返したらもっと嬉しそうにしてくれるかもしれない。
雲雀はそう思って手を振り返そうとしたその時。


ふわわあっ


風が吹いた。

突風。

とても強い風が下から押し上げるように舞い上がり、そして‥‥



雲雀の可愛い妻である少女のスカートをばさりと捲った。



それはもう盛大に。

淡いブルーかかった白い下着の色や繊細なレースの柄まで雲雀はばっちり目撃した。
今は丁度登校ラッシュ中。
まわりには男子生徒が多数。
そいつらは雲雀の妻のスカートの中身を目撃して鼻の下を伸ばしている。
当の妻はと言うと「やだ」とか言いながらスカートの裾を手で押さえるという可愛いらしくもそそられる事この上ない仕草。
そしてそれを見た男共がまた鼻の下を伸ばしているのを認めて雲雀はぷつりと切れた。