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はろ☆どき
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novelistID. 27279
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桜舞う、夢に舞う

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桜の木の下には――いったい何が埋まってるんだろう・・・





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「大きな桜の木って神秘的でなんか棲んでそうだよな」
「錬金術師らしからぬ発言だな。だが神秘的なのは同感だ。・・・桜の木の下には死体が埋まっているという説もあるらしいけどね」
桜の大木の下でロイとそんな話をしたのは花の盛りの頃だったろうか。

「屍の血肉を吸い上げてあんなに綺麗な色に咲かせるのだとしたら・・・何か浄化されているような気がするな」
そう言ってロイは桜の木を見上げたが、その目はもっと遠くを見ているように見えた。
昔戦地で奪ってしまった人達のことを考えていたのかもしれない。魂が浄化されて綺麗なものになっていればいいと、そんな風に考えていたのかもしれない。

だとしたら。
もしも自分が桜の木の下に埋もれたなら、血肉だけでなく心の内のもて余すほど強い想いや呟くこともできなかった言葉も吸い込んで花びらにしてくれないだろうか。
どろどろと渦巻く混沌としたものを綺麗なもの変えて舞い散らせてくれないだろうか。
そうして見上げる彼の目に映って一瞬を焼き付けてくれないだろうか。


二人で桜を眺めたのはそれが最後だった。


作品名:桜舞う、夢に舞う 作家名:はろ☆どき