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ケント@特ルリ
ケント@特ルリ
novelistID. 37469
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特にオチのないルリカゼお嬢様短編0

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俺達は改心し、ドレーンの為に…皆の為に尽力し、いつしか俺の扱いは名家の有名の子息になっていた。

…月日は、流れた。
3回目の、ある春の話だ。
ある知らせが、俺たちに入ってきた。
曰く、ケントが探検家をやめたと。
自分の活動が何もかも空周りで、これ以上活動することには限界を感じたと。
……そして、恋人とも別れたと。
……俺たちの知らない所で、奴がくじけかけている、と言う事を。
……そうなったら、ルリカゼの取る行動は…唯、一つ。
…おや、恥ずかしがるなよルリカゼ…話してやりな、お前の一世一代の告白を。
俺は、どっかいっているからさ。


「……ケント、さん」
キノガッサが呼び出されたのは、かつてと同じ…「あかつきのたに」。
「…残念、でしたね……その、この世界の事は」
………いえ、お気遣いありがとうございます。
そう言う彼に向かって、その陰に、その悲しそうな目に向かって……救いになれば、とだけ考え、その一言を放つ。
「……その…ケントさん…私、提案があるんです」
「……?な、なんですか?」
「……ドレーン家に、来ませんか?」
「………!」
ドレーン家は、この世界の隣…「アースバインド」と云う、2つの大陸がある世界にあるという事。
アースバインドには未開の地も多く、さらにドレーン家はかつて栄えた古代文明の跡に建っておりここで出来る冒険や探検は向こうでも出来ること。
ドレーン家とは、かつて軍事で栄え、今ではジュエルの専売によって莫大な利益を挙げているということ。
……そして……
「……もし、よろしければ……恋人、すらも……わ、私、が……」
「……えっ……?!」
「ケントさんっ!」
もう、後戻りはしない。私の言いたい事を、私の思う侭に。
ポケ生で、最初で最後の、私の我が侭。
「…わ、私っ…ケ、ケントさんが、どうしても好きなんです!恋人さんと別れたと聞いて、その…嬉しいと想ってしまったほど!こんな卑怯者でも!」

微笑むヤナッキーの横で、彼女に代わり…金色と水色のキノガッサが、語りだす。
「……そうして、物語が、始まりました。
名家「ドレーン家」…ドレディア、マリルリ、ブーバーン、サザンドラ、ヤナッキー、そして様々な使用人達……勿論、お客様も。
……その中に、1匹のキノガッサが、加わったことにより。
茸の婿入りにより。
物語は、始まる。
そうですね…もし、本にしたら、タイトルは…こう、でしょう。
「特にオチのない ルリカゼお嬢様短編」
……僕が最も愛する、ヤナッキーのお嬢様の名前を冠した、短編に…ね。」

                                  了