衝動SSまとめ③(コナン)
※快新
2012/4/10更新
快新小説の一部になります。
二人とも子供です。
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小さい頃に出会った。
忙しい両親はいつも家に居ない。
家に居ても誰も居ない家は孤独を感じるだけだった。
だから、近くの公園に行くのが習慣になっていた。
毎日のように一人で公園で遊ぶ。
それでも家に居るよりかはマシだった。
ここには色んな音が溢れてる。
風の音、鳥の声、人の声。
それが孤独を遠ざける。
一人じゃないんだと感じさせてくれる。
でも、夕方になり見かける親子連れは寂しいという感情を沸き起こす。
夕飯の話なのか、学校の話なのか、楽しそうに話す姿は憧れの塊。
見たってしょうがないのに目が離せない。
「なぁーに見てんだ?」
初めてかけられた言葉だった。
俺は自分に対してだということに気づくのに時間がかかった。
そのせいで蹴られたぐらいなのだから。
「お前暇なのか?」
「・・・うん。」
「じゃあ遊ぼうぜ。」
「・・・うん!!!!」
初めての友達との出会い。
「俺は新一。」
「僕は快斗。」
それからの日々はあっという間に過ぎていった。
周りの音を気にすることはなくなった。
羨ましいと親子連れを見つめることもなくなった。
その代わりに、新一が来るのをワクワクしながら待った。
今日は何して遊ぼうかなんて考えるのが楽しかった。
新一とのおしゃべりが凄く楽しかった。
ずっとずっと一緒に居たいと思った。
「なぁ快斗、」
「なぁに新一?」
「俺さ、・・・何でもない。」
「どうしたの新一?」
「お前ってさ俺に似てるよな。」
「僕もそう思った!!!!」
「俺達が並ぶと兄弟みたいだな。」
そう言って俺の肩を抱き、地面にうつる影を見る。
顔は影にはうつらないけれど、背格好もそっくりだった。
それがすごく嬉しいと感じた。
兄弟ならばずっと一緒に居られる気がしたから。
「快斗、俺お前が大好きだ!!!」
新一の言葉が嬉しくて嬉しくて、俺と俺の影は新一に抱きついた。
「僕も新一が大好きだよっ!!!!」
「快斗、ずっと一緒に居ような。」
「うん。僕、新一とずっと居る。」
その次の日から、
新一は公園に姿を現さなくなった。
作品名:衝動SSまとめ③(コナン) 作家名:おこた