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ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第12部 「完」

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――――ここは?




俺は、ゆっくりと目を開けた。

それは、突然の出来事だった。

何気ない日常を過ごしていた俺の目の前に、まばゆい光が放たれた。
気付いた時には、俺は見知らぬ森の中に立っていた。

太陽の光は一切入ってこなく、空気が悪く、陰気臭い。


「…なんだ…一体なにが起こっていやがるっ!!!!ここはどこだっ!!!!」










−さて…ここは一体どこなのだろうな−







「っ!!」


アンクは後ろから聞こえてきた声の方向へと振り向いた。
そこには、銀色の髪をした一人の女性が立っていた。
アンクにはこの女性に見覚えがあった…。


「お前…どうしてここに!」

「久しぶりだな…鳥の王」


その女性…リィンフォースはゆっくりとアンクに近づいた。


「どういうことだ!説明しろ!!」


アンクは完全に混乱していた。
消滅したはずのリィンフォースが自分の目の前に立っていること。
それ以前になぜ自分がここにいるのか。
そして…現在、一体なにが起こっているのか。


「落ち着くんだ…鳥の王。まず、今起こっていることを話そう」

「落ち着いていられるかよっ!!…たくっ!!」

「私たちは、『この物語が始まる時』へと戻っている」

「っ!!!!…お、おい…まて…どういう意味だ!!?全く話しに着いていけねぇ!!!!」



誰だってそう思うだろう。
目の前の女性の言葉を要約すると、自分たちは過去へと戻っているということになる。

…たしかに、以前『デンライナー』というタイムマシンのような物に乗って過去に行ったことはあったが、今回のケースは全く別だ。
あまりにも、突然すぎる…いや、なんでこのような事が起こったのか、
考えているうちにだいたい予想はついた…!!


「…はんっ…そうだ、お前が存在しているんだ…こんなことが出来るのはよぉ…全部お前が仕組んだことだなっ!!!!夜天の書の意志ぃッ!!!!」


アンクは身を乗り出し、リィンフォースの胸ぐらをおもいきり掴んだ!
しかし、リィンフォースは全く動揺しなかった。


「そうだ…この物語は、『夜天の魔導書を中心に進行し、そしてまた最初へと戻されている』…気づかなかったのか?鳥の王、お前がこの場所へとやって来たのは、今回が始めてではない」

「ッ!!…なんだと!?」

「よく考えてみろ…お前は物語の途中で、自分の身に起こる出来事を何度か予知していた筈だ、思い出してみろ」

「…くそッ!!……」


アンクは胸ぐらを離し、近くにあった木をおもいきり殴った。

リィンフォースの言うとおりだった。
よく考えれば、以前、フェイト達と遊園地に行った帰りの出来事の時、自分は頭の中に一瞬その後の映像が浮かんだ…それだけじゃない、思い出せば思い出すほど不可解な出来事が幾度かあった。


頭に浮かんだ映像の謎…そして…繰り返されていた時間…
これで辻褄があった。


「…お前…俺がここに来るのは…一体何度目だ?」

「もう…40回目だな」

「40回…か…」


自分は、同じ時間を40回も繰り返していた。
予知できたのは、何度も同じ場面と対面していたからだ。
あんな辛い出来事を…40回も…。


「…まだ聞いていなかったな…なぜ、こんな事をする…」

「………」

「…いや、聞かなくても大体わかってるんだ…『あいつ』の為、だろ?」





「……そうだ…」





リィンフォースの重い口が開かれた。
アンクは軽いため息をし、近くにあった切り株に腰を下ろした。




「本当なら…このような事は許されるわけがない…、だが…私はどうしても欲望の王を救いたかった…!!だが、何度もこの物語の時間を繰り返しても、欲望の王と我が主の幸せな未来にたどり着くことはなかった…」

「つまり…だ、お前は映司の奴が生存する未来を見つけたくて、何度もこの世界の時間を繰り返していた…そういうことだなぁ?」

「あぁ、…道は…一つではない…」

「はんッ!!たしかに、選択肢ってのは一つじゃないからなぁ…大事な場面で決断を変えれば、未来なんてガラリと変わっちまう…」




−ディケイドの奴…最初から全部知っていやがったな…あの野郎ぉ…−




「今度こそは、成功すると思っていた…だが、結局結末は変わらなかった。欲望の王は『歴史の修正力』によって消滅してしまった…なぜだ…」


リィンフォースは力が抜けたようにその場に座り込んだ。
その瞳から、一筋の涙が流れた。


「いくら繰り返しても…結末が変わらない…何故だ…一体何が悪いというのだ…何故、我が主と欲望の王が一緒に暮らせる幸せな未来が作れないのだ…く…う…」














「お前は、何も悪くない」


















「ッ!!」


リィンフォースが顔を上げると、そこにはアンクが立っていた。
アンクには先ほどの怒りはいつの間にか消えていた。


「未来が変わらない…当たり前だ。…映司には『欲望』がないからなぁ」

「欲望…だと?」

「あぁ、さっきも言っただろ…あいつには欲望がない…つまり、あいつには『選択肢が常に一つしかない』…一つしかないなら、物語は派生しない…あいつがこの事に気づかない限り、この物語は終わらない」


「鳥の王…」


「まだ諦めるのは早い…現に俺が薄々感づいていたんだ…間違いなく俺だけじゃなく、他の奴らも感づき始めている筈だ」


そう、自分よりヴォルケンリッター、それに はやて もこの事に何らかの干渉が起きているに違いない。

…繰り返した時間は、無意味ではない筈だ。


「映司を助けたい…それがお前の欲望だろ?…だったら叶えてみろ!!お前の欲望!!」

「ッ!!!!」









−おーい、誰かぁ!いませんかぁ~!?助けてくださぁ~い!!−






突然、すぐ近くから大きな声が聞こえてきた。
この間抜けな声…間違いない!!


「映司ッ!!…そうか、今俺たちが過去にいるなら…あいつが存在しているってことか!」

「お、おい…鳥のお…」

「映司ぃ!!おいどこだ映司ぃ!!」


アンクはリィンフォースの言葉も聞かず、声の聞こえた方角へと走っていった。
すると、目の前に懐かしい姿がさまよいながら歩いている姿が見えてきた。


「ッ!!映司!映司ぃ!!」


アンクは息を切らしながら映司のすぐ近くに立った。
…だが、映司の様子がおかしかった。


「おい映司!!…映司?」

「お前がいなくなってから、毎日が寂しいよ、アンク…」

「あぁ?」

「いままでお前を復活させるため、いろいろな国を旅してきたけど何一つ手がかりがなかったよ…」

「何言ってるんだ!目の前にいるだろうがッ!!」




「…無駄だ、鳥の王」

「…なに?」


いつの間にか、アンクの後ろにリィンフォースが立っていた。


「我らは意思だけの存在なんだ…実際には存在していない…」

「…なんだと…!?」

「いくら近くで叫んだとしても、目の前に立っている欲望の王には一切聞こえないだろう…」


すると、突然アンクの身体が透明になっていった。