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ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第12部 「完」

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ミッドチルダのとある市街地の路地裏
そこにポツンとひとつのおでん屋台があった。
そこには、二人の男性が座っていた。


「ザフィーラさん…」

「どうした、火野?」

「俺って、このミッドチルダに来る前に…ザフィーラさん達と出会ったことってありましたっけ?」

「…ふむ、…地球には何度か任務で出たことはあったが、…火野には会ったことはないな」

「そう…ですよね」






なんだろう…この腐に落ちない感じ…。
一日一日が、初めての体験ばかりの筈なのに…初めてじゃない感じがする。

考えすぎなのかな?












………




「はぁ…」


映司は特に用事は無かったが、機動六課の隊舎の中をグルグルと歩きまわっていた。
口からはため息ばかりが出て、なにかしようと思っても、何も思いつかない。

そんな時、一人の女の子の泣き声が遠くから聞こえてきた。


−ね?ちょっとだけだからお願い!!−

−嫌だ!い~や~だぁ~!!!!−


「この声…なのはちゃんと…ヴィヴィオちゃん?」



映司は声が聞こえた方向へと走っていった。
丁度、なのはとフェイトの自室の目の前で、ドア付近には必死に なのはにしがみついて泣いているヴィヴィオと、困った表情を浮かべた なのは の姿があった。


「どうかしたの?なのはちゃん」

「あ、映司くん!…今日、定期検診の日なんだけど、ヴィヴィオに病院行くって言ったら泣いちゃって…ね?ヴィヴィオ、なのはママなんともないから!大丈夫だよ?」

「なのはママ死んじゃうの!?ヴィヴィオ一人にしないでぇ!!!!うわぁぁぁぁぁん!!!!」

「ち、違うよヴィヴィオちゃん!!なのはちゃんはお医者さんのところに行ってお話するだけだよ!!」

「そうだよヴィヴィオ!ママはちゃんとヴィヴィオのところに帰ってくるから!帰りになにか買ってくるからね?」

「う…うぅぅ…ほんとう?ひぐっ…うえぇぇ…」

「大丈夫!ね?」


「う~ん…あ、そうだ!!」


映司はなにか思いついたように手を叩いた。
そして映司はヴィヴィオの目線までしゃがんだ。


「ヴィヴィオちゃん!今日は なのはちゃんが病院から帰ってくるまで俺と一緒に遊ぼう!!ね?」

「うぇ?…ぐすっ…」

「え!!?ちょっと映司くん!そこまでしてくれなくても…」

「大丈夫!今日は何もないから!ヴィヴィオちゃんの事は任せてよ!!」

「う、うん…」


なのは はヴィヴィオの目線までしゃがみ、軽く頭を撫でて上げた。


「良い?ヴィヴィオ。あまり映司さんに迷惑かけないようにしてもらってね!」

「ぐす…うん!映司さんと一緒なら…だいじょうぶ!」

「うん!帰りになにか買ってくるから良い子で待っててね!…えぇと…映司くん、悪いけどヴィヴィオの事頼みます!」

「うん!行ってらっしゃい!!」

「ママ、いってらっしゃい!!」


そのまま なのは はこちらに手を振りながら走っていった。
どうやらギリギリまでヴィヴィオと一緒にいたらしい。

とりあえず映司はヴィヴィオを抱っこして一緒に隊舎内を散歩することにした。
さすがに なのはとフェイトの部屋の中に入るのは抵抗があった。


「ヴィヴィオちゃん、何か飲みたいものはない?丁度自販機近くにあるし、なにか買ってあげるよ!」

「ぐ…ひぐ…」

「…ん?あれ…」

「ひぐっ…う…うぅぅ…」

「ど、どうしたの?ヴィヴィオちゃ…」







−うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!−






隊舎に、ヴィヴィオの鳴き声が響き渡った。
隊舎にいた職員は何事か、とそれぞれの部屋からこちらを覗いてきた。


「わぁぁ!!?どうしたのヴィヴィオちゃん!!!!」

「ママぁぁぁぁぁぁぁ!!!!うわぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」

「…ははっ、そうか、我慢していたんだね…偉いよ、ヴィヴィオちゃん」

「うぅっヒグっ…うわぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!」


映司はヴィヴィオをよしよしと頭を撫で、迷惑にならないように、機動六課の中庭に移動した。


「うぅぅ…ひぐ…」

「う~ん…何か泣き止む良い手段ないかなぁ…あ!」


映司はポケットからコアメダルを取り出し、それをヴィヴィオに見せてあげた。
ヴィヴィオはコアメダルを見た瞬間、興味心身になり、色々なコアメダルを手にとり不思議そうに眺め始めた。


「そこから好きなメダルを3枚選んで俺に頂戴!」

「3枚?…それじゃ、これと、…これと、これ!!」

「えっと…クワガタとカマキリ、バッタ!!ちょうどコンボだ!!」


ヴィヴィオをベンチに座らせ、映司はその目の前に立った。
腰にオーズドライバーをセットし、ヴィヴィオに選んで貰った3枚のコアメダルをそこにセットした。


「映司さん、なにするの?」

「…本当は駄目なんだけど…今日は特別!!」


そして、映司はオースキャナーを持ち、勢いよくベルトにスキャンした!


「変身っ!!」
『クワガタ!カマキリ!バッタ!
ガータ!ガタガタ!キリッバ!ガタキリバ!!』

「ハァッ!!」


なんと映司はヴィヴィオの目の前でオーズに変身した!
それをみたヴィヴィオは…


「ぷっ…あはは…ははははははっ!!ガタガタ!!あははははっ!!!!」

「よかったぁ~、やっと笑ってくれた!!」

「映司さん次これ!!また歌聞かせて!!」

「えっと…タカとトラ!タトバだ!!」

「たとば?」

「うんタトバ!!…よし、変身!!」
『タカ!トラ!バッタ!
タッ!トッ!バッ!タトバ!タッ!トッ!バッ!!』


「たとば!はははははははッ!!!!!!!!」

「よかった…はぁ…はぁ…結構受けたみたいだね…」

「次これ!!はやく!!」

「ははッ!うん…変身ッ!!」
『シャチ!ウナギ!タコ!
シャッシャッシャウッター!
シャッシャッシャウッター!!』





………

「さっきからなんか騒がしいわね…」

「どうしたの?ティア」

「なんか中庭から聞こえてこない?」

「そういえば…あ、映司さん!!それにヴィヴィオ!!」

「あ、ホントだ…て、ちょっと映司さん!!?」





「あはははははッ!!!!!!!!もっと増えて~!!」


『ガータ!ガタガタ!キリッバ!ガタキリバ!!』
「あ、はぁ…はぁ…ティアナちゃ…」
「いや、ごめんね!ちょっと…はぁ…疲れ…」
「どう?ヴィヴィオちゃん…はぁ…すごいでしょ?」
「スバルちゃん!はぁ…はぁ…これが…ガタキリバコン…はぁ…」
「騒がしちゃったかな?…はぁ…もう…はぁ…やめるから!!…はぁ…」


あれから、小一時間ほど映司はヴィヴィオにオーズのコンボソングを聴かせつづけていた。
ちょうどそこに通りかかったスバルとティアナの目に映ったのは、
ガタキリバコンボに変身してヴィヴィオの前で組体操をしている映司の姿だった…。




………

「ふぅ~…楽しかった?ヴィヴィオちゃん」

「うん!ありがとうございます!!」


すっかり泣き止んだヴィヴィオと映司は場所を休憩室へと移していた。
二人は自販機でジュースを買い、ベンチに座っていた。