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新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第22話

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  第22話 「奮闘の超AI勇者」


  勢いよく飛び立って行ったファイアージェット。澪達はその後姿を見守っていた。

  なびく風の中、光が現状情報を得る為にケータイの最新ニュースを見る。

  するとそこには「BLW殲滅の為に千葉駅周辺へ旋風寺勇者特急隊に出動を要請 警視庁」という見出しで流れていた。マイトガインの出撃に光の男心を刺激した。

  光はケータイを見せながらみんなにその情報をちらべた。

  光 「おお!!マイトガインも出撃するんだってよー!!千葉にも変なBLWっていう生物が出たんだってさー。」

  それに対して逸早く反応したのは彼らと所縁(ゆかり)のある紬だった。ずいっと光に迫る。

  紬 「え!?ちょっと見せて・・・!!」

  光 「うお?!う、うん、はい。」

  情報の詳細を読む紬。彼氏である舞人の活躍に目を見張らずにはいられなかった。

  紬の気持ちは、彼の活躍を楽しみにする気持ち、危険に立ち向かうという不安と心配という双方の気持ちが重なっていた。

  紬 「舞人君・・・・!!」

  律 「はー、ムギはいいーなー。夢中になれる彼氏がいて〜。」

  何気に発言する律に涼が驚きを隠せずにはいられなかった。

  涼 「ええ?!もしかして、彼女、旋風寺舞人の彼女さんなんですか??!」

  驚く涼に律がにししっと笑い、頭の後ろで手を組みながら応える。

  律 「にししー!そーなのだよっ、少年っ!!ムギの彼氏は旋風寺舞人!!ムギん家と旋風寺は昔から仲がいい大企業なんだっ!!」

  涼 「すっげぇーっ!!!」

  興奮する涼をよそに紬は光のケータイに夢中になる。その時、彼女の方のケータイが鳴り響いた。

    ♪・・・・

  紬 「あ!!もしかして・・・ケータイ、ありがとう!!」

  光 「おう!」

  紬は光にケータイを返しながら自分のケータイを見た。そこには舞人からのメールが届いていた。

  紬 「あああ!!舞人君からのメールだぁ!!」

  ケータイを開いて、真剣に目を輝かせながら返信するためポチポチと操作する。

  蓮 「噂をすれば直ぐにメールよこしてきたー!!」

  律 「二人は繋がってるってことさ。」

  唯 「らぶらぶだねー、ムギちゃん。ふわふわ時間じゃなくて、らぶらぶ時間だねー。」

  ほわわんとしたコメントを言い放つ唯に光が心の中でささやく。

  光 (俺も唯ちゃんと、らぶらぶしたい・・・。)

  紬の姿を見て、梓が澪に首を向けて喋りかける。

  梓 「でも、こういうのって素敵ですよね!澪先輩!」

  澪 「ああ、そうだな。ちょっと憧れちゃうよ。なんか歌詞が浮かびそうで浮かばないけどな。」

  語らう梓を気持ち横目に見る俊。話す仕草に見とれていた。

  俊 (・・・梓、やっぱカワイイ・・・。)

  周囲に色んな思いや捉えが流れる中、紬はケータイで舞人への返信メールを打ち続けた。

  紬 (舞人君・・・・!!)




  千葉県・千葉駅周辺の街。

  ここ一帯を舐めるようにBLW‐01の群れが徘徊していた。逃げ惑う人々を追いまわし、捕食していた。

  BLW‐01 「ククケケケケェッ!!」

  市民 「うおおおああああ・・・!!!」

    ガブシュンッッ・・・!!

  この地獄絵図と化した街の上空に舞人が駆るロコモライザーが到着する。

  舞人 「・・・・さぁ、現場に到達したっ!!これから・・・。」

    ♪・・・・

  舞人のケータイが鳴り響く。紬からの返信だった。舞人は早速取り出して、メールに目を通す。

  舞人 「紬さん・・・ありがとう、これほどまで心配してくれてっ・・・!!!」

  目を閉じて一人のセカイに浸ってしまう舞人。マイトガインが突っ込む。

  マイトガイン 『こんな状況で紬嬢モードになるなよ、舞人!』

  舞人 「・・・おっと!!すまない、すまない!!」

  舞人は気を改めて、マイトガインの超AIが映し出したフィールドサーチ機能で、周辺のBLWの状況を分析する。

  マイトガイン 『千葉駅周辺には17体のBLW‐01、BLW‐02、03が共に一体ずつ徘徊している状況だ。更にもう一体の新たな型のタイプが出現している・・・。』

  状況を踏まえて舞人が各機に指示を出す。

  舞人 「・・・各機に別れて戦闘する事となるが、いずれにせよ数が多いな。射撃戦に特化しているフレアダイバーがBLW‐02を、格闘戦に長けたストライクボンバーがBLW‐03を叩いてくれ!!俺とマイトガインで新な型のBLWを叩く!!雑魚は各機が手当たり次第駆逐していくぞ!!』

  フレアダイバー 『了解っ!!一暴れしてやるぜっ!!』

  ストライクボンバー 『ああ、早速急行だっ!!』

    ドォドォオオオオオオッ!!

  各機がダッシュしていく。ストライクボンバーはダッシュしながらBLW‐03を目指し、フレアダイバーはBLW‐02の近辺へ向かう。

  目標地点手前でトレーラー特急が変形を開始した。

  ストライクボンバー 『チェエエエンジッ・・・ストライクボンバーッ!!!』

  変形が完了した走るストライクボンバーは駆け出す。その行く手には、3体のBLW‐01が現れる。緑の溶解液を吐き出しながら攻撃してくる。

    ビュドォッ! ビュビュドォッ!!

  ストライクボンバー 『おっと!中らんぜ!!』

  軽快にかわして3体のBLW‐01に接近、攻撃に掛かる。

  ストライクボンバー 『でりゃあああっ!!』

    ドォグシャアアアアッ!!! ビュバチュウッ!!

  斜め上からとび蹴りを食らわして1体を蹴り潰した。ピンクの体液が飛び散る。そこから飛び上がり、真上から鉄槌を下すように垂直に2体目を蹴り潰す。

  ストライクボンバー 『てりゃぁっっ!!』

    シュドォッ・・・・ズブシャアアアアアンッ!! 

  3体目に振り向き、ストライクボンバーは瓦割のように鋼の右拳を殴りつけてBLW‐01の体を粉砕する。

  ストライクボンバー 『どぉりゃあああっっ!!!』

    ズドォグシャアアアアアンッ!!!

  ゆっくりと立ち上がるストライクボンバー。拳の表面からピンクの体液が滴る。

  ストライクボンバー 『まずは3体!!スピーディーにいくぜっっ!!』

  一方のフレアダイバー。着地するように降下したアームズ特急が、地上を走る。そして変形を開始する。

  フレアダイバー 『チェエエエンジッ・・・・・フレアダイバァアアアアッ!!!』

  変形したフレアダイバーが着地する。そこにはガサガサと5体のBLW‐01が徘徊していた。逃げ遅れた人々を口に含んでクチャクチャと捕食している。

  BLW‐01 「クケケケケケッ!!」

  そのおぞましい光景に、フレアダイバーの超AIの感情データにジェイデッカーのような怒りの感情を覚える。

  フレアダイバー 『貴様らっ・・・・絶対に駆逐するっっ!!!』