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新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第24話

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  第24話 「横浜SOS」


  夕暮れ時の横浜市。会社帰りの人々が今日も疲れを抱えて行き交う。だが、そんな街の中に激しい轟音が響いた。

    ズガゴオオオオオオオオオオオッ!!!!

  横浜の市街地の一箇所が突如崩落。地下から大型のデストリアンが姿を現す。

  D‐18 「キュギュゴオオオオッ!!!」

  巨木のようなウツボカズラ状の身体から前、左右から2本づつ触手が生え、先端は4本のカギ爪状の牙のようになっている。その内側にも牙の生えた口のような器官が確認できる。ウツボ状の部分からは目が無い蛇のような頭部が出ている。

  根っ子のような触手状の脚を動かして移動を始めた。

    ドォドォドォドォドオオオォォ・・・・
  
  気色の悪い動きで、横浜市内を進撃する。

  大勢の悲鳴が横浜の街に響く。触手が伸び、建造物を崩壊させていく。

    ギュヒュヒュヒュヒュルッ・・・・・ドォガゴゴゴゴオオオオオオオッ!!

  さらに触手の先端で人々を捕らえ、掃除機で物を吸い上げるように人々を呑み込んでいく。

    ギャチュゴッ

  市民 「ぎゃぐうぅごっ・・・・!!!」

    ギュチュルルルルルル・・・

  無残な光景が横浜の街に広がっていく中、街中にサイレンが響き渡る。横浜市の上空に隕石が迫っていた。

    ゴォオオオオォ・・・・ズガドォオオオオオオオオッッ!!!

  空中爆発する隕石から腐った抹茶のような色の個体が姿を現す。

    ズドォオオオオオオッッ!!!

  街の地表を砕いて着地した。その容姿は、頭部にはヒレ状の突起物が左右に分れ、目はゴーグル状で赤く光っており、口らしきものがない。筋肉質の厳つい身体に両肩から生えた巨大な角のようなニードルが目立つ。

  D‐18と同等の巨大さを誇るD‐19。巨体と怪力で破壊の限りをつくす。

  D‐19 「グォゴゴオオオオッ!!」

  もはや賑わいを見せていた街の姿は何処にもない。




  桜ヶ丘。いつも仲間達とたむろする高台の場所へ、澪達と一旦別れた勇士朗がやってくる。無論、デストリアンを察知したが故に。黄昏の上空へ向かって勇士朗が叫ぶ。

  勇士朗 「ファイアージェエエエエットッッ!!」

  黄昏の上空からファイアージェットが飛来し、山の斜面の上でホバリングしながら止まる。  

  キャノピーハッチが開き、勇士朗が乗り込む。各計器類を操作し、表示されたモニター画面を見つめる。全ての計器がオールグリーンを示す。

  勇士朗 「よし・・・ファイアージェット、テイク・オフ!!」

  レバーをガチガチッと押し込むと、バーニアから青白い炎を噴射して機体が加速、その場を勢い凄まじく飛び立っていく。

    ギュゴッッ!! ドォアアアアアアアアッ!!

  勇士朗 「今度は横浜か・・・!!」

  高速で過ぎ去る面前のモニターに映る景色。黄昏の空を勇士朗が鋭い眼差しで見つめる。

  レバーを更に押し込んでファイヤージェットを加速させる。  

    ガキキッ・・・!! ギュドォッッ!!




  一方、東京湾にある旋風寺フォートレス。勇者特急隊のパドックがある施設だ。出撃前に舞人は学校帰りに会いに来てくれた紬としばしの別れをかわす。

  舞人 「ごめんね。せっかく会いにきてくれたのにまた行かなければならなくなってしまった。」

  紬 「ううん・・・何度も言うけど気にしないわ。あなたが昔から成りたがっていた使命だもの・・・ヒーローっていう・・・。」

  舞人 「紬さん・・・そうだな。昔はそんなコト言っていたっけな・・・今じゃ本当のヒーローになっちゃったけどね!」

  紬はそっと舞人の肩に手を回した。ドキッとなる舞人。

  舞人 「つ、紬さん?!」

  紬 「私達、まだキスしてないよね?」

  舞人はドキドキしながらもなんとかクールに振舞う。

  舞人 「紬さん・・・結構大胆なんだね・・・いいよ。俺も出撃前に紬さんの想いが欲しい。」

  紬 「舞人君・・・ん・・・。」

  重なった唇。互いに在る想いを感じながらしばらく静止する。キスを解くと、舞人はささやくように言う。

  舞人 「・・・直ぐには帰れないかもしれないから、先に帰宅してていいよ。また明日学校があるんでしょ?」

  紬 「うん・・・わかった・・・先に帰ってる。じゃあ、無事に帰ってきて・・・。」

  舞人 「勿論さ・・・。」

  その後、現場へと急行する為、旋風寺の勇者特急隊の基地より舞人達が出撃する。

  舞人 「マイトガイン!!現場へ到達したら、目標との距離おおよそ500m地点で合体フォーメーションをとるぞ!!尚、今回ジェイデッカーは修理の為に出撃が出来ないそうだ。向こうのレイバーズ達じゃとても歯が立たない為、正規な駆逐任務は俺達に託された。」

  マイトガイン 『わかった!!だが、勿論彼らも来るんだろう?ファイバードとエクスカイザーが・・・・!!』

  舞人 「そうだな・・・彼らのことだ、きっと来るさ!!」

  ストライクボンバー 『さぁ、初のデストリアン戦、みなぎってくるぜ!!!』

  フレアダイバー 『一応データは拝見しましたが、BLWと比較すると手強いようですね。』

  後続するストライクボンバーとフレアダイバーもデストリアン戦が初だった。舞人は気合ある忠告
を促す。

  舞人 「そうか!!お前たちは初めてデストリアンと闘うんだな!!デストリアンは手強いぞ!!心して掛かるんだ!!」

  ストライクボンバー&フレアダイバー 『了解!!』

  ロコモライザー、ストライクボンバー、フレアダイバーが特急モードで出撃し、新横浜駅へと急行していった。

  その姿を紬が見送る。少し強めの風が紬の髪をなびかせる。    

  紬 「舞人君・・・・!」

  そこへ旋風寺のエージェントが紬の許へ訪れ、紬を送迎する為に車へ案内する。

  旋風寺エージェント 「旋風寺コンツェルンの者です。紬様、我々の方でご自宅へ送迎致します。どうぞこちらへ・・・。」

  紬 「すいません、ありがとうございます・・・。」

  紬は用意された車に乗り込む。車が走り出すと、流れる黄昏の景色に目を向ける。

  紬 「キレイな夕焼け・・・。」

  

  川沿いの土手で勇士朗を見送った澪、律、梓、光、俊が歩いている。向こう岸の街が夕焼けに溶け込み、きれいな景色をつくっている。

  梓 「今日の夕焼け・・・キレイですね・・・。」

  俊 「そうだなァ・・・・吹いてくる風もいいしな・・・。」

  光 「こうしている間に勇士朗は闘いに向かったんだよなー・・・。」

  ベースとカバンを提げながら澪が立ち止まって黄昏の空を見つめる。風に吹かれなびく髪が美しくも見える。    

  律 「澪?どうした?おいてくぞー。」

  律が呼び止めると澪がみんなに呼びかける。  

  澪 「なぁ、ちょっとだけ座っていかないか?」

  一同は土手にしゃがみ込んで一息つける。