衝動SSまとめ⑤(ZS)
※チョッパーとサンジ
2012/4/15更新
短編小説になる予定のものの一部です。
最終的にゾロサンになる予定のもの。
(まだ仕上げてないのです)
現段階では、ゾロサン要素無しです;;
背景は原作通りで、
サンジに不思議な力がある話。
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二人だけの秘密。
おれがこの船に乗って暫く経った頃に気づいたことだった。
おれはこの船の医者だから。
最初の頃、はりきって皆の体調ばっかり気にしてた。
何かあったらおれが絶対治すんだって。
そんなチャンスはすぐに来た。
おれの出番だっ!!って頑張った。
でも、皆はすごく頑丈で。
おれの知る人間よりもずっとずっと頑丈で驚いた。
痛くて痛くて動けないはずなのに、動き回るんだ。
休むことなくすぐに暴れるんだ。
おれはそんな皆の身体が心配で、診せろって言った。
診せてもらうとやっぱり怪我は怪我で治りきってない。
まだ絶対にすごく痛いはずなのに、
どうしてそんなに動けるんだ?ってずっと不思議に思ってた。
でも、理由なんか分からなかったから、
この船の皆はすっげぇんだ!!!!って結論を出した。
そう、そんなある日だった。
おれは海賊との戦いで怪我したんだ。
皆を治してあげなきゃいけないのに、怪我をして、
皆の怪我をろくに治療してあげられなくて悔しかった。
「チョッパー」
「・・サンジ、」
「なぁ、チョッパー。おれたちは海賊だ。
お前も一緒に戦ってくれた。仲間守るために、だろ?」
「・・うん。」
「なら、怪我は付き物だ。仕方ねぇ。」
「・・・でも、おれ・・」
「おれだって怪我するときはある。
そんな時は、飯の手伝いしてくれるだろ?」
「当然だっ!!」
「それと一緒だ。」
「・・・・ぁ・・」
「おれが消毒する。おれが包帯も巻く。
チョッパーほど上手くはねぇけどな。だからお前は指示をするんだ。」
「・・・・・サンジ・・」
「分かったか?」
「おうっ!!!!!」
「よし、じゃおまじないだ。」
そう言ってサンジはおれの怪我してるところに触れて、
おれの知ってるおまじないとはちょっと違うおまじない。
『痛ぇーのどっかいっちまーえっ』
ってやってくれたんだ。
そしたら吃驚するぐらい痛みがどっかいっちゃったんだ。
このときは嬉しくていっぱいだったけど。
後で考えたら、ありえないってことに気づいた。
精神的に痛みが和らぐことはあっても、
あれはおかしい程に痛みが消えてた。
それから注意深く見てると、怪我したとき、
皆は必ずサンジにおまじないしてもらってたんだ。
皆はサンジのおまじないは効くって喜んでた。
だけど、医者のおれは分かる。
あれは異常なんだ。
「・・・・・・・サンジ。」
「ん?どうした?」
「おまじない。」
「・・・・・・・・。」
「おかしいんだ。あんなに痛くなくなるなんてっ!!」
「・・・チョッパー、お前はさすがだな。
他の奴は気付かねぇぞ?馬鹿だからな。」
「・・・サンジ、」
「おれは魔法使いなんだ。」
「・・・・。」
すげぇだろ?って笑うサンジ。
確かに、どうして痛みがなくなるか分からない。
本当に魔法使いなのかもしれない。
でも、おれは凄いって喜べなかった。
だって・・・
怪我してないのに、
おまじないの後はいつだって・・
痛みに耐えてるのがおれには分かったから。
どうして痛みがなくなるか分からない。
でも、その痛みをサンジが引き受けてるって分かった。
そういうことにしといてくれ。
ってサンジが言ってるのが分かった。
だからおれは涙をこらえて言ったんだ・・・
「・・・・魔法使い・かぁ・・・すげぇ・・っ・・・」
「だろ?」
「・・・・っ・・・」
おれとサンジの
二人だけの秘密。
作品名:衝動SSまとめ⑤(ZS) 作家名:おこた