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へなちょこマ王とじょおうさま 「4、別れの予感」

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 繋いだこの手はこの先、数え切れないほどの月日を共に過ごすこととなることなど、当時の私は想像もしていなかったのだけれど、それでも私は少女の浮かべる純粋な笑顔にはなにか人を引き付ける力があるのではないかと(私が可愛い物好きであることを抜きにしても)引きつけられた自分を感じながら、そう思っていた。
 だから私は気付かない。
 私が引きつけられた少女こそが、私の持つ特別な気に引きつけられて世界の境界線さえも越えて私を迎えに来たのだということを。
 そして、私と繋いだ手を彼女が何よりも幸福を感じ、嬉しそうな笑顔の下で、心配させないように幸福の涙を堪えていたことなど、私は知らない。


 さあ、一緒に帰りましょう。
 あなたが在るべき場所へ…。