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へなちょこマ王とじょおうさま 「12、新たな出会いと」

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「父さんは生まれてすぐに仕事帰りの事故で死んじゃった。女手一つで母さんは私を育ててくれたけど、料理人で、私が物心ついて、分別がつくようになってからは、私をよろしくって近所の人に声をかけてから世界中を仕事で飛び回ってるよ。」
 遠くで、主上の声が聞こえた。
(…峨城…)裂けて生まれた半身を通じて、台輔の呆れた声が思考に届いたが、もう私の中でどうするのかを決めてしまっていたため、答える気にはならなかった。
 帰ってから怒られたら、そのときはそのときだ。
 瞳に遅れて思考も閉じ、私はそれでも浅い眠りについた。今日は朝から準備やらなんやら(している主上を見守るの)で疲れたのだ。
「お、…鳥は疲れてたのかね?」
「え?……峨城…」
 ジョソウの男の不思議そうな声と主上の呆れた(時折、主上と台輔はとてもよく似た反応をすることがある)声が遠くに、本当にかすかに聞こえた気がした。