Family!!
「アキラ」
その声に飛び起きる。
「グンジ?!」
「どうしたんだよ、すげー汗かいてる」
心配そうな瞳でアキラを見るのは、見慣れた風貌の、確かに大人のグンジだった。
「夢……見てた」
アキラは呆然と呟きながら、左手を見る。その温もりは、夢だったとしてもきっと一生忘れないとアキラは思った。
自分の願望が見せた夢。それは、何度も何度も見たことがあるはずなのに、今回の夢はいつもと違う気がしていた。
「こえー夢?」
グンジがアキラの額に浮かぶ汗を自分の手のひらで拭ってやりながら問う。その手の温かさと大きさに、アキラは安心したように、優しい微笑を浮かべた。
「いや……すごい、幸せな夢……」
アキラの笑みに見惚れながら、グンジはあまり興味がなさそうな返事をしていた。
また、夢の中で会おう。
そんなことをアキラはグンジの胸に顔を埋めながらひっそりと願う。