衝動SSまとめ④
快新
2012/4/28更新
幼馴染という関係を壊せない快斗。
大学生設定です。
つづきます。
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「ねぇ新一?蘭ちゃんと何かあったの?」
「別に何もねぇよ。」
「じゃあ何で一緒に帰らないのさ。」
「バーロー、金魚のフンじゃねぇんだよ。」
「じゃあ調べ物って何なのさ。」
「おめぇこそ調べ物って何なんだ?」
「今は新一の話。」
調べ物と言い図書室に来た。
俺はもちろんそんな物は言い訳で調べるものなんか何も無い。
でも、新一が一緒に来てしまった以上、何か調べないとと思い、
「世界の秘宝」なんて分厚い本を手にしてしまった。
だが、同じ理由で一緒に来た新一も「世界の名探偵図鑑」なんて本を手にしていた。
俺も俺だが、新一も新一だ。
調べ物があるなんてことはすぐに嘘だと分かった。
なんでそんな嘘をつく必要があったのかと考えると、
先ほど別れた蘭ちゃんしかいない。
違う、関係無いと言うが、他に理由など思い至らない。
「新一、俺、相談乗るよ?」
「・・・・うるせぇ。」
「ねぇ、蘭ちゃんと――
「蘭、蘭ってうるせぇ!!!!!」
「・・し・・んいち?」
「・・・・・・・ちっ・・」
ガタタッと音をたてて立ち上がると、
新一は本を戻し、俺の腕を引き図書室を後にする。
「ちょっ・・・新一何処に!??」
誰も居ない講堂に入り、扉を閉める。
俺が新一を呼ぶ声が小さく響いた。
「なぁ、黒羽。
お前・・・蘭のこと好きなのか?」
俺は一瞬理解出来なくて、
でも理解した瞬間、心臓が一気に慌て出した。
新一がそんな勘違いしてるなんて思ってもいなかった。
このままだと二人の関係が崩れてしまう。
俺のせいで、あの綺麗な二つの笑顔が無くなる。
「誤解ッ・・・・・・・・・・」
「何、慌ててんだ?」
「違う。違うよ新一、」
「・・・好きなんだな。」
「違うっ!!!!!!!新一これだけは信じて。
蘭ちゃんは大切な友達だと思ってる。本当に、」
俺は二人の間だけは壊さないように、
二人の時間だけは邪魔しないように、
一緒に居たいと思う心を押し殺して。
こんなに我慢しているのに。
なんでそんな勘違いをされるんだ・・・・
俺が蘭ちゃんにそんな目を向けたことがあった?
俺が蘭ちゃんに触れたいと願ったことがあった?
俺が見てたのは
俺が触れたいと思ったのは
俺が好きなのは―――!!!!!!!
「・・・・そんな・・・嘘だ。」
「・・・黒羽?」
「・・・・違うよ・・違うって・・」
「おっおい、泣いてんのか!??」
「・・・違うって言えよ・・・」
「分かった。悪かった。
だから泣くな。な?おい、黒羽?黒―――
「・・・しんいち・・。」
「・・・黒羽・・。」
新一が大好き。