二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

0505

INDEX|2ページ/2ページ|

前のページ
 


そして数分後。
きれいに蝶結びされたカラフルなリボンが、綱吉の髪のあちこちに留まっていた。

「うん、いいね。よく似合ってる」
「・・・嬉しくないです」
「なんで?」
「なんでって・・・!」

まるで女子のように飾り立てられ、尚且つ「よく似合う」なんて。
綱吉にだってなけなしとは言え男のプライドはあるのだ。それがちょっと傷つく。
しかし当の加害者は、綱吉の反応を無視してじっと見つめている。

「んー・・・これでもいいけど、何か足りない・・・」

どこが!?
綱吉は内心つっこんだ。
もうリボンは全部使い尽くしたというのに、いったい何が、どう足りないというのか。
雲雀は辺りを見回し、それからにんまりと笑った。

「・・・使えるね」

そう言うと雲雀は、箱のラッピングに使われていたリボンを手にとった。

「顔、上向けて」
「???」

訳が分からないまま言うとおりにする綱吉。
その白い首に、赤く大きなリボンが結わえ付けられた。

「苦しくない?」
「は、はい・・・・」

きゅ、きゅ、と何度か形を整え、雲雀はにんまりと頷いた。

「完璧」
「・・・はぁ」

それから雲雀は、机の引き出しから手鏡を取り出してきた。

「見てごらん」

仕方なしに見てみると、やはりというか何というか、カラフルに飾られた髪。
そして首元には、蝶ネクタイのように結ばれた真っ赤なリボン。

「・・・楽しかったですか?」
「うん」

即答。
綱吉は苦い顔で、もう一度鏡の中の自分を見た。

沢山のリボンで髪を飾られた上、首にも赤いリボン。
これじゃまるで・・・

「ペットみたいだね」
「!」

考えを見透かしたかのように、雲雀が言った。

「いいね、真っ赤な首輪をつけた僕の可愛いペット。綱吉ならチワワかポメラニアンかな」
「なっ、何言ってんですか!!」
「猫に例えたほうがよかった?」
「そういうことじゃなくて!」
「でも、首輪っていいよね。僕のものだって、よく分かるじゃないか」
「~~~~~~っっ!こっ、こんなもの無くたって・・・!」

そう言うと、綱吉は首のリボンを強引にほどき、叫んだ。

「オレは雲雀さんのものですっ!!」

言ってから、ハッと我に返る。

「(おっ、オレ今、すんごいこと言っちゃった!?)・・・わぷっ!?」

突如雲雀が抱きついてきた。
かなり加減していない強い力に、綱吉はじたばたともがく。

「ちょっ、苦しいです!ひーばーりーさーん!離してくださーい!ちょ、痛い痛い痛い!マジでかんべ・・・ん?」

綱吉は少し動きを止め、それから思わずニヤついてしまった。


見てしまったのだ。
視線を横にずらした先、真っ赤に火照った恋人の耳。


「雲雀さん、もしかして照れ「違う」でも耳「違うってば」だってー・・・「うるさいよもう黙って」

いつに無く早口で否定する雲雀に、綱吉は愛おしさを感じずにいられなかった。

(ひ、雲雀さん・・・可愛い・・・!)

「・・・綱吉」
「はい?」
「しばらく、このまま」
「・・・分かりました」

しばらく顔を見られたくないのだろう。


綱吉はリボンを一本解き、少し見下ろす形になった丸い頭につけてみた。


少し歪になってしまったオレンジの蝶は、つややかな黒髪にとても良く映えていた。
作品名:0505 作家名:こっこ