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新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第27話

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 第27話 「降りしきる雨の中で」


  季節は梅雨シーズン真っ只中へと移っていた。学生達の制服も夏服へと衣替えしていた。

  ポツポツと振り続ける雨。朝の教室の窓の外を見つめる澪。

  澪 「はぁ〜・・・・梅雨かぁ・・・。」

  律 「毎日雨ばかりでやになるなー。」

  澪 「・・・・あ!」

  律 「んあ?どうした?」

  突然思いついたように言う澪。

  澪 「いい歌詞思いついたっ!」 

  早速、フリーペーパーに歌詞を口に出しながら書いていく。

  澪 「Raindrops・・・・降り出す雨・・・・・・なんてキレイなの・・・。」

  案の定、澪独特の感性による歌詞が生まれていく。聞いていた律は肌に若干のかゆみを催す。

  律 「う・・・またムズかゆくなりそうな歌詞ができそうだな・・・・。」

  鼻歌交じりにスラスラと歌詞を書き進めていく。そこへ、ずぶ濡れになった唯が入ってきた。

  唯 「みんなおはよぅ〜・・・。」

  澪 「な?!いくら雨だからって濡れすぎだろ!!」

  紬 「風ひいちゃうわよ?!私が拭いてあげる!」

  何があったのか、唯は全身が激しくずぶ濡れになっていた。そんな唯に紬は持っていたタオルで、嬉しげな表情を出しながら唯の頭を拭いてあげた。

  紬 「おかゆいところはありませんか〜?」

  唯 「ありませーん・・・ってムギちゃんそれ美容室だよぅ〜。」

  たじり汗をかきながら、律が腕組して唯に尋ねる。

  律 「こけたのか?!水溜りにダイブしたのか?!どっちだ?!」

  澪 「いや、どっちも同じ意味だろ?!」

  唯 「えへへへ・・・ギー太が濡れないようにかばって来たらこうなっちゃった。水に滴るいい女のコ〜・・・。」

  澪 「もぅ・・・しょうがないな唯は・・・ビニールに巻いて来ればよかっただろう。」

  唯 「ホントだねぇ・・・澪ちゃん頭いい〜。」

  澪 「いや、フツーは思いつくだろう!!でも、そんな格好じゃ本当に風邪ひいちゃうな。」

  水浸しの唯を見ながら律がポンと手を叩いてひらめいた。さわ子の衣装コレクションを思い出したのだ。

  律 「そーだっ!!部室行こうぜ!!」

  部室に来た4人。とりあえず濡れた制服を部室におく事にする。唯は大型のタオルケットで裸の身体を隠している。

  唯 「うぃーっくし!あーうー・・・水にも滴るいいおんな〜・・・。」 

  律 「なーにバカなコト言ってんだ!復活祭が終わった後だったからよかったものを・・・。」

  唯 「ふももも〜・・・・。」

  澪 「でも、着替えの制服なんてないし・・・ジャージだって今日持ってきてないしな・・・。」

  その時、律が部室の奥からさわ子お手製の服の数々を引っ張ってくる。

  律 「だ・か・ら・・・・部室にきたじゃんかー!!軽音部の負の遺産!!」

  澪 「そうか!その手があったな!」

  早速それらの衣装から選びとる唯。だが、コアラのきぐるみだった。

  澪 「何故それを着る??!」

  唯 「へ?」

  律 「おお?!これ着てみろ!これ!」

  律が薦める衣装を着てみる唯。制服をカッコよくアレンジした衣装で、ある意味で違和感はない。

  律 「おおー・・・・まるで某ガールズロックバンドみたいだ!!よーし、そのままじっとしてろ〜唯!!」 

  唯 「ほえ?」

    す・・・・・カシャッ!

  律がその姿をケータイカメラで撮って、シャメを送った。

  律 「送信っ!」

  唯 「ふえ?誰に送ったの?」

  律 「さぁ・・・・。」

  桜工。勇士朗達が教室でたむろしていると、蓮のケータイが鳴った。

  ♪〜・・・

  蓮 「ん?だれだ?」

  ケータイを開くと律からのメールが入っていた。送付ファイルの所を押すと、唯の写メを送ってきた事を確認する。

    「光君にみせてあげて!!」

  蓮 「ん?・・・・・おお、なるほど!」

  俊 「何1人で納得してるんだ?」

  蓮 「いや、律っちゃんがこの写メを光に見せろってな・・・・・ほれ、光っ!」

  蓮が光に向けてケータイの写メを見せた。直視した光は、たちまち狂喜乱舞する。

  光 「うひょおおおっ!!!かわいいいい!!!わきゃきゃー!!」

  俊 「何がわきゃきゃーだ!!」

  勇士朗 「なんかスキャ○ダルみたいだよな・・・ライブで使った衣装か?でもなんで?」

  俊 「大方、雨で半端ない濡れ方したんだろ?それで着替えたんじゃないのか?」

  この俊の一言で光が更に暴走する。

  光 「濡れる・・・・濡れる・・・・唯ちゃんが・・・濡れ・・・・きゅぱああああ!!!」

  俊 「うるせーっ!なにがきゅぱーだ!!」

  蓮 「何想像してるんだか・・・。」

  再び桜高。ギターを置きに梓達が部室にやってきた。薄暗い部屋に不気味に置かれていた濡れた制服にビビル。

  梓 「うあ!なにこれ!?」

  憂 「ずぶ濡れの制服・・・?」

  純 「なんかコワっ!!」

  梓 「なに・・・嫌がらせ?」

  純 「何かの呪いだったり・・・・桜高七不思議??」

  憂 「変な事言わないで、純・・・。」

  梓 「ま・・・嫌がらせよ!嫌がらせ!許せない!!」

  だが、はっとなり憂は登校時のことを思い出す。車が跳ねた水溜りの水を全身に浴びたり、つまづいて水溜りに倒れこんだ姉の事を思い出したのだ。

  唯はギー太死守の為に身体を張っていたのだ。

  憂 「あ・・・お姉ちゃんのだよ・・・これ。」

  梓 「へ??」




  その日の放課後。まだ雨は止まなかった。梓が降り続ける雨を見つめて言う。

  梓 「雨・・・・止む気配がないですね。」

  澪 「そうだな〜。ま、おかげで新しい歌詞ができたけどな。」

  梓 「そうなんですか?!見せてください!」

  澪 「ああ、いいよ。」

  梓が歌詞の書かれたフリーペーパーを手にとってみる。

  梓 (例によって・・・とってもメルヘン・・・。)

  綴られた歌詞を読みながら梓は唯をほめた。 

  梓 「それにしても、唯先輩!体を張ってギターを守るなんて見直しました!今朝、憂から聞きましたよ!!」

  唯 「えへへ〜・・・もっとほめてー、あずにゃ〜ん。」

  梓 「ギターは雨に濡れてそのままにしておくとカビが生えてきちゃうんです!だから、唯先輩のギターを大事にする気持ち、もっと見習わなきゃって思います!」

  ほめられた唯が、梓に抱きつく。軽音部ではもう見慣れた光景だが、当事者の梓は拒否的だ。

  唯 「んんーあずにゃーん☆」 

  梓 「ぎにゃー!!」

  その後の練習中、唯がギー太の違和感に気づいた。

  唯 「ん・・・・?音が変・・・?」

  すると梓がその事について説明する。

  梓 「ギターのネックは水分を含むと曲がってオクターブチューニングが狂っちゃうんです。」