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新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第28話

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第28話 「雨上がりの勇者特急」


  駅を北に行ったところのコンビニ。ここには唯のクラスメイトである姫子がバイトをしていた。 

  そこへ唯が先日に言ったように軽音部の仲間を連れてやってきた。レジで勤務中の姫子に梓を連れて声をかける。

  唯 「やっほー!姫ちゃん!」

  姫子 「唯!来てくれたんだ!」

  唯 「うん!みんなで来たよー。あ!紹介するね!このコ、軽音部の後輩のあずにゃん!」

  唯は、梓の両肩に手をかけながら紹介する。だが、ハナからあだ名で紹介してしまう。

  突然あだ名で紹介された梓は、改めて突っ込みながら言い直す。

  梓 「もう!唯先輩、いきなりあだ名で紹介してどうするんですか?!えっと・・・中野梓です。初めまして!」

  姫子は笑顔で返す。それに梓はカワイイ声のトーンで返事をする。

  姫子 「唯のクラスメイトの立花姫子よ。よろしくね、梓ちゃん!」

  梓 「はいー!」

  すると唯が梓の肩に手を回す。そしていつものようにぎゅーっと抱きしめ始めた。

  梓 「??!」

  唯 「にゃんこみたいにカワイイコでしょ〜?だからあずにゃんなんだー。」

  梓 「ぎにゃー!!ここは公衆の面前ですよ!!恥ずかしいですっっ!!」

  姫子 「あはははは!仲いいんだね!」

  梓 「ぎにゃにゃにゃあー!!」

  唯と姫子が会話する一方で紬がコンビニの品物に目を輝かせていた。特に目に止まったブラックサンダー等の駄菓子に興味津々のようだ。

  紬 「おお!!・・・・ふあああ!!珍しいものがいっぱい!!全部買っちゃおうかな〜。」

  澪 「ムギ・・・落ち着け!」

  澪はがしっと紬の肩に手を置いて暴走(?)を止める。だが、再び店内の隅々を回り始めた。

  紬 「だって、庶民的な魅力があるものばかりで・・・ああ!!」

  澪 「あらら・・・。」

  律 「はぁ〜・・・庶民的なものにはホント歯止めが効かなくなるな・・・ムギ・・・ん?」

  律がふと横を見ると、蓮が品物の追加をしていた。

  律 「ああ!!蓮!!ここでバイトしていたのか?!」

  蓮 「おおお!?律っちゃん!!澪ちゃんも?!」

  澪 「うん!今日はみんなで来たんだ!」

  律 「うちのクラスのコが、ここでバイトしてるって言うからさ・・・。」    

  蓮 「そっか、そっか・・・ひょっとしてこの前入った姫ちゃんか?」

  律 「姫ちゃんてあんた・・・。」

  蓮の姫子への呼び方に何故かカチンときてしまう律。付き合ってるわけでもないのに蓮は律の感情に気づいて慌てて説明した。

  蓮 「あー・・・店長もみんなそう呼んでっからさー・・・それにな・・・。」  

  律 「それに?」

  蓮は律と澪にこそっと話した。

  蓮 「ここだけの話・・・涼のやつ惚れちまってな・・・今恥ずかしがって見せの奥で仕事してんだ。情けねーッたらありゃしねー。」

  またもやここで新たな恋が芽生えようとしていた。律はぺしんと自分のおでこを叩いた。

  律 「かぁ〜!ほんと、生物災害が巻き起これば、恋の嵐も巻き起こるねー!!ったくぅ!!」

  澪はそれを聞いて目を輝かせながらまた新たな歌詞のネタを思いつく。

  澪 「コンビニラブタイム・・・・いいかも☆」

  律、即突っ込みを入れる。

  律 「澪も落ち着け!!」

  蓮は更に恋模様の情報を告げる。

  蓮 「ちなみに姫ちゃんも満更でもないようだ・・・。」

  律 「ほぉ〜・・・これまた楽しみが増えましたな!まぁ、くれぐれも邪魔するなよ、蓮!」

  蓮 「しねーって!!むしろ今のは律っちゃんが邪魔しそうな感じだったぞ!!」

  律 「失礼な!!」  

  そんな仲良さ気な二人のやり取りに澪は吹きだした。

  澪 「ぷっ!律達もすっかりラブラブじゃないか!」

  律 「なに言ってんだ?!澪!!」

  蓮 「誤解だぁっ!!」

  否定するも、二人揃って顔を赤くしていた。その向こうで涼が在庫整理をしながら姫子の事を考えていた。

  涼 (う〜・・・なにやってんだろ?ボク・・・わざわざ姫ちゃんから離れるようなポジションの仕事選んじゃって・・・はぁ・・・まぁ、いいや!これ終わったらレジにまわろー!)

  唯達がコンビニを後にして涼がレジに回りに出た。だが、操作ミスを繰り返して客に迷惑を被ってしまう。後で蓮に注意された。

  蓮 「・・・そろそろ覚えようぜ〜?姫ちゃんなんか使いこなしちゃってるぜ?」

  涼 「すいません、蓮先輩・・・。」

  蓮 「メモ張かなんかに書くなりしてさ、ミス対策してみたらどうよ?」

  涼 「そうっすねー・・・やってみます!」

  だが、涼は他の仕事中にもミスをして店長に怒られていた。

  しかし、へタレながらもがんばる涼の姿を見て、姫子はきゅんとした感覚を覚える。

  姫子 (涼君・・・なんだかほっとけないな・・・。)

  そんな時間が流れる中、外では雨が振り続いていた。



  紬 (今日は珍しいものいっぱい買っちゃったなぁ〜・・・舞人君にメール送ろうっと♪)

  メンバーと別れた紬が列車に乗り帰路に着きながら舞人にメールを打とうとする。だが、充電し忘れていた為に電池が切れてしまう。

  紬 (いけない!私ったら充電するのを忘れていたわ!)

  その時だった。突如として巨大生物が出現する。

    ドォガアアアアアアッ!!!!

  紬 「きゃあああ!!」

  路線の地下から出現した為、線路が破壊され、通過していた電車が脱線。無残にも破壊される。

  その生物はBLWの新種、BLW‐06だった。巨大な筋肉質の体に、異様に巨大な腕。強力な鍵爪。肌色の皮膚に、頭部はBLWに共通するカタツムリ状の目が確認できる。さらに出現した穴からBLW‐01の群れと、BLW‐02が1体出現する。

  相模原と横浜間で起きたこの惨劇は瞬く間に舞人に伝えられる。

  舞人 「わが社の路線上にBLWが?!わかった!!今すぐ向かうっっ!!だが、しばらくフォートレスに着くまで時間が掛かる!!先にストライクボンバー達を向かわせてくれ!!」

  旋風寺コンツェルンのドックからトレーラー特急とアームズ特急が発進する。

  ドック内放送 「トレーラー特急、アームズ特急発進準備に移行。ゲートオープン準備。」

  ゲートがオープンし、路線上にトレーラー特急とアームズ特急が配置につく。

  ストライクボンバー 『トレーラー特急、出るぜ!!』

  フレアダイバー 『アームズ特急、出ます!!』

  二両のバトル特急が加速。一刻もBLWを駆逐すべく、被害現場に向かって発進していった。

  一方現地では、デストリアンのごとく、破壊行動を続けるBLW。重戦車のごとく街を突き進むBLW‐02がプラズマ弾を撃ち出しながら関節音を出して進む。

  BLW‐06は周囲の列車や駅を叩き潰しながら暴れ、南下していく。

  BLW‐06 「ゴゴガアアアアアアアアアッ!!」