新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第28話
BLW‐06が過ぎ去った後には、脱線した車両が倒れている。その車両の中には、あろう事か、紬が乗っていた。彼女は気を失って倒れていたのだ。
それからしばらくした後に紬は意識を取り戻す。
紬 「う・・・・ん・・・・一体何が・・・?」
気を失っていた紬が目を開け周囲に意識を向けると、電車が潰され、乗客のほとんどが死亡していた。潰された事で、皮肉にも出口が確保されていた。この車両で生き残っているのは紬だけのようだった。
紬 「ひどい・・・!!!なんで・・・こんな事に・・・痛い!」
紬を見舞う悲劇。横転の際に負った怪我が痛みを伴なわせる。
紬 「と、とにかく早く出なくちゃ・・・うんしょ・・・。」
ズドォゴオオオオオオオッ!!
紬 「きゃああ!!」
地震のような衝撃が襲う。思わず、舞人の名を口にする紬。
紬 「ああ・・・舞人君!!」
その時、BLW‐01が紬のいる車両へと迫っていた。咀嚼音のような音をたてて接近する。
駅の周辺には、10体のBLW‐01が跋扈していた。
紬 「ここに居ただけじゃ危険だわ!!早く逃げなきゃ!!」
潰された事によって出来た空間から走って抜け出す紬。後方からは紬を認識したBLW‐01が追う。
こんな所で死ぬわけにはいかなかった。放課後ティータイムの為にも。そして彼氏の舞人の為にも・・・・紬は傘を広げながら必死に走る。
紬 「うぅっ・・・・!!」
BLW‐01 「クケキャアアアァ・・・。」
口を開いて紬に迫るBLW‐01。まさに絶体絶命。後ろから迫る恐怖の感覚に耐え切れずに叫んだ。
紬 「いやあああああ!!!」
その時、ギリギリでストライクボンバーとフレアダイバーが到着する。
ストライクボンバー 『チェエエエンジッ!!ストライクボンバー!!』
フレアダイバー 『チェェエエエエンジッ!!フレアダイバーッ!!』
変形すると、ストライクボンバーが紬を捕食しようとしていた個体を着地と同時に踏み潰す。
ストライクボンバー 『でやああああああっっ!!!』
グシャアアアアンッ!!
紬 「きゃああああ!!」
ストライクボンバー 『ご無事ですか?!紬嬢!!』
巻き起こる地響き。叫ぶ紬にストライクボンバーの鋼鉄の手が差し伸べられた。
紬 「う・・・・は、はい。少し怪我をしてしまいましたが・・・。」
フレアダイバー 『ここは我々に任せてください!!』
ストライクボンバー 『さぁ、俺の手に乗って!!安全な場所へご案内します!!』
紬 「ありがとう、ストライクボンバー。」
紬を手に乗せるとストライクボンバーはひとまず安全な場所へと紬を運ぶ。
その間に、BLW‐01の駆逐に掛かるフレアダイバー。
フレアダイバー 『フレアデトネイターッ!!』
ディドゥダルゥラララララララァァァァァッッ!!!
ドゥギャドォドォヴァギャギャギャガガガァァンッ!!!
両肩のフレアデトネイターで2体を駆逐すると、別方向へ向き、その方向にいる個体を粉砕する。
ギュオッ・・・ディガダダダララララララァアアアァッッ!!!
ドォドォドォドォディギャギャオオォォォッッ!!!
右腰に装着されているツイン・バスターシリンダーのガトリングシリンダーの銃身が持ち上がり、銃口がBLW‐01たちに向けられる。
フレアダイバー 『ガトリングシリンダーッ!!!』
ヴィドゥルルルルルルルルルルルルルルルルルゥゥゥゥッッ!!!
ディギャガガガガガドゥゴゴゴゴゴオオォォオオッッ!!
ガトリングシリンダーから撃ち出されるビーム弾に、次々に駆逐されるBLW‐01。
駅周辺のBLW‐01を一掃すると、フレアダイバーがBLW‐02に向かう。バックパックから青白い炎を噴射して飛び立つ。
ギュグン・・・ドォアアアアアアアアアッ!!
ストライクボンバー 『ここなら安全と思われます・・・では!!』
紬 「ありがとう・・・・。」
紬の安全を確保すると、ストライクボンバーはBLW‐06に向かって走り出す。傘をさしながら彼女はストライクボンバーの背中を見送った。
だが、走るストライクボンバーの面前に、BLW‐03が地下から姿を現した。
ドキャコオオオオッ!!
ストライクボンバー 『おっとぉ?!』
ストライクボンバーは動揺する事無くとび蹴りで蹴散らす。
ストライクボンバー 『邪魔だ退けええええええっっ!!!』
ギュオッ・・・・ドォッガアアアアアアアッ!!!
吹っ飛ばされるBLW‐03。着地してファイティングポーズを構えるストライクボンバー。
ストライクボンバー 『テメーの戦闘データは入っている!!立てやおらぁッ!!!』
それに答えるかのように立ち上がり、ストライクボンバーに走りながら襲い掛かる。
BLW‐03 「クケアアアアアアアァァァァァッッ!!」
ストライクボンバー 『フン!!』
ガッ!!
2本の右腕のパンチを左腕でガードして、カウンターのボディーブローをくらわせる。口から唾液が飛ぶBLW‐03。
ストライクボンバー 『だああっっ!!』
ドォズゴォオオオオオオッ!!!
BLW‐03 「グクケアッ??!」
怯んで若干下がるBLW‐03。ストライクボンバーはそこから踏み込んで十八番のナックルラッシュをブチかます。
ストライクボンバー 『いくぜ!!ナックルラッシュッ!!!』
ドォゴォッ、ガゴンッ、ズドォガッ、ドォゴガンッ、ドォオオッ、ドォグォゴンッ!!!
ストライクボンバーの拳がBLW‐03の肉体を打つ。強烈さの余りに肉体が陥没しはじめる。
BLW‐03 「クケアッ・・・・!!!」
ストライクボンバー 『まだ倒れんなよ!!もっと打ち込むぜっ!!!』
ドォゴン、ゴガアアッ、ドォッ、ズドォッッ、グドォゴッ!!!
一旦パンチを止めるストライクボンバー。脚に装備されたダイレクトボムに手を伸ばす。
ストライクボンバー 『これでも喰いな!!腹減ってんだろ?!』
ストライクボンバーは、脚に装備されたドラム缶状の爆弾、ダイレクトボムをBLW‐03の口にゴッと押し込んだ。
ストライクボンバー 『ぶっ飛べ!!ダイレクト・クラッシャーッ!!!』
ズドォゴッ――――ヴァギュドォドォグガアアアアアアアアアンッッ!!!
押し込んだ爆弾に思いっきり鋼の拳をぶち込むストライクボンバー。頭部もろとも木端微塵に爆発して砕け散る。
一方、フレアダイバーは、BLW‐02にフルシューティングアタックで攻撃をかけていた。
フレアデトネイター、ガトリングシリンダー、ナパームシリンダー、ブレストファランカー、中央のブレストガードユニットからフレアキャノンが火を吹く。
作品名:新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第28話 作家名:Kブレイヴ